全面改正を求めていたのでしょうが、特に求めていたのは、天皇制についてだと思います。 三島由紀夫は、国体と政体を分けて考えるべきであるという思想であり、天皇が国民の総意によって基づく(第1条)という条文を、日本文化のわからない欧米人らしい考え方だと非難しています。 そして、欧米の自然法思想(いわゆる基本的人権に関する部分)を押し付けて、日本の自然法的な思想を無視していると指摘しています。自然法とは、人類普遍に適用される法を差します(人を殺してはならないなど)。欧米人が万人共通と信じた自然法が、日本の伝統文化と相反していることを指摘していました。 そして、憲法9条については、第一項については、やや賛成しつつも、世界中の憲法に同様の文面がないことから、日本だけが守らされるのはおかしいとして、削除を求めていました。第二項については、自国を防衛するための軍力を持たないということについて、左派の戦術的非戦論が融合してできたものであると批判し、日米安保の下で、日本は軍隊を持たないとしていたのに、朝鮮戦争の発生で、自衛隊を作らせたアメリカを皮肉っています。 とまあ、大きく分ければ、他の解答者の方も答えているように、憲法9条と、あとは日本文化の無理解者が、日本文化を完全に無視したまま欧米の思想の下に、基本的人権や天皇の規定を設けたことに由来します。 よって、こう考えれば、なくしたかったのは、第一章から第三章までの規定ということになると思います。