「子どもが鼻血を洗面器で受けた」「被曝が遺伝する」…福島を苦しめ続ける「原発事故の根拠なき誤解」に反論する

林 智裕 プロフィール

具体的には8月1日~31日を検索すると、雑談や返信、告知までも含めた全発信73件のうち26件、実に35.6%にコミュニティノートが表示されている(9月1日現在)。しかも鴨下氏は、自らが言及した「被曝の影響」などについて、被害が発生した時期や場所、量といった具体的・定量的な話には一切答えようとしない。

実際に、氏の「炎上」した無数の発言からごく一部を実例として挙げた上で、それらに対する著者の疑問、及びSNSで無数に寄せられながら鴨下氏が現状答えていない質問を()で付記する。

 
・「実際、原発事故直後は通常では考えられないレベルの汚染をしてしまった人が沢山いました」(いつ、どこで、どの程度の人数が、どのくらいの量を?それが具体的にどのような被害をもたらしたのか?)

・「放射性廃棄物といっても過言ではないレベルの汚染をしてしまった人が何人もいた」(同上)

・「福島の桃農家が被曝しながら労働することを肯定することになる食べて応援は本当に悪質だと思う...」(同上。加えて現在、福島県産の農水産物はすべて世界で最も厳しい基準のもとで検査を受けており、被曝によるリスクはない)

・「今、この瞬間も汚染された土地で労働している方がいらっしゃいます 水俣でも魚は美味しかったんです」(具体的にどこの誰を指すのか。突然水俣を名指した理由は何なのか。福島県産の水産物を食べると、かつて水俣で起きた公害病のような健康被害が発生すると仄めかしたいのか)

・「栃木なんて本当に信じられない程(*桁違いに)汚染している地域がありますし、千葉、茨木、宮城にもあります」(具体的にどの場所で、どの程度の量で、有意なリスクを示す客観的科学的な根拠は何か)

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