自民党総裁選への出馬を表明した小泉進次郎元環境相(43)のこれまでの発言は、独特の言い回しから「進次郎構文」と呼ばれた。
インターネット上では「中身がない」「ポエム」などとやゆされる言い回し。言語学の専門家はどう見るか。分析してもらった。【平塚雄太】
トートロジー?
そもそも、構文とは何か。
法政大文学部教授の尾谷昌則さん(51)は「言語学的な構文はパターン化された表現に特殊な意味が加わったもの」と説明する。
構文の一種に、同じ言葉を反復するトートロジー(同語反復)がある。
「太郎は太郎だ」と話した、とする。名前を繰り返しているだけで、意味がないように感じる。でも、太郎は強い、という話が前提にあれば太郎は「やはり強い」という意味が含まれるようになる。
言葉の繰り返しが多い小泉氏の発言はトートロジーと解釈できそうだが、尾谷さんの見解は異なる。
「何らかの含意を持つ反復とは思えませんね。主語が省略されていたり、修飾語が足りなかったりしていて、意味が分かりにくい。要するに言葉足らずということでしょう」
小泉氏は6日の出馬表明記者会見で、「環境相時代の私の発言が適切に伝わらなかったことがあったとしたら、それは反省しています」と述べた。
「進次郎構文」には、何が足りないのか。どんな特徴があるのか。言語学の観点から、尾谷さんに読み解いてもらった。
今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っています。――2019年9月、国連の気候行動サミットのため訪米中に
最初に「世界は」または「地球環境は」と主語を補うと意味は通ります。とはいえ、真意が分からないので、私の推測ではありますが……。
退…
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