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朝起きたら女の子になっています……続きっぽい。/Novel by XJ(改)投棄場のようなもの

朝起きたら女の子になっています……続きっぽい。

48,303 character(s)1 hr 36 mins

朝起きたら女の子になっていた……という展開がある意味普通になっている話(novel/22622790)の続きの話です。

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1.新入学式と新入学生


桜咲く、春の陽気にみなの気持ちも高揚するこのごろ、この帝越学園も新学期を迎えていた。
入学式の行われる体育館にわらわらと足を運ぶ新入生。これからの学生生活に期待をよせての表情か。

この中でこの学校の特殊すぎる事情を果たしてどれほどのやつが知っていることだろうか。
男子校でありながら共学の特性をも併せ持つ学校、それがこの特殊事情。

生徒たちの体内にあるナノマシンによって半周期的に男になったり女になったりする。
この学校の教育方針は男子自ら女子として生活することで女性の苦労と性差を知ることにあるのだと。
もっとも、この新学期開始前後はその機能もオフになっているようだ。新入学性にはギリギリまで知らせない、という方針か。まあどうでもいい。

受験の時の学校説明会ではそんなこと一言も話されない。恐らく入学生たちはこれから身体検査と称してナノマシンを注射され、そしてそれから特殊事情が明かされる。
そんなあわれな(?)入学生たちを見送りつつ、俺たちがやっているのは……

「服飾同好会よろしくお願いいたしまぁすっ!」

入学式恒例のビラ配りでした。
俺、リュウスケの所属する、というかさせられている服飾同好会のビラ配りだった。
3年生としての始業式も早々に終わり、今日はだらだら過ごすかと思っていたら同好会会長のマキトに駆り出されてしまった。

「もっとヤル気のある声を出したらどうだい?」
「お前を相手に殺る気は出てきそうだけどな」

そういうマキトは妙に生き生きと配っている。いやいや、いろいろおかしいから。自慢じゃないが俺が女になったときはHカップの巨乳美少女なのだ。
しかし、今はごくごく普通の平凡な男(←イケメンでないことは自覚している)。そんなやつが服飾同好会なんてビラ配りどう考えてもミスマッチだろうが。
こんなやつが服飾ってどんな服作るんだよ、と突っ込みたくなる。

まあ、部活(というか同好会)の実態も実質はコスプレ同好会だけどな。俺でもそうだというのに、マキトがこんなの配っていたら余計におかしい。
なにせマキトは90キロオーバーの巨漢だ。こんなやつが服飾同好会ってどうなんだ? もうすぐ100キロだぞ、0.1トンだぞ!

「お前今ものすごく失礼なこと言わなかったか?」
「気のせいだ」

こいつ心の声もで読むようになったか? もういい。とにかくさっさとビラ配って終わらせてとっとと帰ろう。
しかし、元が元だけになかなか皆ビラもらってくれねえよ。
と、そんなところへ。

「ふ、服飾同好会ですか?」

一人の新入学生が近づいてきた。
身長は俺の目線の高さよりちょっと低いくらいの小柄でなんだか子供っぽい、髪の毛は肩にかかるかぐらいまで伸ばしたセミショート、ブラウスにリボンが綺麗にまとまって、スカートの丈も膝上10センチ程度の、新入学の男子生徒が。

「………」
「あ、案内もらっていいですか?」
「……お、おう」

ビラをすっと渡すと丁寧に受け取って、軽く頭を下げて体育館へといってしまった。声も透き通るような、綺麗な声。姫ボイスっていうんだっけ?
正直、俺はいまいち整理できないでいた。

だが、まがりなりにもここは男子校だ。半周期的に女になっているが、まがりなりにも。
そして今現在ナノマシンの機能はオフになっている。新入学生はまだナノマシンを仕込まれてないからなおさらだ。
では、今のは何だ? 新入学生だよな? 男子生徒だよな? なのに、あの服装は一体どういうことだ?

「ふむ、興味深い」

一部始終を見ていたもう一人の男、マキトは実に面白そうな顔をしている。
俺はそれはそれはもう、いやな予感しかしなかったけどね。






「リュウセイ君だったね? ようこそ服飾同好会へ」
「は、はいっ!」

あーあ、来ちゃったよ。
あれから帰ろうと思ったらむんず、とマキトに捕まって、そのまま部室代わりに使っている小教室に連行。
ビラの案内に活動部屋として紹介されているのがこの部屋だからだ。

マキトは来るに違いないなんていって俺は冷めた気分だったのだが……来ちゃったんだよ、さっきの謎の新入学生が。

「実に興味深いねぇ。男子でありながら何故そのような格好を?」
「あ、あの……ボク女の子に憧れてて」

あー、男の娘ってやつか。どうやら男子で間違いなかったようだ。

「しかし、女子用の制服はこれから説明を受けて準備されるはずだが?」
「お、お兄ちゃんのお下がりで……」

ああ、なるほど。年上の兄弟がこの学校の卒業生なのね。
それだったら制服持っているだろうし、この学校の事情も知っていることだろう。

説明会で話がされないといっても皆が皆まったく知らないわけではないはずだ。都市伝説的なうわさで流れていたり、こうして家族がこの学校の卒業生で事情を知っていたりと。
一番多いのはこうして兄がこの学校の卒業生で事情を知っているというパターン。実はうちの家族もそのパターンで弟が今年入学していたりするんだよな。
とにかく、家でも女になって生活しているから、家族は必然的に知っているってことだな。

「そのお兄ちゃんは今はお姉ちゃんになってますけど」

あー、あるあるパターンですねぇ。
うちの学校の特殊システムは卒業する時に性別を切り替える要因となっているナノマシンを破壊し活動を停止させるので終了する。
そうしたら普通どおり男としての生活に戻るのだが、中には一生女のままでいたいと思うやつもいる。

そういう人は希望通り、女になって一生を過ごすという選択もある。その比率は卒業生全体で半数弱ってところか。
目の前の新入学生の兄……いまや姉になった人物もその一人ということだ。

そういえば稀に母親がこの学校の卒業生だった、ってパターンがあるらしいな。
それすなわち母親が元男という衝撃事実を聞かされるということだがな。トラウマにならないですか?

「そのお姉ちゃんが、入学したらここを訪ねろって」

さらに駄目フラグ!!

「そうか、君はあのヨシキ先輩の弟君か!」

マキトは気がついたらしく、ぽんと手をたたいた。動作が古い。

「知り合いか?」
「うむ、ヨシキ先輩は吾輩の先輩でね、この服飾同好会の前身、服飾愛好会の創設者なのだ」

あー、マキトが自分で立ち上げたわけじゃなかったんだこの同好会。
しかし同好会の名前を変えた理由は気になるが、きっとどうでもいいことだろうな。

「あれ? でも俺ら会った記憶がねーぞ? この同好会立ち上げた人だったら一度くらい会ってるはずじゃね?」
「そりゃそうだろう。吾輩たちが入学する前年に卒業しているのだからな」
「ああ、そういう……」

てっきりこの学校内でマキトとその先輩が知り合ったかと思ったら違ったようだ。それ以前の付き合いとな。
どこでどう知り合ったかは知らんけど、そこのところはツッコまない方がよさそうだろう。

「ところでヨシキ先輩は元気かな?」
「元気ですよ。仲良かったクラスメイトと卒業してから結婚してこの前には子供も産まれました」
「ぶっふぉあぁぁっ!?」

しかもさらなる展開を進んでいましたよその先輩。
そーかー女になって卒業して結婚して子供産んだのかー。男だったけど子供ちゃんと産めるんだなー。
なんかもう、すんごい展開ですよねー。

「さて、そうなれば君の入部を断る理由など無いな。歓迎しよう、服飾同好会へようこそ」
「はいっ! よろしくお願いしますマキト先輩っ!!」

たぶんセリフだけだっら頼れる先輩とその先輩に憧れる後輩という絵になる図なんだろう。
しかしマキトの特性、そしてこの同好会の趣向と学校の特異性を考えるとろくなことにならない気がする。
そんな先のことを考えるのはやめておこう。面倒くさいだけだ。





約2週間後

大体今頃になってくると新入生達に仕込まれたナノマシンがONになる。つまり、そろそろ性転換するようになる頃だ。
まあ、在校生のほうは新学期前後オフになっていたナノマシンはとっくにONになっているのだが。

そういう頃になると新入学生は大体お祭りモードなる。今まで遠くにあった女体、それが自ら女になることで好き放題できるようになるのだから。
そして調子に乗ったヤツがクラスで皆の前でストリップをする。そしてそれが先生に見つかって大目玉食らう、というのが定番コースという。
それはさておき、そうした状況の中、服飾同好会に嵐がやってきた。

「お邪魔するわよ」

がらり、といつも使わせてもらっている小教室にやってきたのは一人の女子……性格には女になった生徒だが。
突然の来訪者にこのクラスにいた者は自然とそっちに目線が行く。
そして釘付けになる。驚く。


朝起きたら女の子になっているのが普通な話 その2
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その女子(?)はずいぶんと背が高く、180cmくらいになろうか。
金髪のウェーブがかかったロングヘアーにすらっとした長い細い手足。くびれたウエストとボリュームのあるヒップ、そして自己主張している迫力ある大きな胸。
しかし俺たちが釘付けになったのはたぶんそれが理由ではない。
そんなスーパーボディのくせに……制服が小さい。

どう考えても制服のサイズが2まわりは小さい。子供の服を大人が無理して着ているという感じ。
おかげでお腹がチラチラ見えてます、へそが見えそうです、むしろ見えてます、スカート短いです、中が見えそうです、むしろ見えてます。
一部の人間は日曜日午後6:30のパンチラな妹を連想してしまうな。で、肝心な問題。

「どちら様ですか?」

同じ学校の生徒に対してどちら様なんて尋ね方は口にしてから変だなとは思った。
が、何だか相手の強気なオーラに圧倒されてそんなことを言ってしまったのだよ。

「リュウセイ君だね?」

回答が来たのは当の本人ではなく後ろでファッション誌を読んでいたマキトだった。
今現在もデブ体系の男の姿だが、その姿で女性ファッション誌はどう見ても不釣合いだ。
……って、ちょっと待て。

「リュウセイぃっ!?」

乱入した美女を見て変な声を上げてしまった。目の前の美女が、ついこの前やってきた進入部員ですと?
改めてよく見れば……ああ、たしかに顔のつくりは同じだわ。
それとこの制服のサイズ、背の大きな人物が着ているからつい小さく見えるけど、よく見れば小柄なリュウセイが(男のときに)着ていた女子制服と同じだわ。

普通、新入学生の制服は入学してから初めてナノマシンのスイッチが入るまでの2週間に女子の制服が用意される。
事前に女子になる体系は本人が設定しているのだ。その設定があればちゃんとしたサイズが用意できる。

そう考えるとマキトのQカップという超乳の体系に合う制服を用意するのも大変だろうなぁ、って気がしたり。
でも実際はバストを男の欲望のまま盛りに盛りまくるやつは少なくないのである程度は想定しているのかもしれない。

とにかくそういう事情があるのだが、リュウセイの場合は最初から女子制服を着ている。
たしかに校則には「女子時には女子用の制服を着用すること」と記載はあるが、男子の時に女子の制服着ちゃダメとは書いてなかった気も。
多分この学校の卒業生の兄(今は姉)の入れ知恵だろう。制服はたぶん兄(今は姉)が使っていたものというし。

しかしあの小柄な男の時のリュウセイの姿に女子制服のサイズがぴったりだったことを考えると、兄(今は姉)の女性化時はロリ体系ってことに。
うーん、好みは人それぞれ、か。そういえば結婚したんだっけ? 子供産んだんだっけ? うーん……

で、その小さいサイズの制服をそのまま着用しているというわけか。今の体形に合わせてあるはずの女子の制服は断ったのか、またはわざと今までのを着続けているのか。
とにもかくにも……目のやり場に困る。

「改めまして先輩方、ごきげんよう。よろしくお願いしますわ」

挑発しているのか素なのか、モデル歩きのように妙に体のラインを強調した歩きして入ってきた。
特に腰を動かしているのだが、そのせいでスカート簡単にめくれてんですけど。
中……黒のえぐいやつでした。

「ふぅむ、それだけの体系になればさぞかし我が同好会も盛り上がるな」

うんうんとマキトはたいそう喜んでいる。こいつ、一応真面目に活動やるつもりではいるんだな。
多分こいつの脳内には既にリュウセイにあれやこれやと衣装を着せる姿を想像しているのだろう。
で、当の本人は……

「勝手に想像してくれるんじゃないわよ、ブタ」
「ぶっっ!?」

なんと先輩に対して……いや、マキトだったらいいか。どっちにしてもいきなりの暴言。
あんまりの突然のことにマキトは呆然としている。いや、俺だってそうだけど。
そして当の本人は上から目線で(大きな)胸を張っている相手に対して……

「……女王様?」

思わず口にしてしまった。だってそういうキャラにしか見えないんだもの。それとも今流行の悪役令嬢だろうか?
ちょっと個性強すぎやしません?
しかし本人はそんなことお構いなしに既に別のことに気がいっていた。

「あらボウヤ、カワイイじゃない」
「へ?」

尊敬する先輩に対して暴言を吐いた1年に苛立ちを隠せないで表情険しくしていたコウタ。
リュウセイの視線は暴言を吐いた直後からそっちにいっていた。
当の本人はそんな相手がいきなり自分にそんなこと言うものだから不意打ちを食らった様子。
男子にしては身長低めのコウタに対して、リュウセイはというと……

「ウブな子ねぇ、抱きしめたくなるじゃない」
「むがっ!? むぐぅっ……」

もう抱きしめてるがな。コウタとの距離を一気に縮めて自分の胸にうずめてしまった。身長が高い割にははっきりと巨乳と分かる胸。体積も標準と比べたらかなりでかい。
うん、はたから見たら結構うれしい状況。しかし当人はわけもわからず、だろう。それにしてもさっきから思っていたのだが……

「性格変わってないか?」

入学式時点では純粋な感じで実の兄(しつこいけど今は姉でさらに母)から紹介された先輩に憧れと敬意を持っていたはずの新入学生のリュウセイ。
しかし、女になった彼の性格はずいぶんと違うようだが?

「ふぅむ、女になった事で内なる何かが解放されてしまった、のか?」

ブタだと言われたことをこれほども気にしていない様子のマキトの分析。
そういえばうちの担任も男の時と女のときとで性格がえらい違うよな。あっちはお子ちゃまになっているけど。
こっちは逆に子供体系から一気に大人になった事で変な自信でもついたのか。それが自分でも分からないうちに開放されてしまった、のか?

原因はよく分からない。が、マキトは実に興味深そうに新たな後輩を見ていた。
俺はというと新たな嵐の予感しか感じていなかったのだ。

とりあえずさっさとコウタを解放させよう。早くしないと窒息死するぞ。



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