時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
春夫(段田安則)は改めて翻訳家として生きて行こうと、愛子(賀来千香子)に決意を語る。死ぬまで一緒、とタイプで打って、愛子は「ローマの休日」のリバイバル上映を見に行かないか、と誘う。春夫は一人で見に行き、オードリー・ヘプバーンを見ながら息絶える。知らせを聞いた愛子はそのままショックで寝込み、滝乃(大竹しのぶ)は手を合わせに来る。美月(岡本綾)は、小さいころに春夫が撮った8ミリフィルムを見ながら…。
予想外の円高の影響で、大京映画の日米合作ドラマの企画は中止になり、春夫(段田安則)はリチャード(トロイ)を怒鳴り飛ばすが、アメリカの決定は覆らない。黒田(國村隼)は、錠島(長嶋一茂)だけでもアメリカに連れていって撮影できないか、と頼むが却下される。美月(岡本綾)は錠島に、どんな形でもいいから役者でいて、と訴える。錠島は大京映画で黒田に、斬られ役でも悪役でもなんでもやるから大京映画においてくれと…。
春夫(段田安則)は滝乃(大竹しのぶ)に話があって麻生(沢田研二)の家に来るが、麻生の言葉を聞いて、滝乃には何も言わずに帰る。椿屋で錠島(長嶋一茂)と話した美月(岡本綾)は、撮影所の昔を思い出し、懐かしく昔の写真を眺める。撮影開始前日には、大京映画スタッフの決起集会が開かれて、春夫は夜中美月の部屋を訪れる。春夫は、椿屋を守るのも立派な仕事だが、映画の世界に戻りたかったら戻ったらどうだ、と美月に…。
梓(茂山逸平)が女の子を連れてくると、愛子(賀来千香子)は朝から浮かれているが、美月(岡本綾)は曜子(岡田薫)のことが信用できないので、滝乃(大竹しのぶ)のような辛辣な口調になってしまう。春夫(段田安則)は、曜子にソフィアという英語名を付けて上機嫌。秋になり、錠島(長嶋一茂)が大京映画の日米合作テレビドラマの重要な役に決まり椿屋に滞在する。春夫が滝乃を訪ねてくると、麻生(沢田研二)は春夫に…。
美月(岡本綾)は梓(茂山逸平)に、椿屋の品位を落とすようなことはするな、と釘を刺す。梓は、お姉ちゃんは滝乃(大竹しのぶ)に似てきた、いつからそんな差別主義者になった、と言って出て行く。美月が門を閉めに出てくると、錠島(長嶋一茂)が借りた金を返しに現れるが、美月は追い返す。帰っていく錠島を見た梓は美月に、椿屋の中庭と門はどこが違うんだ、と問い詰める。美月は滝乃の孤独が初めてわかったような気がして…。
滝乃(大竹しのぶ)と麻生(沢田研二)は、互いに相手に求めるもののズレに気付いてしまう。椿屋では、リチャード(トロイ)を交えて、日米合作ドラマの打ち合わせが始まる。大京映画からは、黒田(國村隼)、関川(石井正則)、杉本(堺雅人)に春夫(段田安則)。春夫がリチャードの説明を同時通訳しながら、会議は進む。その頃美月(岡本綾)は、梓(茂山逸平)と曜子(岡田薫)が渡り廊下で密会しているのを見とがめて…。
仲直りした愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)が仲睦まじく話していると、梓(茂山逸平)が帰って来る。梓のガールフレンドの存在に気付く愛子。椿屋では、帳簿を広げたまま居眠りしてる美月(岡本綾)に声をかけるのをためらう滝乃(大竹しのぶ)。一緒に寝ようと言う美月に、従業員に示しがつかないから、と断る滝乃。話し合っていたら、互いに意地を張りあって、反発して終わってしまう。滝乃は、帰りにカツドウ屋に寄り…。
アメリカから帰ってきた春夫(段田安則)は、日米合作の大作ドラマのプロデューサーをやると言う。何を言ってるのか信じられない美月(岡本綾)だが、春夫が元気に帰って来て嬉しそうな愛子(賀来千香子)。梓(茂山逸平)は、アメリカで春夫の昔の知り合いから評判を聞き、見直した様子。滝乃(大竹しのぶ)は椿屋に泊まることになり、美月が接客する。糊のないシーツは無いのか、と聞く滝乃に、美月は滝乃の変化を感じて…。
愛子(賀来千香子)は滝乃(大竹しのぶ)の家に来て、美月(岡本綾)にアドバイスしてやってほしいと頼む。椿屋でアメリカからの国際電話に美月が出ると、春夫(段田安則)が見つかった、と梓(茂山逸平)からだった。滝乃の家には麻生(沢田研二)が帰って来て、麻生は一緒に食事でも、と誘うが愛子は帰る。一週間後、滝乃が椿屋に来て、部屋は空いてるかと聞くが、美月は断る。帰りかけた滝乃を追いかけて美月が表へ出ると…。
美月(岡本綾)は杉本(堺雅人)の頼みを正式に断る。帰る杉本を涙をこらえて見送る美月を、陰からそっと見つめる滝乃(大竹しのぶ)。見た目も雰囲気も変わった滝乃とすれ違っても、花尾(桂米朝)は気づかない。滝乃は、その足で雀蓮(三林京子)の庵を訪ね、このままでいいのかと相談する。夏休みに入り、春夫のルーツを求めて東京へ出かけた梓(茂山逸平)は、帰って来て美月と愛子(賀来千香子)に一緒に話を聞かせようと…。