時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
大京映画の社長に就任して杉本(堺雅人)がやりたいこととして挙げたのは、映画を作ること。関川(石井正則)は反対するが、黒田(國村隼)は、好きにやってみい、と止めない。帰り道杉本は美月(岡本綾)に、美月を監督にして、宮本武蔵と撮りたいと話す。カツドウ屋では、日本に戻ってきていた虎之助(菊池隆則)が、錠島(長嶋一茂)と共演して決着をつけたいと夢を語り、錠島は見果てぬ夢はしょせん見果てぬ夢だ、と言って…。
2000年、滝乃が亡くなって十八年。美月(岡本綾)は大京映画でテレビ時代劇を監督する毎日、黒田(國村隼)が会長、関川(石井正則)が社長、杉本(堺雅人)はプロデューサーになっていた。椿屋は笹守に買い取られ、高級料亭として生まれ変わり、椿屋と佐々木家の渡り廊下は無くなった。佐々木家は愛子(賀来千香子)の独断で二階を増設し、梓(茂山逸平)一家が同居。美月がロケ終わりを関川に報告していると、黒田が来て…。
麻生佑二(沢田研二)に電話する美月(岡本綾)。滝乃(大竹しのぶ)が花尾(桂米朝)にお茶を出して部屋に戻ると、美月の前で倒れる。麻生が会えなくてもいいから、と椿屋に来て、御簾越しに滝乃と話し、元気になったらまた会おう、と約束する。あくる日、美月が仕事をしていると知らせが入り、錠島(長嶋一茂)が機転をきかし、ねん挫をしたと倒れる。収録を中止する、と杉本(堺雅人)は決め、走って帰れと皆で追い返すが…。
滝乃(大竹しのぶ)は無理やり退院して、黒田(國村隼)に付き添われて、椿屋に帰ってくる。病院に行く前よりも元気になって、愛子(賀来千香子)も驚く。錠島(長嶋一茂)は美月(岡本綾)に、仕事を休んで看病しろ、と言う。自分の母親の死に目に会わせてくれて感謝している、と言うと、少し動揺する美月。黒田は、虎之助(菊池隆則)と幸太郎(佐々木蔵之介)の間で、二人のわがままに翻弄される。仕事を休んだ美月は…。
『魔境の剣士・ムサシ』の撮影が続く。キューのタイミングが遅い、と晋八(仁科貴)が美月(岡本綾)にダメ出ししていると、関川(石井正則)が駆け込んできて、滝乃(大竹しのぶ)が倒れて病院に運ばれた、と言う。関川や杉本(堺雅人)は早く帰れと言うが、美月は病院の梓(茂山逸平)に電話して、命に別状はない、と聞くと仕事を続ける。夜中、美月が病院に来て滝乃と話す。朝になると、滝乃は椿屋に帰る、と言い出して…。
幸太郎(佐々木蔵之介)のわがままが止まらない。朝になって急に朝食は洋食がいいと言って、滝乃(大竹しのぶ)たちを困らせる。なんとか用意すると、今度は部屋を替えろと言う。それも満室で出来ないと断ると、椿屋を出てホテルに行くと言う。困った滝乃が美月(岡本綾)に相談すると、滝乃は美月が読んでいた台本に目を止める。椿屋を出て行く幸太郎に滝乃は、幹先生は両御大とは違う、幹先生の小次郎が見てみたいと言い…。
黒田(國村隼)が幸太郎(佐々木蔵之介)に、幸太郎の意見を取り入れて書いた「巌流島異聞」の台本の感想を聞くと、幸太郎は面白くないと一蹴する。巌流島で勝ったのは小次郎だった、というくらい大胆な発想しろ、との幸太郎の無理難題に、打つ手がない杉本(堺雅人)たち大京スタッフ一同。美月(岡本綾)も、一番風呂で無ければ嫌だ、と言う幸太郎のために風呂を入れ替えて掃除しながら、変わってしまったんだろうか、と…。
愛子(賀来千香子)にプロポーズした関川(石井正則)は、断られた後も佐々木家に通い、家に上がってお茶をするなど、友達付き合いするようになっていた。美月(岡本綾)は50を過ぎてもモテる愛子も滝乃(大竹しのぶ)も少し羨ましい。椿屋には虎之助(菊池隆則)に雀蓮(三林京子)が会いに来ていて、日本に帰って来ると苦労する、と忠告する。12月には、年末恒例の公演で幸太郎(佐々木蔵之介)が椿屋にやってきて…。
錠島(長嶋一茂)の母・正子(島村晶子)が危篤と聞き、錠島を神戸の病院へ連れて行く美月(岡本綾)。病室に入ると、ダイナーの写真立てを握りしめて寝ている正子。美月が正子に、息子が来たと声をかけると、かすかに反応する正子。錠島は正子を見つめ、正子の手紙を出し、正子の前で破り捨てると、正子は息を引き取る。見届けた美月が部屋を出ると、廊下で錠島が泣いていた。美月と錠島はふたりきりで正子をだびにふして…。
美月(岡本綾)が、神戸の病院を訪ねると、錠島(長嶋一茂)の母とおぼしき小池正子(島村晶子)は、自分で寝返りもできないくらい弱っていた。そのまま錠島の部屋へ行くと、俺は会わないの一点張り。家に帰ると、滝乃(大竹しのぶ)が寝ていて、愛子(賀来千香子)が帳簿をつけていた。愛子は家にいるより、椿屋で仕事している方が楽だと言う。そんな愛子に霞の二番へ行け、と滝乃が言い、そこで待っていた関川(石井正則)は…。