時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
撮影所内をさまよった美月(岸由紀子)は、クリキン(舟木一夫)に可愛がられたりしながら楽しく過ごす。君江(藤山直美)と一緒に椿屋に戻った美月は、動物園で楽しく過ごした、明日から幼稚園に行く、と明るく宣言し、愛子(賀来千香子)と滝乃(大竹しのぶ)は喜ぶ。美月は幼稚園で明るく過ごして先生たちも胸をなでおろすが、春夫(段田安則)が幼稚園でフラフープを披露し、オードリーと呼ぶので、美月はまた春夫を拒絶する。
美月(岸由紀子)は、幼稚園へ行きたくないとごねる。愛子(賀来千香子)と滝乃(大竹しのぶ)がなんとか連れ出そうと声をかけていると春夫(段田安則)が理屈で説得しようとする。滝乃がとりあえず幼稚園を休ませるが、春夫は美月の気持ちがわからない。椿屋の下働きの君江(藤山直美)が美月を元気づけようと、大京映画のオープンセットに連れて行く。君江がエキストラを頼まれて目を離したすきに、美月はセット内を歩き回り…。
昭和34年4月、美月(岸由紀子)が一人で椿屋の前で遊んでいると、撮影所の子供達が来て、美月に焼き芋を渡す。すると滝乃が(大竹しのぶ)焼き芋を奪って子供たちを追い返す。滝乃は撮影所の子供たちとは遊ばないよう言い聞かせるが、美月は納得できない。幼稚園の入園式では、春夫(段田安則)が美月を「オードリー」と呼び、美月は固まってしまう。同年代の子供たちに慣れていない美月のことを愛子(賀来千香子)が指摘し…。
昭和33年。春夫(段田安則)は美月(岸由紀子)に、オードリーはママ(賀来千香子)とお母ちゃま(大竹しのぶ)の二人いて幸せだ、と英語で語る。美月の幼稚園の面接で、美月の短所を聞かれた春夫は、「欠点は無い、親が子供を誉めないでどうする、自分が好きな日本語は親バカだ。」と主張し、これで不合格になった、と愛子は内心喜ぶが、予想に反して美月は合格。愛子は不満だが、自分の思い通りになって嬉しい滝乃は喜び…。
5歳になった美月(岸由紀子)は、椿屋と佐々木家の渡り廊下を通って、両家を自由に行き来するようになっていた。父・春夫(段田安則)とは英語で会話するバイリンガルのような生活。ある日滝乃(大竹しのぶ)が夕食を佐々木家で取った時、美月の将来について、美月を男女共学の公立学校から、社会に出て働く女性に育てたい愛子(賀来千香子)と、私立の女子校からいい家に嫁入りさせたい滝乃の間で、小さないさかいが起こり…。
昭和30年、バナナが高級品だった頃、佐々木家では滝乃(大竹しのぶ)からもらって食卓に並んでいた。大京映画では、黒田(國村隼)の目論見が当たり、幹幸太郎(佐々木蔵之介)の人気が高まり、撮影所にファンが押しかけて新聞記事になるほど。その頃、オードリー・ヘプバーンの『ローマの休日』のリバイバル上映があり、春夫(段田安則)は滝乃とまだ一歳の美月を連れて見に行く。愛子(賀来千香子)は家で洗濯しながら…。
大河ドラマ「光る君へ」脚本・大石静の連続テレビ小説「オードリー」を再放送。映画作りにかけた女性の挫折と成功の半世紀を描く。その魅力を1分で紹介します。
昭和29年、弟の梓が産まれた。梓が入院して、春夫(段田安則)と愛子(賀来千香子)が梓につきっきりになっている間に、滝乃(大竹しのぶ)は自宅を改装して美月の部屋を作り、美月を寝泊まりさせていた。愛子は再三春夫に、美月を連れ出さないよう、滝乃にはっきり言うようにと文句を言うが、春夫は意に介さない。そんなある日、美月が熱を出し、滝乃は愛子には知らせず、医者を呼び、隣家の騒ぎに気付いた愛子が乗り込んで…。
美月が滝乃(大竹しのぶ)に連れ出されて、愛子(賀来千香子)はまた春夫(段田安則)に当たる。愛子が春夫を連れて滝乃のところへ行くと、君江(藤山直美)が美月をあやしていて、滝乃は大京映画の黒田社長(國村淳)と関川(石井正則)の相手をしていた。大京映画では、2大スターの栗部金太郎(舟木一夫)と桃山剣之助(林与一)をしのぐスターを発掘しようとしていて、白羽の矢が立ったのが、幹幸太郎(佐々木蔵之介)だった。
昭和28年9月、雨上がりの満月の夜、春夫(段田安則)と愛子(賀来千香子)の間に産まれた女の子は、隣に住む旅館のおかみ・滝乃(大竹しのぶ)によって美月と名付けられ、アメリカ帰りの父・春夫は英語でオードリーと呼ぶ。滝乃は勝手に美月を連れ出しては、自分の部屋でミルクを飲ませたりして、愛子をいらだたせる。愛子は、滝乃が連れ出すのをやめさせたいが、春夫は「滝さんにはお世話になってるから」と言うだけで…。