【私の失敗(2)】小早川毅彦、全国のスポーツ紙1面飾った「赤痢感染」

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 そんなことをいわれても、私には心当たりがない。食べ物の好き嫌いはなく、肉でも、魚でも、野菜でも、何でも食べていた。ただ、沖縄入りしてから、生ものを食べていないことだけは確かだった。

 そこで、感染源は広島市内で食べた生もの、と特定される。宿泊していた具志川市内のホテルが消毒されたことはもちろん、広島市内の球団寮や、私の記憶にあった飲食店などの立ち回り先も、すべて消毒されたと聞いた。

 キャンプインしてからも私は隔離病棟に閉じ込められたままで、2月中旬、キャンプ地が沖縄から宮崎・日南へ移動するときに、ようやく退院を許された。当然、調整が遅れたことはいうまでもない。

 それでも、シーズンに重大な影響を受けることはなかった。チームメートも笑い話で済ませてくれた。心配してくださった球界OBからは「下痢といったら、昔はみんな赤痢や」と励ましになるのかどうか、微妙な言葉をいただいた。

 ただ、赤痢は格好の時事ネタになった。特に当時の本拠地・広島市民球場で打てない試合が続くと、スタンドから「小早川、なにしとんのじゃい!! おどれ(あなた)は、まだ下痢ピーか!! しまいには隔離するどお!!」という、素晴らしく汚いやじを浴びた。笑ってはいけないが、思わずベンチ裏で笑ってしまったほどだ。最後にご同輩、生ものを食す際には、くれぐれもご注意ください-。

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