金屏風に降り注ぐ「黒い雨」寄贈した遺族の思い

金屏風を寄贈した広島市西区の 増田理 さん(64)です。

増田さんは当時、国民学校の6年生だった父親が自宅に戻る途中で、全身に「黒い雨」を浴びた話を聞いてきました。

金屏風を寄贈した 増田理 さん
「父はこの辺で雨にあったいうことで。当時としては、なぜ『黒い雨』が降るのかなと、雨にぬれて帰ったということです」

そのころ、自宅の玄関に飾ってあった金屏風にも「黒い雨」が降り注ぎました。

増田理 さん
「爆風で屋根が全部飛んで、そこへ雨が降って、たまたま飾っていた金屏風に雨が降って跡がついたということですね」

金屏風は増田さんの曽祖父が購入したものでした。戦後は飾られることはありませんでしたが、代々受け継がれてきました。

「黒い雨」が降った事実を多くの人に伝えるため、自宅を建て替えたタイミングで寄贈を決めました。

増田理 さん
「『黒い雨』が降ったという証しですよね。健康被害についてもテレビで見たりすると、私も被爆2世なので、やっぱりそういうのを聞けば気にかかるので、何かのお役に立てればと」