『24時間テレビ』の裏で101年目の関東大震災追悼式典 ヘイト団体VS反ヘイト団体で怒号飛び交う昨年から激変 今年も追悼文なしの小池知事に参加者から疑問の声
2024年09月02日 20時00分週刊実話Web
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公園は震災後に多くの人が避難に詰めかけた結果、火災旋風の発生で3万8千人が犠牲になった悲劇の地だ。翌1924年からは震災発生日の9月1日に慰霊式典が行われ、秋篠宮夫妻など皇族も例年出席している。
2019年には「犯人は不逞朝鮮人」などの発言が、人権尊重の理念の実現を目指す条例に基づいて都からヘイトスピーチ認定を受けた。
2023年の集会でも、「朝鮮帰れ」などの発言が同じく都からヘイトスピーチ認定を受けている。当時、公園の周辺には警察車両が多数駆け付け、大量の警官が配置されていた。参加者が振り返る。
この大荒れだった100年から1年。101年目の今回は、昨年とは比較にならないほど穏やかだった。
100年目ほど大きな衝突なく終了も…残った“火種”
今回、関東に接近していた台風10号の影響もあり、「そよ風」側は8月30日に式典の中止を発表した。
「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼実行委員会」も台風に配慮して規模を縮小し、関係者のみでの開催となり、一般参加者には生配信で式典を視聴するよう呼びかけていた。
その後も、6000人という数字を捏造だと主張する「そよ風」デモ隊がプラカードを掲げて公園外周などを行進し、これに反ヘイト団体が抗議しながら追う場面もあったが、大量の警察が囲む中で衝突した昨年ほどの殺伐さは見られなかった。
小池知事は初当選翌年の2017年から、朝鮮人虐殺の追悼文送付を取りやめている。これは、国内でも屈指のタカ派だった石原慎太郎元都知事ですら行わなかったことである。
取りやめについて、小池知事本人は8月30日の記者会見で「何が事実かは歴史家が紐解く」など、歴史的根拠が曖昧だという姿勢を一貫している。しかし、虐殺を裏付ける資料が次々と発見されているのが実情だ。
当時の陸軍熊谷連隊区司令部が作成した「関東地方震災関係業務詳報」には、震災3日後に朝鮮人40数人が熊谷市内で殺されたと記録されている。2023年9月にも、震災当時の神奈川県知事・安河内麻吉氏が、朝鮮人虐殺の犠牲者145人の殺害場所、日時、年齢といった詳細を報告した文書が見つかった。
式典に参加した市民も、小池知事に対する問題意識をにじませている。
「色んな資料から虐殺は事実でしょう? 歴史修正はやめて、きちんと死者を弔う気持ちを持ってもらいたいです。『全ての犠牲者を追悼』と言っているけど、震災で亡くなった人と殺された人は違うじゃないですか? 虐殺の犠牲者は発生させないこともできたわけですから」(参加者の70代女性)
依然として火種は残ったままだが、昨年に比べて平穏だったのは何よりだろう。
取材・文/シンディー・カート