「時間が経てばいずれ分かること」
「建物は地上3階建て、売り場面積は約8000平方メートルにも及びます。食堂から展望台まで用意され、全国的にも珍しい完全現金仕入れで販売も無借金仕入れで知られた百貨店でした。最盛期となる1960年から70年代には従業員400人、年間売り上げは130億円を記録。
しかし、業績好調とされていた1992年突如として食堂部分があった3階を閉鎖し、1階の食品売り場の整理にも着手。同時に東北百貨店協会を脱会し、百貨店業界とは一線を画す存在となっています。当時のマスコミ取材にも取締役は『時間が経てばいずれ分かること』と答えるのみ。核心が不明なため、『不可解な縮小』と首を傾げるしかなかった」(前出・地元紙記者)
その後は衣類などを扱う1階部分のみの営業を続けていた木内だが、2020年には臨時休業を発表。昭和、平成、令和から続いた秋田のシンボルは一時的とはいえ、その歴史に幕を閉じた。
休業から4年あまりが経った今年になっても木内の「不思議」は深まるばかりだという。地元商店の関係者はこう困惑の表情を浮かべる。