調理道具の目利きとしても知られる松田美智子さんがフライパンに感じていた不満は、「持ち上げようとすると重い」でした。

「持ち手を斜めにしたので逆手でラクに持ち上げられます」

　高齢者の女性でもラクに扱える鉄鍋を開発したくて、鉄鍋専門メーカーのサミット工業さんにお願いして、1年半かけてつくりました。
　ふつうのフライパンと違って持ち手を斜めにして逆手で持てるようにしました。重さは740グラムありますが持ち上げると想像以上に軽く感じるはずです。具材が入った状態でも片手でひょいっと持ち上げて具材をお皿に移せます。
　　鍋底は狭く、鍋肌の背は高くした深型設計にしました。具材が自然と鍋底にあつまってくるから、たっぷりの野菜を炒めるのもラクです。鍋底が狭い分、油の量が少なくても、しっかり炒められます。
専用の木蓋もあります（別売）。

まつだ・みちこ●料理研究家。近著に『65 歳からの食事革命』（文化出版局）。