中央の各界で活躍する山陰両県出身者やゆかりの人に山陰地方の振興策を語ってもらう「地方深耕論」。今回は鳥取県への出向経験があり「デジタル田園都市国家構想」の実現会議事務局を担う内閣官房の塗師木太一参事官補佐。

 ▽地方へ関心高まる

 新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが普及した。これまで移住のネックは「仕事」だったが、東京の企業に勤めたまま地方に移住する「転職なき移住」が可能になった。感染状況の改善で東京圏への回帰の動きが見られないわけではないが、オンラインでの仕事の習慣化を好機と捉え、地方への人の流れをしっかりつくる必要がある。

 地方移住への関心は若い世代を中心に高まっている。2023年3月の内閣府の調査で東京圏に住む20歳代で移住に関心がある人は44・8%で、約3年で5・6ポイン...