時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
虎之助(菊池隆則)は幸太郎(佐々木蔵之介)に、日本に戻って来て居場所はあるか、と相談する。トラはチャンバラがやりたくなった、と言うが、幸太郎は香港でダメになるまで頑張った方がいい、と答える。美月(岡本綾)は話を聞いていて、映画作りに情熱を燃やしていた昔のことを思い出し、一人部屋で涙する。それを見た愛子(賀来千香子)は滝乃(大竹しのぶ)に会いに行き、これが自分の望んだ子供たちの姿なのかと相談して…。
手紙に書いてあったクリキン(舟木一夫)の情報に、偽名を使って暮らしているのか、と切なく感じる虎之助(菊池隆則)。トラは錠島(長嶋一茂)に会い、役者を続けろとはっぱをかける。美月(岡本綾)は、クリキンのアパートを訪ね、椿屋でトラとクリキンは親子の再会を果たす。クリキンは、スターとしての心構えをトラに教え諭し、そんな二人の様子を雀蓮(三林京子)は陰から見守る。トラは脇役でもクリキンを見たいと言うが…。
虎之助(菊池隆則)と顔を合わせた雀蓮(三林京子)。虎之助は、一緒に香港で暮らそうと誘うが、雀蓮は断る。美月(岡本綾)のはからいで、晋八(仁科貴)たちかつての大京映画の大部屋俳優たちが集まって椿屋で宴会を開き、昔話に花が咲く。一緒に神戸に引っ越す話をしていた麻生(沢田研二)と滝乃(大竹しのぶ)だが、滝乃は京都にいたい、と泣き出す。翌朝、美月が雀蓮から託された手紙をトラに渡すと、書いてあったのは…。
美月(岡本綾)と晋八(仁科貴)と幸太郎(佐々木蔵之介)は、テレビで謎の香港のスター、タイガー・ウォンが虎之助(菊池隆則)かどうか確認するがわからない。麻生(沢田研二)と考え方の溝が埋まらない滝乃(大竹しのぶ)が思い悩んでいると、雀蓮(三林京子)が訪ねてきて、トラのことが気になる、と相談する。と、椿屋にタイガー・ウォンが五年ぶりに美月に会いに来る。麻生は、滝乃が説明する雀蓮の不思議な能力を信じず…。
美月(岡本綾)も晋八(仁科貴)も映画の世界が忘れられず、滝乃(大竹しのぶ)は椿屋が忘れられない。幸太郎(佐々木蔵之介)は美月と晋八の目を覚ますために、不意に美月を抱きしめる。晋八は怒って部屋に乗り込むが、逆に廊下で立ち聞きしている美月の気配に気づけず、幸太郎にたしなめられる。もみじ(三田篤子)は梓(茂山逸平)が研究で使う友禅の染料を持ってくるが、愛子(賀来千香子)は梓に渡すのを忘れてしまい…。
美月(岡本綾)が体調を崩してから、晋八(仁科貴)は椿屋に住み込みで働き、佐々木家とも打ち解けている。一方、滝乃(大竹しのぶ)は麻生(沢田研二)と、パン食か米食かなど細かい部分でかみ合わない。美月が掛け軸を替えながら滝乃のことをぼんやり考えていると、愛子(賀来千香子)が、滝乃はケンカする相手がいて幸せだ、などと呟く。愛子は梓(茂山逸平)を頼りにしているが、梓は大学の研究が忙しく、大学に泊まり込み…。
大京映画の時代劇スペシャルの撮影が始まり、黒田(國村隼)と関川(石井正則)が幸太郎(佐々木蔵之介)の迎えに来るが、滝乃(大竹しのぶ)は下働きは表に出ない、と隠れる。美月(岡本綾)が見送りに出ている間に、花尾(桂米朝)が滝乃にお茶を所望する。滝乃は花尾に、麻生(沢田研二)とうまくいっていないと打ち明ける。麻生が、突然椿屋に滝乃を迎えに来て、一緒に神戸の海を見に行き、麻生は二人で神戸で暮らそうと…。
夜中に突然椿屋を訪れた滝乃(大竹しのぶ)。美月(岡本綾)は麻生(沢田研二)に電話したほうがいいと言うが、滝乃はしない。晋八(仁科貴)は花尾(桂米朝)に夜食のうどんを頼まれ、部屋で恋の相談をする。美月は、客の部屋に入ったらいけないと晋八を叱り、滝乃は、自分が手伝うと美月に申し出る。愛子(賀来千香子)は、麻生のことをもっと大事にすればいいのに、と心配するが、滝乃は麻生と電話で話し、一人涙を流して…。
晋八(仁科貴)は体調を崩した美月(岡本綾)にうどんを作ってやったりして、殺陣師に戻る気は全くない。3年前に酔った杉本(堺雅人)に傷つけられたことを許せないのだ。杉本は、椿屋に来て晋八に頭を下げて戻ってくれるよう頼むが、晋八は断る。幸太郎(佐々木蔵之介)は殺陣師に戻るよう頼む気はないが、オードリーのことは諦めろと言う。愛子(賀来千香子)は酔って帰ってきた梓(茂山逸平)に、もっと早く帰ってきてと…。
三年後、美月(岡本綾)は愛子(賀来千香子)やもみじ(三田篤子)に手伝ってもらいながら、椿屋を切り盛りしていた。大京映画は時代劇スペシャルの枠を勝ち取り、幹幸太郎(佐々木蔵之介)の主演も決まった。もみじが父親の看病で休むので晋八(仁科貴)が手伝いに来るが、美月が過労で倒れてしまう。美月の分までと張り切って仕事するが、空回りする晋八。幸太郎と杉本(堺雅人)が時代劇スペシャルの殺陣師を晋八に頼むが…。