石川県で救助要請相次ぐ 1人死亡 3人が行方不明 土砂崩れも

石川県によりますと、大雨の影響で1人が死亡、3人の行方がわからなくなっているということです。

また、国土交通省などによりますと、輪島市で能登半島地震の復旧工事をしていた作業員4人の行方がわからなくなっているということです。

=人的被害=

大雨の影響で1人死亡 行方不明も相次ぐ

石川県によりますと、大雨の影響で午後4時時点で珠洲市で1人が死亡したということです。
また、輪島市、珠洲市、それに能登町で合わせて3人の行方がわからなくなっているということです。
このほか、能登町で2人が大けがをしたということです。

さらに、国土交通省などによりますと、石川県輪島市で能登半島地震の復旧工事をしていた作業員4人の行方がわからなくなっているということです。

現場は輪島市の門前町にある「中屋トンネル」付近で、当時、作業員およそ60人が能登半島地震の復旧工事にあたっていたということですが、付近の国道に流出した土砂に巻き込まれた可能性があるということです。

「家が崩れた」「人流された」救助要請相次ぐ

奥能登広域圏事務組合消防本部によりますと、21日午前11時現在、輪島市と珠洲市などから救助を求める通報が相次いでいるということです。

消防本部には家が崩れて動けなくなっているという情報や、人が流されているという情報が入っていて、救助活動などを進めているということです。

珠洲警察署によりますと、珠洲市内では午前11時の時点で多数の地点で道路の冠水が確認されていて、車から出られなくなった人や土砂崩れなどの通報が複数、入っているということです。

=住宅被害=

住宅 浸水する被害多数 仮設住宅でも

住宅被害の情報です。

石川県によりますと、輪島市や能登町で住宅が浸水する被害が多数出ていて、珠洲市では上戸町と大谷町の2か所が孤立しているという情報があるということです。

また、輪島市役所門前総合支所によりますと、午後1時半の時点で、停電や道路状況の悪化で、輪島市門前町の浦上地区にある7つの集落に住む21人と連絡がとれなくなっています。

また、同じく輪島市門前町の七浦地区は道路が倒木で寸断され地区全体が孤立していて、住民とも連絡がとれなくなっているということです。

このほか、輪島市門前町の福祉施設「グループほーむもんぜん楓の家」では床上浸水の被害があり、一時、入居者およそ30人と職員が2階に垂直避難していたということです。

また、能登町の北河内地区と久田地区の一部の集落が孤立しているということです。

仮設住宅でも被害が出ています。

輪島警察署によりますと輪島市宅田町にある仮設住宅では、大雨の影響で床上浸水の被害が出たため警察が救助活動を行い複数の住民が助け出されたということです。

仮設住宅の部屋の中まで水が流れ込んだため避難できなかったということです。

警察によりますと救助された住民にけがなどはなかったということです。

輪島 町野町 裏山崩れ 大量の土砂が住宅地に

21日午前9時ごろ、輪島市町野町曽々木で撮影された映像です。

住宅の裏山が崩れて、ふもとにある住宅の周辺が大量の土砂や木で埋め尽くされている様子が確認できます。

さらに、大量の土砂が濁った水とともに住宅地に流れ込んでいる様子や、住宅が倒壊しそのそばを流木や巨大な岩などが流れている様子も確認できます。

また、そこから3キロほど離れた輪島市町野町敷戸で撮影された映像では、辺り一帯が濁った水に覆われ、住宅やトラックが水につかっている様子が確認できます。

撮影した男性は「午前9時すぎくらいから、山の方からバキバキという音がして土砂が流れてきたため、急いで逃げた。複数の住宅や大きなダンプカーが流されていた。地区内の一部では、流れてきた土砂のため移動できなくなっていて、高齢の人が多い地区なのでみんな不安そうにしていた」と話していました。

珠洲 高屋町 復興支援の「宿舎」も被害

石川県珠洲市高屋町に住む30代の男性が撮影した画像では、中央部分に写っている建物はもともと民宿でしたが、現在は能登半島地震の復興支援にあたる土木関係者や地震で住む場所を失った人たちのために「宿舎」として解放しているということです。

宿舎には、30代から80代の男性あわせて8人が住んでいるということですが、21日正午ごろ、宿舎の裏山が音を立てて崩れ、大量の土砂や倒木が押し寄せてきたということです。

画像には和室のふすまのほとんどが倒れ、廊下の床もゆがみ、▽屋の柱が折れている様子が写っています。

また、宿舎の中に倒木が突き刺さっている様子も写っています。

男性によりますと、宿舎に住んでいた8人は近くの集会場に避難しているということです。

高屋町から珠洲市の市街地に向かう道路は、崖崩れなどのため通行できなくなっていて、孤立状態になっているということです。

撮影した男性は「昼ごろにゴロゴロと音がしたので『何か聞こえるな』と思ったら宿舎に木が突き刺さってきました。せっかく少しずつ地震からの復興が進んできたのに、こんな状態になって残念です」と話していました。

輪島 仮設住宅の男性 “復興で疲れている 勘弁してくれ”

輪島市三井町の仮設住宅に住む野水克也さん(58)は、21日午前7時に、大雨を知らせる町内放送で目を覚ましました。

野水さんは「仮設住宅の前が水につかり、ゴミなどが流れていました。古くからこの地域に住む人に聞くと『この数十年こんな大雨はなかったよね』と言っていました」と話していました。

野水さんは3年前、輪島市に移住しリノベーションした古民家で暮らしていましたが、地震で古民家が全壊し、仮設住宅に住んでいるということで「みんな復興で疲れているので、もうこれ以上、勘弁してくれという思いだ。なんでよりによってここをねらって雨が降るのか。力が抜けてくる」と話していました。

珠洲 仮設住宅の周辺も浸水

石川県珠洲市上戸町で21日午前10時ごろに撮影された映像では、能登半島地震のあと建てられた仮設住宅の周辺にある道路や水田が広い範囲で水につかり、仮設住宅の敷地にも茶色く濁った水が流れ込んでいる様子が確認できます。

近くにある自宅の2階から映像を撮影した男性は「午前10時ごろ外出先から帰宅したら、このような状況になっていました。周囲が水につかっていて別の場所に避難できないので、自宅の2階にとどまっています。40年ほどこの場所に暮らしていますが、初めて見る光景です」と話していました。

輪島 河井町 走行中のタクシーからの映像は

21日午前9時前に、石川県輪島市河井町で走行中のタクシーから後部座席の窓越しに撮影された映像です。

道路にたまっている茶色く濁った水を窓ガラスの高さまで跳ね上げながら走って行く様子が写っていて、運転手の男性が「車が止まるかもしれない」と不安がっている声が聞こえます。

撮影した30代の女性は「ひょうかと思うほど粒の大きな雨が降っていて、まるでバケツをひっくり返したようでした。道路は茶色い洪水のようになっていて、家屋も浸水しているように見えました」と話していました。

輪島 堀町 道路に水あふれる

21日9時半ごろに、石川県輪島市堀町で撮影された映像です。

激しい雨音や、住宅の近くの道路に茶色く濁った水が激しく流れ込んでいる様子が確認できます。この道路は幅2メートルほどだということで、撮影した60歳の男性は「この道路に水があふれているのは今まで見たことがありません。外に出ると危険なので、自宅で雨が収まるのを待とうと思います」と話していました。

=土砂災害=

土砂崩れの通報も相次いでいます。

珠洲消防署によりますと、珠洲市清水町の国道249号は土砂が道路に流れ込み通行できない状態になっているということです。

輪島警察署によりますと、輪島市稲舟町で土砂災害が発生しているという情報があり、確認を進めているということです。

輪島 町野町井面 “近隣の至るところで土砂崩れ”

石川県輪島市町野町井面にある運送会社に勤めている男性によりますと、近隣の至るところで土砂崩れが起きたり道路が冠水したりしていて、地区全体が孤立状態になっているということです。

また、電気や水道が使えず、固定電話もつながらない状態になっているということです。

男性は「道路が寸断されているため、配送に出ているドライバーも会社に戻れなくなってしまっている」と話していました。

=停電=

停電も発生しています。

北陸電力送配電によりますと、石川県内では午後2時半の時点であわせて6450戸が停電しています。

このうち、輪島市ではおよそ4700戸、珠洲市ではおよそ1100戸、能登町ではおよそ650戸が停電しています。

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