渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

治具製作 〜野外フライパンの取手〜

2021年01月25日 | open
 
愛用していた野外フライパン延長用兼車載
レンチ延長用のステンレスジグがどこに
しまったのか見つからない。作業の時の固定
用のいわゆる治具ね。
仕方ないので、また作った。
ΦインチのSUS304のオーステナイト系
ステンレスパイプ。430より高級品だ。
クロムだけでなくニッケルも含有してい
るステンレス材で、磁石にくっつかない。
刃物用のステンレス鋼などは磁石にピタッ
とくっつく。
 
作るといっても、寸法出してカットして、
万力で力任せに先を潰すだけ。


この潰し加減は目見当なので、あとで野外
フライパン2個(どちらにも使えないと意味
ない)とバイクの車載レンチを嵌めて合わ
せる。ガバガバならばさらに潰し、きつ
過ぎるならば広げる。


長さ310。


外角と内側のバリを丸ヤスリと平ヤスリ
落として、白皮を軽くペーパーがけし、
中性洗剤で綺麗に洗って拭いておしまい。
製作時間、全工程15分位。
ただパイプを潰しただけなので簡単。
 
こんな感じで焚火で使う。
この延長取手がないと防火グローブを
はめていても柄が熱い。
これは前回のジグ。


あら。今回のは呑み込みがこれより短い
か。
まあ、フライパンに合わせてみてから
現合(げんごう)で潰し直すとする。
かなりの力技だけど(笑)。
前回のこれは、まるでノギスで測ったか
のようにピッタリだった。
 
どうも何か気に入らないので、一から
作り直した。
304ステンパイプの端材を利用。
長さは225ミリ。
レンチ延長用にはやや短いが、フライパン
取手としては丁度良い。






工業端材であるので、ケミカルで油をよく
落とし、中性洗剤と金タワシで磨き洗いを
した。


持つ部分はリーマーで内側もさらった。


こちらは内側はざっと。外周は手ヤスリ。


今回、最大のキモの潰しは慎重にやった。




フライパンにはめるとこんな感じ。
画像ではかなり長く見えるが掌サイズ強
というあたり。かなり短いけど、なん
だか
雰囲気良さげ。
このフライパンは安いフッソコートの全鉄
製のフライパンで、10年近く使っている。
コーティングが剥がれかけたので、全て
金タワシで時間をかけて丹念に擦り落と
して、ピカの鉄地を出してから油
焼きを
して真っ黒仕上げに加工した。
今世紀に入ってから購入した物だが、使い
勝手も一番良く、鋳物の物より愛着があ
るともいえる。鋳物も熱保持が良くてとて
もいいのだけどね。ちと重い。
鋳物フライパンは2器あったが、そのうち
の一つはゲーム・アウトドア・バイク
仲間
の先輩にあげて、今使ってもらっ
てる。
 
手操作しないと分からないので、いろん
な保持の仕方をやってみる。
これ、店でナイフを買う時もそう。
手に取って手の中でいろいろやってみて
から決める。
売り物だからとか言って触らせない店で
は買わないし付き合わない。
ときどーき、そういう店はあるが、都内
有名どこ、地方でもちゃんとした刃物店
ではそういうことは一切無い。
私がよく買ったのはマルゴーとマルキン
が多かった。次に渋谷のエッヂさん。
マルゴーとエッヂが閉店したのはとても
残念だ。
アメ横のマルゴーなんて、アウトドア好
き、トイガン好きな人たちの聖地だった。
私はマルゴーには小学生の頃から通い詰め
だった。マルゴーでピースメーカーを1アク
ションで4発撃発させる方法をHさんと
いう少年ジャンプのグラビアでSAAアク
ションを披露していた方に習った。
今、Hさんはファーストドロウ界に復活し
て、マギー司郎さんみたいな風貌で楽しん
で活躍してる。1972年にはマルゴーにい
て、その後渋谷YMCの店長となり、1985
年に目黒コクサイの店長の時に私は再開し
た。懐かしんで、コクサイスーパーウエポ
ンのXM177を買った時に「ฅ(๑⊙д⊙๑)ฅ!!
ウッソ!」みたいにオマケしてくれた。
大量のBB弾やガス缶やゴーグルやグローブ
や・・・。「えーい。これもつけちゃえ」
とか言いながら他にもいろいろくれた。
客は私だけの時で、ずっと店内でSAA話
で盛り上がった。
まだ、UZIのカズヤにブクロのWという店
の正社員の店員にならないかと誘われる
前の頃だ。
 
お。いいかもよ、これは。


かなり「手持ち」が良い。
手持ちとは日本刀の真剣刀法をやる人
たちの業界用語で、「手さばきが良い」
とも言う。
単に軽い事ではなく、バランスと重みが
適正化された得物の状態の事を指す。


慎重に潰しと広げの加工をしたので、今回
は誂え品のようにピッタリだ。良い塩梅。
ユルユルでパイプの中でフライパンがカタ
ついても駄目だし、逆にキツすぎても駄目
なのよね。ピタリと吸い付くような感じ
のフィット状態にしないと。点ではなく、
面全体でフライパンの柄を保持するよう
な。
前回、前々回より短いし、アリスパックの
バックポケットにも楽に納まる。
こりゃあいいや。
第三発目でベスト物誕生。めでたし。



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