足利義教(NHK英雄たちの選択)感想 | 福永英樹ブログ

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 昨夜放送されたNHKBSプレミアム・英雄たちの選択は、室町幕府第6代将軍だった足利義教(1394~1441)恐怖統治がテーマでした。


 暗殺による粛清、理不尽な処罰など数々の悪行が目立つ為政者で、性格的にかなり極端な人物だったことは確かです。しかし、初代将軍尊氏の頃から引きずってきた脆弱な政権構造について、義教が何とか立て直す必要に迫られていたことも、また事実だったと思います。それまでのこの室町時代というものの特徴は、足利幕府朝廷・公家勢力宗教勢力共存することによって権力が分散し、なんとも曖昧で不思議な均衡により保たれていたからです。それは過去の鎌倉時代と比較しても、かなり危ういものだったようです。

  そんな現状を見た義教は35歳までの出家中は宗教界きっての逸材と言われただけあって、そのことについての高い問題意識を持ったであろうし、彼なりに何とか改革しようと試みたのでしょう。出演者の博識者たちが言われたとおり彼の改革は成就しませんでしたが、その契機を生み出したという点では歴史的意義はかなりあったのではないでしょうか?


 歴史上において人間が成長していく過程には、このような偏ってはいても強烈な人物が必要なことも事実だったと思います。従って、義教の進めた改革を最終的に成就させたのが、近世への扉を開いた織田信長であるという見方も、充分にうなずけるものでした。

 これまでほとんどスポットライトを浴びることがなかった義教をテーマにした今回の番組の試みには、今後への期待が大きく膨らみました。またマイナーとされる隠れた歴史上の人物を是非テーマとして取りあげてほしいものです!

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