生きながら生まれ変わる。
離婚を二回経験した女性R様から「一緒に傷心旅行に行きませんか?」と声をかけて貰った。私の正しい使い方である。最初の旦那は俺の女感を出せ的なパワハラをするし、次の旦那とは裁判沙汰になるし、もう嫌だ。なにより、自分を信じられなくなることが辛い。時折、男の人に甘えたくなることがある。だけど、弱みを見せるとすぐに色恋沙汰になって面倒臭くなる。坂爪さんとなら、色恋じゃなくて人としていられそうだ。R様は、そのようなことを話した。
R様は続けた。一人旅は何回も経験した。だけど、最近は誰かと喜びを分かち合いたい的な気持ちがある。一人じゃやれないことも、誰かと一緒ならやれる。一人じゃ行けない場所にも、誰かと一緒なら行ける。これまで、旅行をする時は宿泊先も事前に決めていたし、ある程度のスケジュールを立てていた。だけど、今回は行き当たりばったりの旅をしたくて、最悪レンタカーの中で寝ればいいかなと思っている。だけど、そんなことはやったことがないから、一人はやっぱり怖い。だから、一緒に行ってくれたら嬉しい。R様は、そのようなことを話した。
航空券代は出します。期間は一週間。行き先は北海道です。私の正しい使い方である。私は、このために生まれてきたと言っても過言ではない。これをご覧の読者のみなさま。こんな感じで、どんどん私を使って欲しい。旅路の途中でモメるかもしれないが、黒歴史こそが人生だ。一緒に黒歴史を作ろう。私は、一つだけR様にお願いをした。それは、徹底的に、R様にはわがままでいて欲しいということだ。わがままは悪徳ではない。美徳であり、親切だと思う。傍若無人に振る舞ってもらえた方が楽しいし、はっきり言ってもらえた方が助かる。私が邪魔になった時は、途中で捨ててもらって構わない。過去に、クロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園で捨てられたことがある。あの時は「どうしようかな!」と困ったが、どうにかなった。
困った時は自分だけ助かろうとしてください。人を見捨てることは悪徳ではありません。それが女の生命力です。男は安っぽいヒロイズムが好きなので、女のために死ねるならよしです。女は男のために死んではなりません。男を死なせてなんぼです。男に尽くすと、男は調子に乗ります。徹頭徹尾、わがままでいてください。犠牲者が出るほど、傍若無人に振る舞ってください。女の傍若無人が、男を磨くのです。使えるだけ使って、吸えるだけ吸って、男を踏みにじるだけ踏みにじって、用済みになったらポアしてください。私はそれで構いません。無論、私も楽しみます。楽しみながら強くなります。
私は半年に一回体調を崩し寝込む。半年に一度強制リセットがかかるのだが、生きながら生まれ変わる。メキシコのある民族は、三年に一度古い家財道具を全部燃やし、金目のものも全部燃やし、強制リセットをする。三日断食して、三日踊り狂い、翌日から新しい人生を生きる。「持ち越す」ことが許されないから、期日が来るまでに使い果たし、からっぽになって生まれ変わる。私は、この儀式を素敵だなと思う。思うだけではなく、図らずとも、体現している。半年に一回死ぬと思えば、死ぬ前にやりたいことを思い切りよくやれる。死んだ時は、寿命。まだ生きていたらラッキー。その時は、また新しいことをやればいい。私は最近体調不良から復活した。金はないが、時間と、陽気なサングラスがある。おまんまを食べるために、誰か、私の陽気なサングラスを買ってください。あるいは、黒歴史のお供に私を誘ってください。一人じゃやれないことをやろう。一人じゃ行けない場所に行こう。生きながら生まれ変わろう。
バッチ来い人類!うおおおおお〜!
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