小池百合子都知事が3期目初の所信表明 「目指すべき姿『シン東京2050』」で示す
東京都議会定例会が18日開会し、7月の知事選で当選した小池百合子知事が3期目初の所信表明に臨んだ。所信表明では知事選の公約として掲げた「首都防衛」を重視する姿勢を示し、「課題に答えを出し、行動を起こし、結果を残す」とした。 【写真8枚】ニュースキャスター時代の小池百合子氏ほか ■世界一の都市に 小池氏は8月に参加したプロ野球の始球式で投球した際に剝離骨折した左膝が癒えず、松葉づえの助けを借りながら議場に登場。所信表明では冒頭で、「都政のダイナミックな動きを加速させ、東京を世界で一番の都市にしていく」とした。 さらに「世界の動きはこれまでの経験や常識をはるかに超えている。今までの感覚では、私たちの暮らしは守り抜けない」と強調。その上で東京の目指すべき姿を「シン東京2050」として示すとした。 知事選で公約の核に据え、街頭演説などで積極的に触れた「首都防衛」。所信表明でも各種災害対策と首都強靭化への意気込みを明らかにした。 ■地下河川取り組む 具体的には、今夏、各地で頻発した大雨被害を意識。都内の既存の地下調節池を地下水路でつなぎ、東京湾に放流する「地下河川」構想に関して「事業化に着実に取り組む」と述べた。また、8月に気象庁が南海トラフ巨大地震の臨時情報を出したことなどを受けて、知事選で公約に掲げたマンション防災など、地震対策への積極的な取り組みにも触れた。 少子高齢化による人口減少を原因とした日本の国力の衰退が懸念される中、「一極集中」などと批判にさらされることが多い東京。小池氏は日頃、東京ばかりが標的にされる風潮に対して、不快感をあらわにしてきた。所信表明でも「都の人口増加の大部分は外国人の増加によるもの。東京は地方の若者を一方的に奪っているわけではない」と反論し、前向きな議論を求めた。 小池氏はこの日の議会終了後、報道陣に「シン東京2050」について、世の中が想像を超える速度で動いているとして「これまで組んできた想定を超えるかたちで準備をしておかねばならない。そういう意味で計画を練っていきたい。実現できるところを順番に、速やかに行っていきたい」と述べた。(大泉晋之助)