総務省、NHKに行政指導 ラジオ国際放送の不適切発言で
総務省は11日、ラジオ国際放送での不適切発言問題を巡り、NHKに対して行政指導したと発表した。同省は「公共放送としての使命に反するものであり誠に遺憾」と指摘して、再発防止策の徹底や進捗状況の公表を求め注意した。放送法で定める放送事業者は番組基準に従い編集しなければならないという規定に抵触していた。
NHKのラジオ国際放送では、8月19日に中国籍の外部スタッフが沖縄県の尖閣諸島は「中国の領土」などといった原稿にない不適切な発言をした。NHKは再発防止策として、ラジオの国際放送で英語を除き事前収録に切り替えた。
NHKは不適切発言を巡って9月10日に調査報告書を公表し、稲葉延雄会長ら役員4人が役員報酬を1カ月間50%返納する方針を示した。国際番組基準に抵触する深刻な事態を招いた責任を取った。
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(更新)- 滝田洋一日本経済新聞社 客員編集委員ひとこと解説
①再発防止策の徹底及びその遵守状況の公表を要請――。NHKの電波ジャックへの行政指導って、たったこれだけなのですか。NHK会長ら役員の役員報酬50%の返納、それも1カ月間だけ。これが責任の取り方なのでしょうか。 ②日本の公共放送が尖閣諸島に関する中国側の主張の舞台となった。厳然たる事実に対して、今回の処分は甘すぎないでしょうか。万が一、尖閣に中国が手を出し、中国側が今回の放送内容で自らを正当化するようなら、その責任は誰が負うのでしょうか。 ③中国共産党政権に逆らうと自らに危険が及ぶ。そう訴えた中国籍スタッフに対して、オロオロするばかりだったNHK。ここが改まらない限り、事態の改善は望めません。
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