競泳トランス選手が初優勝 米女子、称賛と懸念の声
【ニューヨーク=共同】米競泳女子で出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーのリア・トーマス(ペンシルベニア大)が17日、アトランタで行われた全米大学体育協会(NCAA)選手権の500ヤード(約457メートル)自由形を制した。スポーツ専門局ESPNによると、トランスジェンダー選手の同選手権優勝は初めて。称賛や公平性を懸念する声など賛否両論が起きている。
トーマスは過去に男子チームで活動した経歴を持つ。ホルモン治療を経て昨年、女子チームに移った。レースでは東京五輪女子1500メートル自由形銀メダルのエリカ・サリバンらに先着。記者会見には出席せず、ESPNに「ここにいられて光栄だ」と語った。
ESPNによると、トランスジェンダー選手からは「自分らしく、好きなことをすることができるという象徴だ」と祝福の声が上がった。一方、身体的に公平性を欠くとして会場の外では抗議のデモが行われた。
レース前に名前がアナウンスされた際や優勝決定時、会場は明らかに静まったという。トーマスは「(周りの声は)できるだけ無視している。泳ぎに集中し、他のことは考えないようにしている」と話した。