「紀年論」の再燃を! 日本古代史の実年代が知りたい!! | 邪馬台国と日本書紀の界隈

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邪馬台国・魏志倭人伝の周辺と、まったく新しい紀年復元法による日本書紀研究についてぼちぼちと綴っています。

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 8月22日に、『古代天皇たちの真実』(ワニブックスPLUS新書)が発売されます。

 

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 この本は、いま令和の時代に改めて「紀年論」に関する議論が再燃することを願って執筆しました。

 それは、みなさんもそうだと思いますが、日本古代史、とりわけ5世紀以前の年代観が定まっていない現状をとてももどかしく思うからです。

 

 たとえば、これは倭の五王の比定とも関連してくるわけですが、仁徳天皇がいつ即位されて何年治世が続いたのかということは未だに確定されていません。

 『日本書紀』の設定では、仁徳天皇は癸酉年(313年)に即位されて治世87年の己亥年(399年)に崩御されたことになっています。しかし、この年次をそのまま信用する人はいません。

 『日本書紀』は初代神武天皇の即位を、紀元前660年というあり得ない年代に設定しています。大幅な紀年延長操作が施されていることが明らかだからです。

 

 そこで、当然のごとく『日本書紀』の紀年を復元して実年代を得ようとする試みがありました。

 それが「紀年論」といわれるもので、明治時代の歴史学者である那珂通世がその先駆けと言われています。

 那珂通世は辛酉革命説との関連や、神功皇后摂政紀・応神天皇紀の120年繰り下げなどを提唱し、その後も様々な人によって天皇一世代の年数や天皇一代の在位年数などを用いる手法、二倍年暦を想定する手法、『古事記』崩年干支を引用する手法などが提唱されました。

 しかし、今にいたっても結論は出ていません。結論が出ないどころか、「紀年論」は放置され完全に停滞してしまっていると言ってよいほどの現状です。

 

 仁徳天皇に話を戻すと、専門家の方々の間でも、崩年干支を引用して「427年に崩御されたのだから421年と425年に遣使朝貢した倭王『讃』である」とされる方もいれば、「いやいや、倭王『讃』は仁徳天皇の父の応神天皇である」とされる方もおられます。

 つまり、それぞれの異なる年代観にもとづく考察がなされているわけです。そして、このような状況では議論が深まるはずはありません。

 

 そのような状況を打破できるのは、「紀年論」以外にありません。

 多くの人が納得して用いることのできる古代史の編年表を作ることでしか解決できないのです。

 第二次大戦後、そもそも古代天皇は創作されたものだという歴史観も広まりました。それも、「紀年論」停滞の一因かもしれません。

 

 しかし、ここで考えてほしいのですが、国史編纂の発案者である天武天皇は多くの皇族・氏族に伝わる「帝紀」や「旧辞」に多くの改変がなされていることを嘆き、正しく一本化しようとしました。そのために、「帝紀」や「旧辞」を差し出させたものと思われます。続く持統天皇朝でも18の氏族に「先祖の墓記」を提出させています。

 架空の天皇、歴史を創作するのなら、そのような史料を集める必要はありません。勝手に創作すればよいだけなのです。

 それに、提出させれば、提出した皇族・氏族をある程度納得させる内容に仕上げる必要が生じます。

 ですから、完成した『日本書紀』が事績や出来事が記す古代天皇については、そのような記録が残っていた、実在した天皇(大王)であった可能性が高いと考えます。

 

 この古代天皇は実在したという前提のもとに、『古事記』など他文献を援用することなく『日本書紀』内で完結する新しい紀年復元法を提唱するのが、今回の著書『古代天皇たちの真実』です。

 「『原日本紀』仮説による無事績年削除短縮法」(略称:無事績年削除法)という復元法です。

 「無事績年」は、歴代天皇紀において何の事績も出来事も記されていない空白の年のことです。

 『原日本紀』は、『日本書紀』編纂の初期、天武天皇朝に編纂されていたと考える史書であり、初代天皇即位以降、一年の欠落もなく綴られていた編年体史書であると考えています。

 

 この復元過程で見つかった最大の発見は、「継体天皇朝と仁賢・武烈天皇朝の並立」でした。

 その直列化の調整によって、『日本書紀』におけるこの前後の紀年が実年代からずれていたのです。

 そして、いまや紀年復元の定点のように考えられている「允恭天皇崩御453年・安康天皇即位454年」という年次が、明らかに間違いであることが発覚します。

 つまり、この年次を信じたために従来の「紀年論」は挫折したと考えられるのです。

 

 今こそ、令和の「紀年論」が再燃して、文献学、歴史学の先生方が日本古代の実年代策定に向けて動き出されることを心から願います。

 今回の『古代天皇たちの真実』発刊が、静まり返った紀年論の沼に一石を投じることになれば、このうえない喜びです。

 

 

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