第一部
国際経済学の起源
... (政治経済学の)主題に関する最も精巧な論考には、欠けているものがある。そのどれに対しても、一過性の材料から恒久的な織物を構築しようとすること、社会の取り決めの不変性を当然視すること、その多くは本質的に変動的または進歩的なものであること、そして、あたかも普遍的かつ絶対的な真理であるかのように、ほとんど修飾を加えることなく命題を発表することである。
しかし、人間の心というものは、それをきちんと守らないと、自分自身の仮説の奴隷になってしまうという、ほとんど抗いがたい傾向がある。(このことは、文字通りの理解力が優れた理解力になりえない理由の一つであり、どんなに優れた推理力も、鈍い想像力と結びついては、最も劣悪な奴隷状態、つまり単なる偶然的な思考の習慣に服従させられることからの保護にはならない理由の一つである。 ) この問題に関しては、どの国においても、弁護士は、既存の制度を比較の基準とする習慣から、......あらゆる改革に対して宿敵となるのが常である。英国の政治経済学者の場合も、同じような結果になる危険性があると思う。
John Stuart Mill, "Miss Martineau's Summary of Political Economy" (1834)
Works (Toronto: 1963), IV, pp.225ff