北朝鮮による拉致被害者は17人だが、 日本政府による拉致被害者は503人。 先日9月10日に米下院議長が岸田総理宛に外交文書で「日本が拉致して拘束中のアメリカ人児童を返して欲しい」と要請したが、岸田総理が無視。もちろん英語圏では大ニュース。日本語の報道はなし。 日本政府の拉致を支持する意思が公式に擬制された事実が明らかになった。 米下院公聴会で共和党のクリス・スミス下院議長が発表した。 これはな、日本で一切報道されていないから 英語を読み書きできない日本人は知らんが、大問題なんじゃ。 北朝鮮はまだ口先だけで拉致を謝罪したが、日本政府は現在進行形で拉致を「正しい」と主張し、ハーグ条約(平成26年条約第2号)を無視しているからかなり国際的にヤバい。 この条約にはな 『子を肉体的、精神的危害にさらす」または「子を耐え難い状況に置く」重大な危険がある』(第13条b号) 場合は返還拒否が出来るんじゃが、国際的には「レイプ」とか「暴力」なのに、 日本だけ「子の生活環境を変えるのは重大な危険がある」とかわけのわからない妄想的解釈をしてな、事実上条約に違反しまくっておるんじゃ。 既に欧州議会も日本政府は北朝鮮より悪質な拉致国家だとして 共同非難決議を出しており FBIから日本人拉致実行犯がICPO(インターポール)を通じて国際指名手配されているが 日本政府は子どもの拉致を全力で擁護し、深刻な国際問題となっている。 ワシがこの問題を懸念するのは、拉致被害者が可哀想だというのもあるが、 日米安保の不履行の大義名分になってしまうし そもそも北朝鮮による拉致被害者を救出する国際圧力が消滅する可能性があるからなんじゃな。 そこで、なぜ日本政府が拉致に加担し、国際社会と対立しているのか、その原因を説明したい。 それはな、刑法概念の違いなんじゃ。 日本は「行為無価値」という刑法概念じゃが、 アメリカやカナダやイギリスは「結果無価値」という刑法概念で 日本だと死刑になる犯罪がアメリカだと無罪になるし、 アメリカだと死刑になる犯罪が日本だと無罪になる法体系の違いがあるんじゃ。 例えばな、犬と散歩しとるおじさんがいるとするじゃろ。 この犬を殺してやろうと思い、拳サイズの石を投げたら おじさんの顔面にあたっておじさんが死んだとする。 このケースだと、日本で殺人罪は無罪。アメリカだと有罪じゃ。 なぜなら、日本は「故意責任」といい犯行動機を処罰する。 犬殺しが動機なら器物破損の故意。 でも器物破損に未遂罪はない、という話。 アメリカは「石を投げた結果、おじさんが死んだ」という因果関係があれば処罰できる。 さて、自宅から子どもがいなくなった。 北朝鮮の兵士が拉致した場合と、子どもの母親が連れ去った場合「動機」は違うよな。 でも「結果」(子どもが家からいなくなった)は同じだよな。 こうして、「北朝鮮と同じ」という刑事的評価が下されたわけじゃ。 これ親権(民事)の問題ではないぞ。拉致(刑事)の問題じゃ。 もちろん日本側は「動機が北朝鮮とは違う」の一点張りだが、そんなのはアメリカに通用しない。 犯罪の成立は結果が全てだから。 この日本の「動機を裁く」という刑法思想は 統合失調症患者がめちゃくちゃ殺しまくっても「病気だから犯罪の故意はない。無罪!」と判決の理由にもなっているぞ。 アメリカでは誰が殺そうと人が殺された結果は同じだからな。 ドラマのプリズンブレイクにヘイワイヤーという精神障害者の殺人犯がでてきて、みんなと一緒に受刑しとるよな。(公判を認識できないと回復まで治療なんだが) 日本も江戸時代まではアメリカと同じ「結果無価値」という刑法思想で 例えば森鴎外の高瀬舟という短編小説では、弟を殺す動機が無いのに弟の自殺現場に居合わせ、凶器を手に持っていた兄が島流しにされる描写があるが、 基本的に、結果無関係は馬鹿や精神障害者に厳しいし 行為無価値は馬鹿や精神障害者に優しい刑法思想なんじゃな。 「わからなかった、知らなかった」が通用する場合が多い。(麻薬持込は合法である確信がないぎり知らなかったでは済まないが) でな、じゃあ日本にいるアメリカ人児童に日米どちらの刑法を適用すべきかという話なんじゃが、 そもそも、日本でも母親が子どもを連れ去るのは駄目だとワシは思うんじゃ。 同じことをしても身分(母親)で刑法が適用されるか否か変わるのは後進国だと思う。 ワシは、あらゆる拉致を処罰してこそ公正な国家であると考える。 みんなもこの問題を知ってな! みんなの意見を聞かせてね! ところで私が書いた『われ、正気か!』という本は、実子誘拐がなぜ起きるのか、その歴史的背景をわかりやすく、地元の言葉、広島弁で解説した。実は、単独親権と子どもの性奴隷運用には歴史的関係があるんじゃ! amzn.asia/d/0F6WSxq 電子版も各社ある!