新学習指導要領と入試の関係
まず、以下のPDF資料の内容を熟読して、完全に理解して。
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資料10は、学習指導要領の改訂に伴う学習評価の変化と高等学校の現状についてまとめた資料です。
新学習指導要領における学習評価の方針(文部科学省 2019;2020)
(1) 課題意識
従来の学習評価は、学期末や学年末などの事後評価に偏っており、生徒の学習改善に十分に活用されていなかったという課題意識が示されています。
(2) 学習評価の改善方針
新学習指導要領では、以下の改善方針が打ち出されています。
- 観点別学習状況の評価の3観点の整理: 「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で評価を行います。
- 「主体的に学習に取り組む態度」の評価: 観点別学習状況の評価と個人内評価の両方を活用し、多角的に評価します。
- 形成的評価と総括的評価の連携: 観点別学習状況の評価(形成的評価)と評定(総括的評価)を相互に活用し、指導の改善に役立てます。
(3) 指導要録の改善点
指導要録についても、以下の改善が行われます。
- 観点別学習状況欄の新設: 各教科・科目ごとに観点別学習状況を記録する欄が新設されます。
- 「総合的な探究の時間」の記録: 学習活動と評価の観点を記入し、生徒の学習状況の特徴を文章で記述します。
- 「特別活動」の記録: 教師の負担軽減のため、文章記述から○印での評価に変更されます。
- 「総合所見及び指導上参考となる諸事項」: 要点を箇条書きにするなど、記載事項を必要最小限にとどめます。
(4) 大学入試との関連
学習評価は学習や指導の改善を目的としており、入試に用いることを主目的としていません。したがって、入試で学習評価の結果を活用する際には、学習評価の特性を踏まえた適切な運用が求められます。
2025 (令和7)年度入試における調査書様式の変更点
従来は文章記述であった「特別活動の記録」が、新様式では○印での評価に変更されます。
3 高校の学習評価の実情
高校では、観点別学習状況の3観点をABCの3段階で評価し、その総合評価から5段階の評定を決定する作業が生じます。しかし、この方法では「主体的に学習に取り組む態度」が軽視されがちであり、ペーパーテストや定期考査の結果で評価されやすい「知識・技能」に重点が置かれる傾向があります。
4 鹿児島県内の高校から懸念されていること
他校の評価の実情が不明瞭なまま、自校が相対的に厳しい評価をしているのではないかと懸念されています。
5 本学で検討すべき課題
(1) 各学部
高校側の学習評価方法の変更を踏まえ、本学の入試における調査書の取り扱いについて検討が必要です。
(2) 全学(中等・高等教育接続センター、入試課)
全学的に、調査書の変更点に対応するための情報共有や、高校との連携強化が必要です。
形成的評価と総括的評価の連携: 観点別学習状況の評価(形成的評価)と評定(総括的評価)を相互に活用し、指導の改善に役立てます。
上記の2つの「評価」の違いが分かりません!
資料10で説明されている「形成的評価」と「総括的評価」について、それぞれの特徴と違いを簡単に説明します。
形成的評価
- 目的: 学習の途中段階で生徒の理解度や学習状況を把握し、指導方法の改善や生徒の学習改善につなげること。
- 実施時期: 授業中や単元終了後など、継続的に行われます。
- 評価方法: 小テスト、観察、生徒の自己評価、質問など多様な方法が用いられます。
- 結果の活用: 生徒へのフィードバック、指導方法の見直し、学習計画の調整などに活用されます。
総括的評価
- 目的: 一定期間の学習の成果を評価し、生徒の到達度を総合的に判断すること。
- 実施時期: 学期末や学年末など、一定期間の学習を終えた時点で行われます。
- 評価方法: 定期テスト、レポート、作品提出などが一般的です。
- 結果の活用: 成績評価、進級判定、進路指導などに活用されます。
連携の重要性
資料10では、この2つの評価を連携させることが重要だと述べられています。形成的評価で得られた情報を総括的評価に反映することで、より多角的で公正な評価が可能になります。また、総括的評価の結果を分析することで、今後の指導計画や形成的評価の方法を改善することができます。
具体例
- 形成的評価で生徒の特定の分野における理解不足が明らかになった場合、総括的評価の前に補習授業を実施したり、個別の指導を行うことができます。
- 総括的評価の結果、クラス全体の特定の単元における理解度が低いことが判明した場合、その単元の指導方法を見直したり、教材を改善するなどの対策を講じることができます。
このように、2つの評価を連携させることで、生徒の学習状況をより深く理解し、効果的な指導につなげることができます。
資料10との関連
新学習指導要領では、観点別学習状況の評価(形成的評価)と評定(総括的評価)を相互に活用することが求められています。これは、従来の評価方法が総括的評価に偏っていた点を改善し、生徒の学習過程を重視した評価を行うためです。
ご理解いただけましたでしょうか?もしさらに疑問点があれば、お気軽にご質問ください。
「観点別学習状況の評価と個人内評価」はどう違うのですか?
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資料10では、「主体的に学習に取り組む態度」の評価において、観点別学習状況の評価と個人内評価の両方を活用する必要があると述べられています。これら2つの評価方法は、以下の点で異なります。
評価の基準
- 観点別学習状況の評価: 各教科・科目において、生徒の学習状況が目標に到達しているかどうかを絶対評価で判断します。
- 個人内評価: 生徒個人の過去の学習状況と比較し、どれだけ成長したかを相対評価で判断します。
評価の視点
- 観点別学習状況の評価: 生徒の学習状況を**「知識・技能」の獲得や「思考力・判断力・表現力等」の習得に向けた粘り強い取り組みや学習の調整能力**という観点から評価します。
- 個人内評価: 生徒の良い点や成長を積極的に評価する視点で、個々の生徒の学習意欲や学習への主体的な取り組みを評価します。
つまり、観点別学習状況の評価は、生徒が目標に到達しているかを客観的に評価するのに対し、個人内評価は、生徒の個々の成長を評価するものです。
新学習指導要領では、「主体的に学習に取り組む態度」の評価において、この2つの評価方法を組み合わせることで、より多面的かつ公正な評価を実現しようとしています。
例えば、ある生徒が目標到達度としては十分ではないものの、過去の自分と比べて大きく成長していた場合、観点別学習状況の評価だけでは低い評価になってしまう可能性があります。しかし、個人内評価を組み合わせることで、その生徒の努力や成長を適切に評価することができます。
このように、2つの評価方法を組み合わせることで、生徒の学習状況をより深く理解し、効果的な指導や支援につなげることができると考えられます。
①粘り強い取り組みと、②自らの学習を調整しようとしているかどうか の違いを教えて
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資料10では、「主体的に学習に取り組む態度」において、特に以下の2点を評価する必要があるとされています。
- ①粘り強く学習に取り組む態度
- ②自らの学習を調整しようとする態度
それぞれについて詳しく説明します。
①粘り強く学習に取り組む態度
これは、困難な課題や失敗に直面しても、諦めずに努力を継続する姿勢を指します。具体的な例としては、
- 難しい問題に長時間取り組む
- 理解できない部分を積極的に質問する
- 失敗した課題を繰り返し練習する
- わからないことを自分で調べて解決しようとする
などが挙げられます。
②自らの学習を調整しようとする態度
これは、自分の学習状況を客観的に把握し、目標達成に向けて学習計画や方法を改善していく能力を指します。具体的な例としては、
- 自分の得意・不得意を把握し、学習計画を立てる
- 学習の進捗状況を定期的に確認し、計画を修正する
- 効果的な学習方法を模索し、実践する
- 自分に合った教材やツールを活用する
などが挙げられます。
違いのまとめ
観点 | 説明 | 具体例 |
---|---|---|
①粘り強く学習に取り組む態度 | 困難や失敗があっても諦めずに努力を継続する姿勢 | 難しい問題に長時間取り組む、積極的に質問する、繰り返し練習するなど |
②自らの学習を調整しようとする態度 | 学習状況を把握し、目標達成に向けて学習計画や方法を改善していく能力 | 学習計画を立てて進捗を確認する、効果的な学習方法を模索するなど |
これらの2つの態度は、どちらも主体的な学習には欠かせない要素です。粘り強く努力を続けるだけでなく、状況に応じて学習方法を調整していくことで、より効果的な学習が可能になります。新学習指導要領では、これらの要素を総合的に評価することで、生徒の主体的な学習への取り組みを多角的に捉えようとしています。
①②、学習状況の評価と個人内評価、形成的評価と総括的評価、の3種は、、それぞれ別物ですか?
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いいえ、それぞれが完全に別物というわけではなく、相互に関連しています。
- ①粘り強い学習への取り組みと②自らの学習を調整しようとする態度は、どちらも**「主体的に学習に取り組む態度」**という観点の一部です。
- 観点別学習状況の評価は形成的評価の側面を持ち、評定は総括的評価に該当します。
これらの関係性を図にまとめると、以下のようになります。
主体的に学習に取り組む態度
├── ①粘り強い学習への取り組み
└── ②自らの学習を調整しようとする態度
形成的評価 ≒ 観点別学習状況の評価
総括的評価 ≒ 評定
つまり、①と②は、どちらも生徒の主体的な学習姿勢を評価するための具体的な要素となります。
また、観点別学習状況の評価は、日々の授業や課題を通じて生徒の学習状況を把握し、指導改善につなげる形成的評価の役割を果たします。一方、評定は、一定期間の学習成果を総合的に評価する総括的評価の役割を果たします。
新学習指導要領では、これらの要素を組み合わせて、生徒の学習状況を多角的に評価し、効果的な指導や支援につなげることが重要視されています。
Gemini may display inaccurate info, including about people, so double-check its responses.