【独自】高校生ユーチューバーゆたぼん SNSの誹謗中傷で訴えるも”人違い”で取り下げていた!
「訴状はいきなり送られてきます。『何月何日に裁判所で口頭弁論があるので、反論があれば答弁書を出してください』と書かれた書類が入っています。気が動転してしまって、どうしようと考えているうちに答弁書を提出せず、最初の口頭弁論の日にも出席しないということになると、本人欠席のまま裁判が行われます。
法律の世界では『反論が出ないということは、被告は原告の主張を認めている』と考えますので、原則として、原告の請求をそのまま認める判決が出ます。ですから、ともかく答弁書だけは出してください。形式が整っていなくても、『ほんとに身に覚えがないし、原告の主張は間違いです』と自分の主張を簡単に書くだけで大丈夫です」
ゆたぼんが訴えられたら……
答弁書の用紙は裁判所から送られてくる封書の中に入っており、答弁書さえ出せば、最初の口頭弁論には出席しなくても構わない。時間的に余裕ができるため、その間に市役所や弁護士会が開催する無料法律相談に行ったり、国が設立した法的トラブルの解決を支援する法テラスに相談に行くのもいいだろう。そう古藤弁護士は続けた。
ゆたぼんのようにSNSで誹謗中傷を受け、民事訴訟を起こすも人違いとなるケースは少なくない。
「’20年に自死したプロレスラー木村花さんの母親が投稿者に賠償を求めた裁判でも、やはり人違いがありました。遺族の感情を害する投稿のスクリーンショットを入手し、それをもとに投稿者を特定したのですが、そのスクリーンショット自体が偽造だったようです。花さんへの中傷を書き込んだほとんどの投稿者が、ツイートやアカウントを削除し逃亡したため、母親は投稿のスクリーンショットをもとに訴えを起こすしかなかったのです。
ただ、間違えられた側はかなりの精神的苦痛を受けたと思われ、母親に対して880万円の損害賠償を求めて逆に提訴。訴えは棄却されましたが、実に後味の悪い結果となっている」(全国紙司法担当記者)
ゆたぼんの今回の人違いは「訴えられたら確実に負けます」(前出・古藤弁護士)というが、本間さんは「単純なミスのようですから、ゆたぼんさんを訴えるようなことは考えていません」と言う。
SNSによる誹謗中傷が、新たな被害者を生んでしまったわけだが、このようなケースは今後、増え続けるだろう。
- 取材・文:酒井晋介