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ダサい中高年「悪いことすんなって言ってんじゃないの」

一部の中高年男性が好きなセリフに「悪いことすんなって言ってんじゃないの。ダサいことすんなって言ってんの。わかる?」があります。

残念ながら令和の現代においても、このような古い昭和の価値観のセリフを好むオジサンがいるのです。ネットやSNSの中高年オジサンは、このセリフを使っていること自体がダサいということに気が付いていません。

暴力性が完全に漂白された現代社会の若者から見れば、「いやいや、ダサいことも悪いこともしないでもらえますか?」というのが正直な感想でしょう。


「悪いことすんなって言ってんじゃないの。ダサいことすんなって言ってんの」とは?

そもそも「悪いことすんなって言ってんじゃないの。ダサいことすんなって言ってんの。わかる?」というセリフ自体を知らない方も多いでしょう。

このセリフは、2000年にTBS系で放送されたドラマ「池袋ウエストゲートパーク」(IWGP)に登場するキャラクターのセリフです。主演は長瀬智也、脚本は宮藤官九郎です。

この作品は、池袋を舞台にした若者たちの人間関係や社会問題を描いたストーリーで、特に印象的なセリフやシーンが多くあります。一言でいってしまえば、ヤンキー作品ですね

既に25年も前の作品ということで、多くの若者はこのドラマを知らないでしょうし、「生まれる前のドラマだ」という方も多いでしょう。


「池袋ウエストゲートパーク」は、若者の葛藤や友情、社会の裏側を描いた作品であり、観る者に深い印象を与えるドラマです。原作は石田衣良の小説で、その独特の世界観とキャラクターたちの魅力が、映像としても見事に再現されています。

このドラマの主な舞台は池袋という都市で、ここには様々な人々が交錯しています。主人公のマコトは、地元の友人たちと共に日常を過ごしながら、様々なトラブルに巻き込まれていきます。彼の周囲には、個性豊かなキャラクターたちが揃っており、それぞれが抱える問題や悩みが描かれることで、視聴者は彼らの成長や変化を見守ることができます。

特に印象的だったのは、マコトが直面する様々な社会問題です。ドラマは、単なるエンターテインメントではなく、現代の若者たちが直面するリアルな問題—例えば、いじめ、暴力、愛情の葛藤—を真摯に描いています。これにより、視聴者は自分自身の経験や感情と重ね合わせながら、物語に引き込まれていくのです。

また、このドラマの特徴は、視覚的な演出と音楽の使い方にもあります。特に池袋の街を背景にしたシーンは、夜のネオンや人々の喧騒がリアルに描かれており、まるでその場にいるかのような臨場感を感じることができます。音楽も、シーンごとにぴったりとマッチしており、感情の高まりを一層引き立てます。

友情や愛情、裏切りや葛藤を通じて描かれるキャラクターたちの関係性も見どころの一つです。特に、マコトと彼の友人たちとの絆は、この物語の核となっており、その絆が試される瞬間も多く描かれます。

また、物語の中で描かれる「池袋」という場所自体が、登場人物たちにとっての重要な舞台であり、彼らの成長を促す要素となっています。池袋という街の持つ多様性や複雑さが、キャラクターたちの個性を引き立て、物語に深みを与えています。

全体的に見て、「池袋ウエストゲートパーク」は、ただの青春ドラマにとどまらず、社会に対する鋭い視点を持った作品です。若者たちの葛藤や友情を通じて、観る者にさまざまなメッセージを伝えており、心に残る印象を与えます。

僕もリアルタイムで視聴していましたし、大変好きなドラマの1つです。

しかし、令和の現代において、この古いドラマのセリフを引用しているオジサンを見ると、同じオジサンとして複雑な気分になります。既に時代は変わっており、現代の価値観に合わない作品であるためです。


中高年男性がヤンキーに憧れる心理とは?

現実社会では、既に日本ではヤンキーなど存在しませんので「暴力的な反知性主義」は終焉を迎えたといえるでしょう。

「暴力=カッコ悪い」「ヤンキー=ダサい・モテない」というイメージが世の中に広く広まったのが良かったのでしょう。これは素晴らしいことです。

一方で、この時代の変化についていけない中高年男性が存在するのです。

「悪いことすんなって言ってんじゃないの。ダサいことすんなって言ってんの。わかる?」というセリフが好きなのも、このような中高年のオジサンなのです。

未だにオラついている素振りを見せたりするのは、昭和の少年時代を引きずっている中高年が多いですし、東京卍リベンジャーズ等のヤンキー漫画を読んでいるのは中年男性です。若者はこのような中高年オジサンを見て、「うわーダサい」と感じているわけです。

氷河期世代は人数が多いです。そのため、最近のアニメや漫画は中高年層を狙ったリバイバル作品も多く「なぜこんな作品が?」と感じる若者も多いでしょう。

SNSで「高校鉄拳伝タフ」「CUFFS 傷だらけの地図」などの、若者が生まれる前の漫画作品の切り抜きを使っているオジサンを見て「気持ち悪い…」と感じるのも当然のことです。


中高年男性がヤンキーに憧れる心理を理解するためには、彼らが若かりし頃体験した過去の記憶が重要です。

まず1つ目のポイントは、若い頃に自由で荒々しい生き方をしていたときの懐かしさが影響していることです。若い頃は社会のルールや常識にとらわれず、自分勝手に生きるヤンキーたちに対して、中高年男性も自身の過去の自由な姿を見つけることができるのです。

2つ目のポイントは、ヤンキーが持つ強さやカッコよさに憧れる心理があることです。ヤンキーたちは自分たちの意志で生き、強い精神力や自信、そして誇りを持って日々を生き抜いています。中高年男性は、自分の中に眠っている強さを再確認したいという欲求があり、ヤンキーたちを通じてその姿を見つめることで自己肯定感を得ようとするのです。

最後の3つ目のポイントは、時代や社会の変化に伴うストレスや不安から逃れる手段として、ヤンキーの生き方に憧れる心理が働いていることです。中高年男性たちは、現代社会の厳しい競争やストレスに晒される中で、過去の若い頃には感じられなかった自由と解放感を求める傾向があります。そのため、ヤンキーが象徴する自由奔放な生き方やルールに縛られない姿に憧れを抱くのです。


中高年男性へ「ダサいことすんなって言ってんの」

このような古い作品を引用してヤンキーや暴力を賛美する中高年男性がダサいのは以下の理由があります。

●ダサい理由①:世の中が見えていない

近年の日本社会では清潔さや理知的な振る舞いが美徳とされる風潮が強まっています。特に、公共の場でのマナーや衛生管理に対する意識が高まり、清潔感や秩序が重要視される傾向があります。このような社会的な変化は、健康や安全への意識の高まり、またはグローバル化の影響などが背景にあると考えられます。

つまり「暴力」「ヤンキー」などは完全に時代遅れでダサいものに変わっているのです。このような時代にヤンキーや暴力を賛美する中高年男性は、正直、時代の変化が見えていないのではないかと思います。

暴力やヤンキー文化を賛美することは危険です。こうした行動や価値観は、社会に対して悪影響を及ぼす可能性があり、特に若い世代に誤ったメッセージを伝えることがあります。暴力を正当化することは、実際の危険な状況を助長することにもつながります。社会的な問題に対しては、対話や理解を促進するようなアプローチが重要です。

僕は、ヤンキー漫画が面白いと思い個人で楽しむことはあっても、社会で公言することはありません。それがオトナとしての常識でありマナーだからです。日本のネット・SNSではこのようなマナーが欠けている者が多いと同じます。

今の時代はこのような「マナーが欠けている者=ダサい」「知性や清潔さに欠ける者=ダサい」「暴力的な者=ダサい」と見られているということを自覚することが大切です。

●ダサい理由②:老害化している

また、引用する作品が20年も30年も前の作品というのも、ダサさを助長しています。

氷河期世代のオジサン・オバサンたちと一緒にカラオケに行くと、自分が青春時代に好きだった古い歌しか歌えない人と、最近の曲も歌える人に二極化されることがよくあります。

前者はダサいですよね?古いドラマや漫画しか引用できない人も、これと同じダサさがあるのです。つまり「思考が硬直化していないか?」「アップデートできているか?」ということです。

中高年男性の中には、長年の経験や価値観から思考が硬直化しがちな人もいます。これは、変化に対する抵抗や、新しいアイデアや視点に対する柔軟性の欠如が影響していることがあります。また、社会的な役割や責任が増す中で、安定を求める傾向も見られます。

しかし、思考の柔軟性は重要です。新しい情報や経験に対してオープンであることは、個人の成長や人間関係の改善、さらには職場での生産性向上にも寄与します。思考を柔軟に保つためには、異なる視点を持つ人との交流や、新しい趣味を始めること、自己啓発に取り組むことが有効です。

古い作品ばかり引用している人は、柔軟性や変化への適応能力に欠けている印象を与え、老害の雰囲気が出ているためダサいのです。

「池袋ウエストゲートパーク」も良いですが、たまには最近のドラマを見て、最近のドラマのセリフを引用していただきたいです。

変化を受け入れることで、新たなチャンスや視野を広げることが大切なのです。


そもそも「ダサさ」「カッコよさ」や美の価値観は、文化や社会の変化、技術の進歩、流行などに影響されて、時代とともに変わります

例えば、ファッションや音楽、アートなどの分野では、特定のスタイルや表現が流行し、それが一時的に「カッコいい」とされることがあります。また、社会的な価値観やジェンダー観の変化も、何がカッコいいとされるかに大きな影響を与えます。

あなたが「かっこいいこと」と思っていたことが、10年立ってみたら「ダサいこと」に変わることなんて往々にしてありえます。

価値観は常に流動的で多様性があるものですので、中高年男性はアンテナを張って時代の変化をしっかりと見ていく必要があるでしょう。

古い価値観に固執することは、時に柔軟性や適応能力を失わせることがあります。つまり、何もしなければ、どんどん老害化するのです。

社会や文化は常に変化しており、新しい考え方や価値観を受け入れることで、より多様な視点や解決策を見つけることができます。柔軟な思考は、個人の成長や社会の進歩にとって重要です。

中高年男性の皆さんは、新しい情報や経験をもとに、自分の考えを見直すことが大切です。


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氷河期世代おじさんです。非正規底辺職低年収で生活は辛い上に、妻とは離婚になりました。孤独死まっしぐら弱者男性です。 底辺ロスジェネ世代を代表し、社会を良くするため公益のため発信しています。SNSに広がる他責思考や衆愚政治を問題視しています。僕の記事が誰かの役に立ちますように。
ダサい中高年「悪いことすんなって言ってんじゃないの」|氷河期世代おじさん代表
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