なぜ「乗り物オタク」は公式発表にあっさり騙されるのか? 戦闘機・鉄道・自動車み~んな同じ、軍事ライターが冷静に分析する

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マニアの誤解はどこから来るのか。F-2戦闘機が米F-16のコピーである事実を見誤る理由を探る。心地よさや公式発表への盲信が生む誤認識、マニア文化の危険性を明らかにする。

「国産戦闘機」を喜ぶ

自動車のイメージ(画像:写真AC)
自動車のイメージ(画像:写真AC)

 なぜ、そのような奇妙な解釈に至るのか。

 第一の理由は、「心地よい内容」だからである。マニアもまたファンであり趣味対象を褒める話を聞きたがり、信じたがる特性がある。

 例えば自衛隊、警察、消防のマニアは

「いかに役に立っているか」

の話を好む。「国民の自衛官」のような政治臭い表彰も喜んで読む。そのいずれにもいる心技体そろった愚か者が起こした事件記事や、筆者のような“非国民”の元自衛官の主張は忌避して読まない。

 そこにナショナリズムが絡むとさらに食いつく。鉄道マニアは

「日本の新幹線が台湾で採用された」

類の記事を好む。アニメや漫画のマニアですら「欧米でクールジャパン、中国でも酷日本として評価」の話を好む。

「F-2は日本のオリジナル神話」はこれである。これは事実であるが、もともと「世界水準の戦闘機」の心地よさがある。その上に「日本が独自に開発した戦闘機」と“愛国心”も刺激されるのである。

 マニアの願望と一致している。だから喜んで受容し信じ込むのである。

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