なぜ「乗り物オタク」は公式発表にあっさり騙されるのか? 戦闘機・鉄道・自動車み~んな同じ、軍事ライターが冷静に分析する

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マニアの誤解はどこから来るのか。F-2戦闘機が米F-16のコピーである事実を見誤る理由を探る。心地よさや公式発表への盲信が生む誤認識、マニア文化の危険性を明らかにする。

自分で判断できない

鉄道のイメージ(画像:写真AC)
鉄道のイメージ(画像:写真AC)

 第三の理由は、「自分で判断しないこと」である。マニアは判断を他人任せ、特に趣味集団における評価に委ねている。

「みんながどのようにいっているか」

に流されてしまう。

 これも「F-2は日本のオリジナル」が膾炙(かいしゃ。広くいわれていること)した理由である。まず第一、第二の効果で軍事マニアが受け入れる。そうなると「みんなもそういっているから正しい」と信じてしまうのである。

 集団への没入ゆえに異論も拒絶する。悪化すると反論も自分の信念が揺らぐので直視できなくなる。反論がウェブ記事なら「PVを稼がせない」と合理化して読まずに一蹴する。このあたりは

「鉄道マニア」

も同じである。趣味集団の価値観に染まりきっている。

“過激派”は世間との調節もできなくなっている。線路内立入や大光量のフラッシュといった鉄道安全への挑戦や、公衆面前での“罵声大会”に疑問を抱かない。

 それでいて出てくる写真はみんな同じである。だからか、収差に至るまでの出来を持ち出して競っている。ピクセル規模でも「ちょっとピンボケ」は門前払いにする。(ロバート・)キャパが撮っても失敗作の扱いである。

国産にしなければよかった

P-8(画像:写真AC)
P-8(画像:写真AC)

 当事者はこのマニア連をどう見ているのか。

 現場は「公式発表を素直に信じるものだな」と見ている。意図ある公式発表にも正確にミスリードされるからである。

 当事者だから組織方針の誤りもよく見えており、だますことにも批判的である。

 実際に国産機について自衛隊員に「よかったところはなんですか」と筆者が聞くと

「国産なんかしなければよかった」

と答える。これは国産哨戒機P-1の話である。

「石破防衛相のいうとおりP-8にすればよかった」

ともいっていた。

「担当も『今のうちにP-8を買わないと将来が』と危機感を持っている」

との話も別に聞いている。

 だが、マニアは心地よくない話は信じない。筆者が聞いた「P-1のうち飛行可能な『ステイタスA』は半分もない」や、さらに踏み込んだ清谷信一さんの「可動機は三割」の話は受容できない。F-16コピーの事実提示と同様に

「ボクの大好きな国産機が失敗作なわけがない」

と拒絶するのである。

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