築地に入ってくる列車は通称「魚河岸列車」と呼ばれていました。
築地“魚河岸列車”52年の歴史に幕
2013.12.18
なるほどなっとくです。
その後、国内の物流の多くは鉄道から自動車にとって変わりました。
この鉄道からトラック輸送への変化の中で、築地の現状の配置計画を見ますと、ちょっとうまくいってないんじゃないか。
鉄道時代の物流からトラック物流への転換にちょっと失敗してんじゃないかなあ、という気はします。
ただし、それでも、豊洲よりはマシ。
豊洲は根本的に物流とリンクしていない、というのが率直な感想です。
それは、空間のつながり、動線計画の解釈に間違いがあるんじゃないか?という意味からです。
前記事で、油圧回路と電子回路のメタファーを出しましたが、物流に限らず、人が集まる施設、建築の動線計画というのは、ただ単に通れればいいとか、つながっていればいい、というのではダメです。
繋いでありさえすれば機能する、というのは信号や情報が伝達される電子回路的考え方なんですね。
そのような単純な思考では、物体や人が流れる建築的空間では渋滞を起こします。
それだけではありません、間違ったつなぎ方とすると、溢れたり、破裂したりします。
それが、油圧回路なのです。
油圧とは「パスカルの原理」を利用したエネルギー伝達機構ですが、実際には送り込まれる作動油の媒質移動を伴うところが特徴で、具体的な量が関係します。
上図で細い管を1㎏重の力で押すと、太い管では断面積が大きいので、100㎏を持ち上げることができるというわけです。
同時に、強い圧力が急激かかることを防いだり、圧力の方向を操作しなければなりません。
これが、現在の築地市場の空撮です。
完成時の築地市場と比較するとずいぶん様相が変わっています。
築地の平面図を昭和10年の配置に直してみると、丸い線路の導線を円周として、中心に向かってモノが集まってくる感じがよくわかります。
続いて今の築地平面図
建物のないところをピンクに塗ってみました。
次々と増築された仮設の建物群によって、通路が迷路状になってしまっているのがわかります。
明確な川でいえば主流から支流への流れが消えていますよね。
このピンクのところに、行き交うターレやトラックや人や物流が溢れてしまっているのです。
④に続きます。
『築地市場の豊洲移転が不可能な理由』
連載1:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12175575070.html
連載2:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12176233153.html
連載3:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12177304039.html
連載4:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12177861238.html
連載5:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12179682327.html
連載6:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12180173429.html
連載7:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12181179050.html
連載8:http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12181631290.html
連載9:http://s.ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-12182100325.html
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スズキ
2016-07-06 07:07:15
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