男の子やペットも…アニメ「プリキュア」放送20年、世相の変化に合わせて大変身
女の子が変身して敵と戦う東映アニメーション制作のアニメ「プリキュア」(テレビ朝日系)が、放送開始から20年を迎えた。1年ごとに登場人物や設定を変えるスタイルで、同社制作の「戦隊もの」などと同じように、シリーズものとして定着。生みの親である執行役員の鷲尾天(わしお・たかし)エグゼクティブプロデューサー(EP)に尋ねると、ロングヒットの裏にある流行の波と、世相の変化が見える。 【写真】「クレヨンしんちゃん」と「わんだふるぷりきゅあ!」がコラボ!お互いの放送に登場した ■魔法・武器使わず 日曜朝にテレ朝系で放送されるアニメは長年、東映アニメーションが制作してきた。「お鉢が回ってきた」鷲尾EPは、子供の頃に好きだった「変身ヒーローもの」を女の子向けアニメで作ることに。誕生したのが平成16年の第1作「ふたりはプリキュア」だ。 画期的だったのは女の子が魔法を使わず、武器も持たずに戦うこと。「ヒーローならば徒手空拳で」というアイデアは「よく通ったな」と鷲尾EP。人気を呼び翌年には続編も制作した。 子供向けアニメは、視聴者が作品を「卒業」していくのが宿命だ。さらに、鷲尾EPは「女の子は男の子と違って興味の並立が難しく、一強になりやすいんです」とも解説する。 3年目の「ふたりはプリキュアSplash☆Star」は視聴率が低迷した。キャラクターの着せ替えが魅力のカードゲーム「オシャレ魔女♥ラブandベリー」に女の子たちの心を奪われてしまった。 プリキュアの人数をコンビから3人以上のチームに切り替える刷新をはかって乗り越えたが、10年前にはアニメ「妖怪ウォッチ」(テレビ東京系)が社会的なブームとなり、さらにディズニー映画「アナと雪の女王」が大ヒットする。 プロデューサーを退いていた鷲尾EPは、立て直しのため現場に復帰した。嵐にあらがわず、「アナ雪」が起こしたプリンセスブームに乗っかる。プリンセスを夢見る少女が登場する、お姫さま色全開の「Go!プリンセスプリキュア」を企画し、シリーズはつながった。 ■社会的課題に挑む