s.shinohe

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四戸 哲 / オーダーメードの飛行機の開発屋です。/ 有限会社オリンポス 代表取締役 / 1935年に立川飛行機で開発された練習機、95式一型乙『赤とんぼ』の複製機を開発中。
東京都青梅市ac-olympos.comJoined July 2011

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Aircraft OLYMPOS では、『立飛グループ100周年記念事業』に向けて95式一型乙練習機、通称『赤とんぼ』の飛行可能な複製に取り組んでいます。今後の公開予定に付きましては、(株)立飛ホールディングスのHP tachihi.co.jp を要チェック。 弊社もご期待に応えられる様、頑張っております。
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少し連投になる。 もう十年以上前になるか、国産ジェット旅客機計画に肖って日本中が浮き足立った。各地の自治体、商工会等で航空機部品受注に向けた勉強会や、中には大学と連携して小型機の独自開発を目指す話まで出ていたり。 自分は、その手の会合に呼ばれて話す機会が何度かあった。 続
「インド象は温厚だが、アフリカ象は了見が狭い」という話をを設計の山崎技師に話したら「それはどう自分の人生に役立てれば良いのか?」と聞き返された。 何でも役に立つかどうかで考えるのは、それこそ了見が狭い証拠だ。何かの拍子にアフリカ象に会ったら交渉の余地は少ないというだけの事だ。
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産学連携の飛行機や、空飛ぶクルマやボブスレー。どれもこれも設計力の無い「場当たり」物ばかりだ。アソビと割り切っているなら良いが、多くはかなりの期待と予算を注ぎ込んで、残念な軋轢を生んでいる。 軽装で冬山に登る前に、1/100の精度で削ったピッケルが何の役に立つか、死ぬ前に正気に戻ろう。
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なぜ機械加工会社のオヤジ達が、設計の価値をこれ程に知らない? この答えは簡単だった。彼等の大半は元請け会社から図面を渡され、それを“高精度”に加工して納品するのが仕事だから、設計の工数を知る機会が無い。勿論、部分的に形式に沿った設計はあろうが、全体設計に触れる機会はまず無い… 続
大きな誤解は、「専門家は、結果を知っている」と思い込んでいる事だ。これは、シャーロックホームズが、事件の起きる前から犯人を知っていると思うのと変わらない。本当の専門家は「正しい結果を得る為の筋道を辿れる」人だ。暗記の達人ではない。
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建物には一割の設計料を疑問にせず、何故か機械設計になると、「設計コスト」の認識が消え去り、“先生“が謝礼でやってくれるモノと無邪気に思えるのは何故だか理解できなかった。固より、設計工数への理解は無い乍ら、建築設計料には日本人特有の土地建物信仰があるだろう。 に、してもだ… 続
最近、大手に勤める若いエンジニア達から 「普段顔を合わす機会もなかった役員級の上司と喧嘩するハメになった…」 という話を頻繁に聞くようになった。言わば永久機関を作れ、というバカ指示が増えているらしい。経営が苦しく金を稼ぎたいのだが、役員級に理系が激減し、こんな指示が増えたのだ。
日本の大手機械系メーカーが調子を崩している理由。 中国やアジア諸国が(昔の日本の様に)人件費の安さで伸びてきた時、製造コストにしか着眼できない銀行型経営者に変わったのが大きな要因だろう。製造は分かり易いが開発はわかり難い。完成が遅れたり失敗したり、コストも確約できなかったり…
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「図面は先生(四戸)がくれるんだよね?」と、振られ「少なくとも5千万必要です」と答えると、急にに空気が冷める。 因みに世間で「設計」と言うと九割方、建築設計を指し、概略建築費全体の一割が設計費用だ(諸説アリ)。だから5千万なら5億のビルの設計料に相当する、という感覚だ。 続
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何処も自社の製作技術、高価な加工機を自慢する社長さん達が、高級車に乗って現れた。『セスナ』を所有する社長さんは、「あんな板金物は簡単だ」と豪語される。 そう、確かに“製作”は簡単なのだ。ジグを含めた図面と指示書さえあれば… 続
大学に入って「よし、鳥人間やるぞ!」では遅すぎる。受験勉強だけでは実効性のある知識技術の学び方は身に付かない。18歳まで一切野球に触れず、大学から練習始めてもプロ選手にはなれまい。空き地で「ラジコン禁止」なら設計屋は育たない。 学生に対する苦言ではない。オトナに向けて言っている。
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軽飛行機がボブスレーでも同じだが、“やり方“が分かれば実際、高価なマシニング等、必須ではない。やり方とは、つまり図面と製作指示書だが、コレを誰が描く(書く)のか?で社長さん達は目を見合わせる。そして… 続
震電の方向安定がプッシャープロペラに多くを依存している話をしたが、棟梁がその実証機を作ってくれた。垂直尾翼がなくてもしっかり方向安定がある。しかしペラが停止すると、途端に尻が滑り出す。 設計を学ぶなら模型飛行機を飛ばそう!
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数年前に亡くなった叔父はかなりのカメラマニアだった。先日叔母を訪ねると、「一度にゴミに出すと役所に怒られるから、バレないようにちょっとずつ壊して燃えないゴミに出したのよ。ようやくタダで処分したわ」と自慢げに話していた。 初代NikonFとレンズフルセット他数々の名機が…消えた。ああ~
父が国体の実行委員長を務めた時、皇太子(現 秋篠宮)の接待をした。ナマズの研究で知られた殿下なので地元福地村の住民がナマズ料理を献上したいと熱烈に申し出て、父は頭を悩ましていた。殿下は「食べたいわけではない」からだ。 今日は何となく父の苦労が分かった一日だった。
設計行為の価値が如何に一般の人には理解されていないかを思い知るのは、私の設計で製作した飛行機の機能を自慢された時だ。(俺が設計したんだぜ)と思ったが、彼は工作や精度が「モノ作り」の本質で、設計は図面係が担当する軽い行為に見ている。TV番組も大概「精度」しか話題にできないのも悲しい。
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思うのは、技術の衰退は加速度的に進行する、と言う事。IT技術の様に、座して得られる物は、頭の良い少年にとってはNet環境こそが求められる物全てだ。しかし物理的な「物」の開発となると、机上だけでは何ともしがたい。幾ら頭が良くても調理どころか食ったこともないカレーのレシピは書けない。続
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先日の『JAPAN DRONE EXPO 2022』、館内に入って1分で感じたのは、マルチ機全般のローターの改善。写真撮影が禁じられていたので、一杯機嫌でスケッチに描いた。 マルチのローターはずっと図の上側の形状だった。これは軸方向に進行する時に用いる形状、つまりプロペラだ。 続
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改めてこの写真を見て頂きたい。この機体の重量は支ている人間ひとりの体重と変わらない。それでも尚、4Gの荷重に耐えるから、通常の旅客機よりより強く、『鳥人間コンテスト』用機の倍は強い。つまり山で普通に飛行できる 設計の必要性を再認識しよう。作れるだけでは何も始まらないのだ
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15歳くらいまでの若い人に伝えたいのは… 独立した設計屋を目指すなら、人に評価を得られる完結した作品を作れ、という事だ。それを15歳くらいまでに作れなければ、あなたに設計で食っていく力は無い。この力は生まれ付き持つ能力だから努力して得られるものではない。 この見極めは早いほどいい… 続
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設計屋をやっていると自動車の価格には驚嘆する。あれだけの完成度をあの価格で販売して経営が成り立つ機械メーカーは自動車以外に無いだろう。収益が安定するから良い技術者も集まる。開発の循環が速いから新人の成長も速い。日本の航空機メーカーはこの循環がどうしても築けないでいる。
何度かオリンポスの活動をNHKの番組にしてもらった。その時「まず、カレーを食え」という話を再三して来た。 カレーを作るプロジェクトを始めると、最近の経営者は、 肉の専門家 野菜の専門家 スパイスの専門家 アプラの専門家 米の専門家 調理器具の専門家 食器の専門家etc... を集める。すると…
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銀行型経営者はそんな時、彼等にウケの良いエンジニアをプロマネに抜擢するが、大概そういうエンジニアは一見華やかだが実力のまるで無い(しかも自覚も無い)人物だ。そして大失敗する。 本当は「黙ってお金出して」と言うエンジニアに本物が多い。そこを見抜くのが「経営者の実力」なのだが…
「重傷者の数が頭打ちになった様に見えるのは、検査対象から漏れて来たから」 なるほど、自宅でひとりで容体急変した人は数に入らないわけか。当然だよなぁ…
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ただ、昨今はエンジニアにもあまりにリテラシーが無いのも事実。今の情勢にあっては本当は「経営者を騙す」力こそ先に立つエンジニアの最大必須のスキルだ。 しばらく機械系メーカーを理解した人材が会社経営のトップに就く日は来るまい。大手が死に絶えた後が理系少年達の正念場になるだろう。
三世代家族にワクチン接種券が二人分配られたら、まず祖父母に接種するだろうか。多くは稼ぎ頭の現役と、将来の稼ぎ手を優先するはずだ。稼ぎ手が倒れたら家庭が破綻する。 しかしが社会全体では特に検討も経ずに老人優先になっている理由を尾見会長は 選挙と言い切った。彼は信頼できると思った。
「100円ショップの商品で人が飛べる飛行機が作れないか?」という相談が舞い込む。 聞くと米田さんから「オリンポスの四戸なら」と推薦されたとの事。米田さんも人が悪い。面倒臭くて「胡散臭い飛行機屋の四戸」に振ったたな… 「アルファードを飛ばして!」よりゃマシか?そうでもないか…
「寸法公差」に付いて特に言いたいのは、あれは勉強しても意味が無い。机上では、どんな値が適当なのか、判断するヨスガが無い。 まずは、実際に工作して、色々な条件下に晒されてみて、ボンヤリ公差の様な感覚が浮かんでくる。そこで初めてJISのハンドブックを開き、激しく頷くのが正道だ。
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山崎パンのトラック運転手が現場判断でパン無償提供との美談を聞く。 近所の交差点で日通の現金輸送車がスタックして立ち往生していた。 つい運転手の現場判断を期待してしまう
横浜ガンダムの自立歩行の考察をしたが、 「転倒の危険があるため」 「建造物扱いだから」 等の意見を頂く。 『メーヴェ』開発の頃を思い出す。 危険も規制も無いとしたら、「そもそも実現できるのか」という観点がまず最初だろう。自主規制が過ぎると今の文明を肯定できなくなる。
「飛行機の設計に必要な資格は?」の質問がまた、溜まってきたので、この辺で。 なんの資格もいりません。ただ、もし高校で数学、物理、特に物理に苦手感があるなら、まず無理な進路選択です。夢とロマンはありますが、ガチガチに数学と物理で固めた夢ロマンです。汗と涙は役に立ちません。
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勉強はもちろん大切だ。 しかし実践を経ない勉強は 『絶対に』 身に付かない。 『今の』鳥コンも同じ。『航空機 開発者』を目指すなら無為な遠回りだ。木を見て森を見ず、になる。
昨年の交通事故死者がまた減少して3500人だそうだ。高度成長期2万人だった事を考えると隔世の感がある。 それでも毎日コンスタントに10人死んでる事を考えると、自動車交通は十分危険なシステムだが、誰も騒がないのは単に習慣化しているからだ。他のシステムで日に10人死んだら大騒ぎだろう。結局…
60年前ある空自の基地司令が模型上手で知られた部下を呼んだ。「そろそろYS-11が初飛行するらしい。実機に先立って基地祭で模型を飛ばさないか」と、ポケットマネーをポンと出したのだ。 しかし資料が何もない。そこで指令はNAMCに掛け合って青図を入手。かくして1/10 YS-11は基地祭をにぎわせた。
先日、モーターではなく、レシプロエンジンでマルチコプターで制御できないだろうか、という相談があった。半世紀前に数多あったフライングプラットフォームを思い出す。現状は、電脳少年の機械•航空工学への理解の薄さが招いた地獄絵図だが、当時も同じセンスが決定的に欠如していた。 続
棟梁横山がが約30分で叩き出してくれた。金属機の復元、修理では必須の技工。 現代でも試作でプレスなどやってられない。プレス型を発注したら最低でも一週間と百万円が要る。しかも大概手戻りが生じる。叩ければ30分だ。 開発屋を目指すなら叩き出しは修得しておこう。
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勉強なんてできなくても…とか誤解して「職人」になると悲惨なことになる。特に世の青少年のお母さん達に強く伝えたい。「劣っていても手に職つければ」、あるいは「成績さえ良ければ、毎月決まった給料が」なんて甘い世界はもうない。残酷だが本当です
イタリア人と会食。 「数年前、日本はテラモトによって大きな被害を受けたでしょう」 (寺本?そんな事件あったかな?) 「イタリアでもテラモトによって貧民街が壊滅したんだ」 (海外まで行って貧民街を壊すとは悪逆非道な奴だな、寺本って奴は) Sorry but I don't know Mr.Teramoto. 「Mr.?」 ->
【FOP-01通信】 昨年まで、On line で無料配布していたFOP-01の図面でしたが、今は中止しています。製作の難易度が高いというのが主たる理由です。 元々、「意欲のある中学生なら作れる」というコンセプトで開発した物でしたが、世間一般の基礎工作力が急激に低下し、作れる人が激減しました。 続
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間違いなく「カレーを食った事もないのに専門家を集めれば出来る」と思い込んだ経営者がバカなのだが… そもそも、言わば「無知の知」を持ち合わせない人間が経営に就かせる事自体が稚拙過ぎる。MRJも下町ボブスレーもとても似ている様に感じる。 「まず、カレーを食え」だろう。
晩飯時、鳥コンをやっていた。後半30分辺りだろうか。この15年くらい、本当に関心を失った。 流石にバンザイは減ったが、翼の「捻り発散」に付いては、なかなか理解が定着しない様だ。パイロットがゴメンゴメンと泣いてるが、機体が悪ければどうもならん。 木村秀政先生が解説から去って以降、 続
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レシピは食ったからこそ書ける物だし、設計は作ったからこそできるものだ。どこでそんな機会を得るかといえば、先行する人達の作業場しかない。そんな場所が点在するのが健全な世の中だ。それでこそ技術は循環する。 オリンポスは少年が訪ねてきたら好きに工場を見せる。大学生は大半手遅れだ。
一昨日奥多摩でバイク事故を起こして実名報道された方、たまたま同じ町内なので書く。 今、気分転換にバイクで近隣の山に走りに行ってどれだけの感染リスクがあるというのだ? そんな事にクソみたいな正義感出して実名報道するなら、パチンコ屋に行ってる人の実名を全部報道してみたらどうだ。
年間の交通事故死者数が今の4倍も多かった「交通戦争」当時、制限速度はむやみに低かった。「規制を厳しくしておけば安全だろう、」という考えだ。しかし実際、実体に則さない制限速度は簡単に無視された。一度『無視』が定着すると歯止めなく増長する。「規制」は妥当でないと逆効果を生みやすい。
最近腑に落ちた事がある 「メーヴェ」でも「自立歩行ガンダム」でもその工学的思考や実現へ向けた検討より、安全性や法規制の意見ばかりが即跳ね返ってくる理由についてだ。他人の足を引っ張りたい暗い心理もあるだろうがそれより… 作る事自体の難しさの認識が消えてしまったからではないか、と。続