時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
武蔵のプロット作りに行き詰る美月(岡本綾)。女の監督に武蔵は無理、と言われてそれを覆そうと思ってきたけど、当たってたかもしれない、と晋八(仁科貴)に弱音を吐く。美月は晋八を、武蔵ゆかりの場所に一緒に行こうと誘うが、美月が錠島(長嶋一茂)も連れてきていて、ショックを受ける。晋八は錠島に木刀を渡し、夢死郎の時の痛みのある殺陣を思い出させる。考えるほど武蔵に共感できなくなった美月は杉本(堺雅人)に…。
武蔵のオーディションは錠島(長嶋一茂)、虎之助(菊池隆則)はじめ大京映画の大部屋俳優たちに、幸太郎(佐々木蔵之介)の息子・早乙女清も受けていた。最終カメラテストで美月(岡本綾)と晋八(仁科貴)が考えたのは、スピーチの最中に不意打ちで襲いかかられた時の身のこなしや集中力を見るもの。ここで錠島は自分から仕掛け、圧倒的な身のこなしで、見ていた黒田(國村隼)、関川(石井正則)、杉本(堺雅人)も即決する。
晶子(永田めぐみ)が梓(茂山逸平)に、引っ越そうと提案する。自分の手が回らない時は愛子(賀来千香子)の手を借りたいが、自分が早く帰った時は春海(大橋梓)を離してほしいというやや自分勝手な物言いに、強く言い返せない梓。梓は美月(岡本綾)に相談するが、美月は春海をもっと信じてみてもいいんじゃない?と梓をなだめる。大京映画では、錠島(長嶋一茂)と虎之助(菊池隆則)に、武蔵をやると杉本(堺雅人)が…。
佐々木家では、美月(岡本綾)の姪の春海(大橋梓)が愛子(賀来千香子)の部屋から戻らず、家に遅く帰ってきた晶子(永田めぐみ)が梓(茂山逸平)に、なぜ連れて戻らなかったのかと責める。美月は春海のことを、昔の自分と重ねて見ている。杉本(堺雅人)は幸太郎(佐々木蔵之介)に社長就任のあいさつをし、映画出演を頼む。黒田(國村隼)と関川(石井正則)にも、美月を監督にして、宮本武蔵を撮りたいと宣言し、美月に…。
大京映画の社長に就任して杉本(堺雅人)がやりたいこととして挙げたのは、映画を作ること。関川(石井正則)は反対するが、黒田(國村隼)は、好きにやってみい、と止めない。帰り道杉本は美月(岡本綾)に、美月を監督にして、宮本武蔵と撮りたいと話す。カツドウ屋では、日本に戻ってきていた虎之助(菊池隆則)が、錠島(長嶋一茂)と共演して決着をつけたいと夢を語り、錠島は見果てぬ夢はしょせん見果てぬ夢だ、と言って…。
2000年、滝乃が亡くなって十八年。美月(岡本綾)は大京映画でテレビ時代劇を監督する毎日、黒田(國村隼)が会長、関川(石井正則)が社長、杉本(堺雅人)はプロデューサーになっていた。椿屋は笹守に買い取られ、高級料亭として生まれ変わり、椿屋と佐々木家の渡り廊下は無くなった。佐々木家は愛子(賀来千香子)の独断で二階を増設し、梓(茂山逸平)一家が同居。美月がロケ終わりを関川に報告していると、黒田が来て…。
麻生佑二(沢田研二)に電話する美月(岡本綾)。滝乃(大竹しのぶ)が花尾(桂米朝)にお茶を出して部屋に戻ると、美月の前で倒れる。麻生が会えなくてもいいから、と椿屋に来て、御簾越しに滝乃と話し、元気になったらまた会おう、と約束する。あくる日、美月が仕事をしていると知らせが入り、錠島(長嶋一茂)が機転をきかし、ねん挫をしたと倒れる。収録を中止する、と杉本(堺雅人)は決め、走って帰れと皆で追い返すが…。
滝乃(大竹しのぶ)は無理やり退院して、黒田(國村隼)に付き添われて、椿屋に帰ってくる。病院に行く前よりも元気になって、愛子(賀来千香子)も驚く。錠島(長嶋一茂)は美月(岡本綾)に、仕事を休んで看病しろ、と言う。自分の母親の死に目に会わせてくれて感謝している、と言うと、少し動揺する美月。黒田は、虎之助(菊池隆則)と幸太郎(佐々木蔵之介)の間で、二人のわがままに翻弄される。仕事を休んだ美月は…。
『魔境の剣士・ムサシ』の撮影が続く。キューのタイミングが遅い、と晋八(仁科貴)が美月(岡本綾)にダメ出ししていると、関川(石井正則)が駆け込んできて、滝乃(大竹しのぶ)が倒れて病院に運ばれた、と言う。関川や杉本(堺雅人)は早く帰れと言うが、美月は病院の梓(茂山逸平)に電話して、命に別状はない、と聞くと仕事を続ける。夜中、美月が病院に来て滝乃と話す。朝になると、滝乃は椿屋に帰る、と言い出して…。
幸太郎(佐々木蔵之介)のわがままが止まらない。朝になって急に朝食は洋食がいいと言って、滝乃(大竹しのぶ)たちを困らせる。なんとか用意すると、今度は部屋を替えろと言う。それも満室で出来ないと断ると、椿屋を出てホテルに行くと言う。困った滝乃が美月(岡本綾)に相談すると、滝乃は美月が読んでいた台本に目を止める。椿屋を出て行く幸太郎に滝乃は、幹先生は両御大とは違う、幹先生の小次郎が見てみたいと言い…。