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マダガスカル旅行記は文も写真も最小限で書き上げたつもりでしたが、それでも長くなり半分に分けました。
前半は絶景と驚愕動画、後半は幻想風景と可愛い動物、面白動画です。
ちなみに先月のイッテQは、首都から日帰りでも行ける自然保護区での撮影で、一番楽ちんなロケでした。
私の参加したツアーは世界一過酷と日本の旅行ガイド間で囁かれています。
文章は極力少なくしました。
気軽には行けないマダガスカル周遊、この記事で行った気分を味わって下さい。
《マダガスカル基本情報》
面積は日本の1.6倍。南緯12度~26度。
暑さ&降雨の為、観光シーズンは冬(6~9月)です。
緯度よりも貿易風とモンスーンの影響が大きく、北東~南西にかけて、熱帯雨林気候→熱帯モンスーン気候→サヴァナ気候→ステップ気候→砂漠気候。中央部の高地のみ熱帯ではなく温帯夏雨気候です。
1960年にフランスから独立。
ホテルや観光客向けのレストランは、植民地時代のフランス料理が浸透し、食事は総じて美味しかったです。
通貨はアリアリ面白い名前でしょ?
1アリアリは0.03円!!
$200をアリアリに替えたら840,000アリアリ、全て5000アリアリ札にしたので、この厚みの札束です
何故か1万/2万アリアリ札は手数料が高くなると言われた...こんなことってアリ?
財布に入らずに紙袋に入れていました
マダガスカル11泊+往復ともに機内泊+成田泊、計14泊15日間の旅行です。
エチオピアの首都 アディスアベバ乗り継ぎ。
地図の左の番号と地名は、11泊した宿泊地、下部にある目盛り1つは50km。
首都アンタナナリヴォからアンツィラベへは「サザンクロス街道」という立派な名前の国道ですが、こうした主要道もメンテナンスがされておらず酷いものでした。
おまけにアンタナナリヴォ市内は物凄い渋滞で、交差点には渋滞に嵌った外国人観光客のバスや車目当ての物売り・物乞いが溢れていて、窓を叩いたりいつまでも追いかけて来たり。
夫はとてもユーモアがありますが、
‟サザンクロス街道”ではなく散々苦労する街道 (座布団10枚!)
と名付け、ガイドさんや他の客から喝采されました
ホテルは、深夜0時から5時まで計画停電で、これ以降の宿泊地もほぼ同様でした。
計画停電以外でも突然停電することも多く、早く停電することを想定し、トイレ・シャワー・歯磨き等、毎日早め早めに行動しました。
《2日目》
穴だらけの道をモザンビーク海峡に面したムルンダヴァの町へ。
毎日日中は青空トイレです。
私は絶対にムリで、2日目からは朝食抜きにしました。
他のツアー客は男性は勿論、女性5人全員、毎日野原や砂漠で排泄していましたが...
結局私ただ1人が12日間1度も青空トイレをせず、ガイドさんから驚かれました。
マダガスカル国民の90%が、ちゃんとしたトイレを使えない生活で、野外排泄人口は世界で2番目に多いそうです。
家の敷地の一角にトイレを作ってはいても、汚くて臭くて虫がいて使わないとか。
《3日目》
ムルンダヴァの東にある、このバオバブの並木道は、マダガスカル旅行パンフに必ず載ってます。
この日はツィンギ―登山の起点の町ベコパカへ向かい、2泊した後にここに戻り、ツアーの目玉の1つである「夕日に染まる幻想的なバオバブ並木」を見ます。
次回記事の幻想的に美しいバオバブをお楽しみに。
「愛し合うバオバブ」とバオバブの花。
こういう、有名なバオバブのそばには、バオバブジュースや土産物売りがいます。
色黒の顔が白く塗られているのを見ると「ギャッ」と驚きますよね(笑)
タバキという、木の樹脂から作られた日焼け止め&化粧だそうです。
こういう田舎だけでなく、街中でも、白塗り女性をしょっちゅう見かけました。
一番小さなバオバブの木の彫り物を1個5000アリアリと言っていたのを、2つで6000アリアリで買い、ツアー最終日にガイドさんに1つあげました。
(このツアーは過酷なので、同じガイドが2度来ることは無いそうです)
ベコパカ(ツィンギ―)に向かうには、大きな川を2つ越えなければなりませんが、前回記事に書いたように、国全体でインフラ整備されず、橋はありません。
まず最初のより大きな川は、6台積載できる渡し舟で、積載部分の床は木でしたが、船自体は最初からカーフェリーとして作られた金属製で、エンジン付きでした。
スペースが6台分ピッタリなので、川に転落する危険と隣り合わせで端っこギリギリに何度も切り返して詰めていきます。
(前回記事で予告した小さな渡し舟は、この4日後の《7日目》です)
岸と筏を繋ぐ部分は⇩このように車輪の幅の狭い橋しかないので、川に落ちる危険が大きいです。
2番目の川はMAX4台乗りで、これもフェリーとして作られた金属製でエンジン付。
田舎でも物乞いが多いです。
赤ちゃんを抱いた女性の物乞いは、首都の渋滞した交差点で何度も見ましたが、
「赤ちゃんをレンタル」
してるそうで、赤ちゃんを抱いているとお金を恵んで貰い易いからだそうです。
この女性も10代にしか見えませんが......ずっと車のそばから離れませんでした。
《4日目》
いよいよ、ツィンギ・ド・ベマラハ自然保護区の大ツィンギ登山です。
ツィンギとはマダガスカル語で「先の尖った」という意味。
剃刀のような尖った岩が一面に並ぶ特異な景観は、皆さんもテレビや写真で見たことがあると思います。
写真を見る限り、到底頂上に登れそうにないって思いますよね?
(この上空からの写真のみWikipedia)
最初にルートを作った人は、調査段階からまさに命懸けだったと思います。
垂直の崖や絶壁沿いにワイヤーを設置してくれた人、つり橋の資材を背負い、深い谷を渡す工事をしてくれた人...。
登山客にも一定以上の筋力・体力、そして度胸が求められます。
自信の無い人は、トレッキングで下から眺める「小ツィンギコース」を選択しますが、登山ガイドの手配があるので、前日までにどっちか決めなければなりません。
私は脚力には自信はあるけど、残念なことに高所恐怖症です
長い上り階段さえ、背後の「崖」を意識してしまい足がすくみます。
「ここで貧血で倒れたら背後に転落して死ぬ」という強迫観念に囚われるからです。
日本一長い大井町の上りエスカレーターを何度も利用しましたが、連れにしがみつくか、後ろを向いて乗りました。←不審者です
登山途中で挫折すれば、私1人の為にガイドがつきっきりで下山しなければならなくなる...大ツィンギを選んだ後も、間違いだったのではと悩み続けました。
麓に到着したら、まずはクライミングハーネスを付けます。
命に関わることなのでガイドが1人1人装着をチェックしてくれます。
転落死の可能性がある箇所には、岩に楔で打ち込まれたワイヤーがあって、それに腰に付けた2本のランヤードの先のフックを交互に掛けたり外したりを繰り返し(どちらか一方が常に繋がっている状態をkeepしながら)登って行きます。
万一足を踏み外しても腰のハーネスで空中にぶら下がった状態になります。
・・・こんな状態になったら、私は確実に気絶したでしょう。
⇧登山中は撮れたのはこの1枚のみ。掛けた足が外れれば数十m転落して死にます。
夫でさえもこの1枚以外登山中の写真は全く撮れませんでした
なので文章⇩で。以下のチャレンジの連続でした。
❶垂直に近い2~3mの崖を、僅かな段差に足をかけ、ロープを辿りながらよじ登る
❷胸高位の高さの岩に自力で上がる
❸絶壁沿いや深いクレバスを跨ぐ狭い縁を歩く
❹真っ暗な洞窟をランタンなどを頼りに歩く
❺低い天井の岩の下を這ったり、岩と岩の狭い間を進む
巨漢デブや体の硬い人は無理だと思います。
以下は全て、登り切った頂上付近からの撮影です。
ここが目指した最高地点。
直射日光に晒され、暑さで体力がどんどん奪われ、終始、恐怖というストレスもあり、頂上付近に辿り着いた頃には少しフラフラしました。
クライミングの間はずっと‟ロボットMeYou”に、こう命令し続けました。
「目の前の崖を登れ!お前の選択肢は他に無い!止まるな!後ろの人に迷惑だ!」
気絶しないよう、下を絶対見ず、何も考えず。
めっちゃ怖かったです...
麓の森を歩く行程も入れて約4Km・4時間半、標高差200mでした。
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ベコパカのホテルに戻り‟水の”シャワーを浴びていると、ソープで全身を泡だらけにした時点で断水になりました
先に洗濯をしてしまったので、タンクの水が無くなってしまったのでした。
夫がレセプションに行って給水を依頼してきてくれましたが......
私は泡だらけの裸で、バスルームの床にしゃがんだまま20分以上待たされました。
タンクに給水後、最初の数十秒間、虫交じりの泥水が出ました
このコテージは、部屋は天蓋蚊帳付きでマトモでしたが。
《5日目》
来た時の道でムルンダヴァへ戻ります。
田舎の村々は弥生時代のような家と生活です。
車=観光客=何か貰えるかも!
という条件反射で、車の音が聞こえた時点で子供が走り寄ってきます。
口々に「ボンボン、ボンボン(=キャンディーくれ)」と手を差し出されます。
(公用語はマダガスカル語とフランス語)
停車すれば当然取り囲まれますが、時速数十kmで走行中も、全力疾走で並走する子もいて、結構危ないです
車が止まれば大人も寄ってきます。
低速で走行中に後ろに3人位飛び乗られ、そのまま数km走行し、川の渡し場迄タクシー代わりにされたこともありました。
パンクして、牛車に抜かれました。
《6日目》
ムルンダヴァは河口にある町です。
徒歩5分ほどの船乗り場からピローグ(小舟)に乗って、河口対岸のベタニア漁村見学。
殆どの人(特に女性)は大きな荷物を頭に乗せて運びます。
小学校らしき建物の外壁にワンピースの絵が。
この川は、車で渡った中で一番広い河でした。
前回記事に書いた、ヒュンダイのエンコです。
これ以前にも既に数回、砂地などでスタックやエンコしてたので「またかよ!」という怒りの声が出てしまいます。
前回記事に少し書きましたが、私達のドライバーはいつも親切に助けてあげて、この時もロープで牽引してあげました。
川から陸にバックで戻るのですが、かなりの登りで、アクセルを結構踏み込みます。
ロープを何重かにしたので、距離が数mしかなく、衝突の危険もありました。
フランス人夫婦(こっちを向いてる2人)は川の真ん中で車を降り、膝上まで川に漬かりながら車を押しました (まあ、当然だわね )
向こうの人だかりは、こっちに川を渡ろうとしてる車と、野次馬の村人。
道幅(川幅?)が狭いので、エンコのヒュンダイが渡り切らない限り、こちらに来れません。
上の写真には誰もいないのに、瞬く間に村人が集まったのが分かります(笑)
ドライバー勢ぞろい。左から2人目はヒュンダイの人。
4番目の人は一番若そうに見えますが、リーダーのようでした。イケメンでしょ?
使わなくなったデジカメを差し上げたら、とても喜んでくれました。英語の取説付きです
今夜は悪評高いマンジャのKANTOホテル。
マンジャもKANTOも「美しい」という意味らしい。信じられん!
コンクリート造りの建屋もロッジも、どの部屋も水はちょろちょろとしか出ず、バケツに水を溜めて行水です。
洗面は配管が壊れ、水がそのまま床にたれ流し。
窓もドアも立て付けが悪くて隙間があり、
外の大音響のバーの音がうるさい。
隣の部屋の音もうるさい。
夜中に犬が吠えまくる。
《7日目》
いよいよ小舟で河を渡ります。
なぜ、3日目に乗ったような、エンジン付の数台積載できるフェリーではないのかというと、前日辺りに故障してしまったそうです。
急遽、小舟を6艘繋ぎ、その上に木の枝で作った簀の子を被せ、車1台づつ渡れる筏を作ったようです。
怖かったですが、滅多にない貴重な経験が出来ました。
動力は棹です。
重い日産4WDを載せ竿で川底を突きながら、人力のみで広い河を渡り切ります。
《YouTube:マダガスカルの手作り筏フェリー》
運転手と荷物を入れれば3t超え、乗った途端に簀の子が凹み、今にも折れそうで怖いです
右のタイヤは簀の子ギリギリで、今にも落ちそうです
アクセルを少しでも踏み込み過ぎれば、そのまま前方の川に転落です!
車高が高くて大きい4WD車のタイヤの位置を感じるのは難しいですよね。
私は数年前までハリアーに乗っていましたが、筏に載せてみろと言われても、怖くて出来ないと思います。
男3人で竿を突いて広い河の向こう岸まで運びます。
日産4WDが小さい筏に乗って、ゆらゆらと川を渡っていく様はユニークです。
雨季で川が増水すれば不可能になってしまう渡し舟ですね。
川があるエリア内で、物流が切断されることになります。
経済的損失は甚大でしょうし、乾季で渡れても、転落事故は相当あるでしょう。
橋を造らない理由は何なのでしょうか......。
対岸に着くと、材木を2本、筏と陸に渡し、その上に簀の子を載せます。
次に男たちが川に漬かりながら筏を押さえ、ドライバーにOKの指示をします。
アクセルを吹かした瞬間、簀の子の一部が壊れました。
何台も渡す内にどんどん破損していき、最後のほうに渡る車はかなり危険では...?
この小さい筏は臨時ですが、上記に書いたエンジン付きフェリーも、常に転落事故の危険があります。
実際に今まで何度も車は転落したそうです
人力で引き揚げられたのでしょうか?
牛車も筏フェリーに乗るようです。
川を渡った所でドライバー達の昼食タイムでした(上の写真の右奥)。
覗いたら、鶏のぶつ切りがどど~んと入ったスープとご飯でした。
この子がシェフのようです
ふと傍らの砂地を見ると、むしられたの羽根が......
アンダヴァドゥアカでは海辺のリゾートホテルで、コテージも敷地全体の庭も綺麗。オーシャンビューが素晴らしく、天の川もとても綺麗でした。
オーナーはフランス人で、部屋の雰囲気もリゾートっぽくておしゃれ。
レストランも素敵だし、料理もロブスターなど豪華で美味しかったです。
しかし!
ご多分に漏れず計画停電で、しかも夜中~朝にかけては水も出なくなり、トイレが流せなくなるなど、最悪だったマンジャのホテルより酷い位でした。
こんなに素敵なホテルでも、電気も水も不自由なら、誰もすすんで泊まりたくはないでしょう。
マダガスカルの酷い国政の罪深さをどうしても感じます。
白い砂丘の向こうはモザンビーク海峡。
《8日目》
イファティのホテルはベッドルームが2つ、バスルームも2つ、入り口にはリビングもあり、無駄に広くて豪華でした。
この旅行記、盛りだくさん過ぎて長くなりました。
残りの4日間はかなり省略します。
カメレオンやキツネザルは、前回記事と次回記事もご覧下さい。
《9日目》
空路で首都アンタナナリヴに戻り、女王宮などを観光。
この日の出来事は次回記事に書きます。
《10日目》
カメレオンファームの赤いカエルと、宿泊したコテージそばの旅人の木。
ToshLOVEのMさんは「食べ終わったマンゴの皮みたいなヤツは何?」と質問してきました
タビビトノキは15mにもなるマダガスカル固有種で、種はとても植物とは思えないコバルトブルーです。(興味ある方はネットで見てね)
絶滅危惧種であるクロシロエリマキキツネザル(私の前回記事に可愛いUPの写真あります!)の体毛に受粉を委ね、種子が消化されずに排出されることで繁殖を委ねています。
つまり、どちらかが絶滅すれば共倒れになる運命です
本日FC2にはこの記事をUPしました。ご一読ください。