警察庁長官 “匿名・流動型犯罪グループに打撃与える捜査を”

SNSで集めたメンバーを実行役に、特殊詐欺や投資詐欺などさまざまな犯罪を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」について、警察庁の露木康浩長官は全国の捜査幹部が集まった会議の中で、あらゆる方法で組織に打撃を与える取り締まりを実施するよう指示しました。

18日、東京 千代田区で開かれた会議には全国の警察の捜査幹部など、340人余りが出席しました。

この中で、露木長官は「特殊詐欺やSNSでうその投資話を持ちかける投資詐欺、それに恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取るロマンス詐欺など、『匿名・流動型犯罪グループ』によるとみられる犯行が多発し、対策の抜本的強化が急務となっている」と述べました。

そのうえで、ことしに入って6月までに
▽特殊詐欺の被害額が230億円となった一方
▽SNS型投資詐欺とロマンス詐欺を合わせた被害額は660億円にのぼり
これらをすべて合わせると1日当たりおよそ5億円の被害が出ていることに触れ、「経験したことがない過去最悪の被害状況であり、極めて深刻な事態だ」などとして厳しい認識を示しました。

そして、グループの中心的役割を果たす人物の取り締まりを強化するために、十分な捜査力を投入して、あらゆる方法で犯罪収益を取り上げ、資金力に打撃を与えることや、海外拠点に潜伏する人物を検挙するため、外国の捜査機関とも積極的に連携を図ること、それに、国内にも犯行拠点があることを想定した捜査を行うことなどを指示しました。

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