警察の組織・階級について
国の警察機関について
内閣総理大臣の所轄の下に国家公安委員会があり、国家公安委員会の管理の下に警察庁が設けられています。さらに警察庁は広域組織犯罪に対処するため、都道府県警察を指揮・監督しています。
参考:警察庁Webサイト 「警察のしくみ」より
https://www.npa.go.jp/about/overview/sikumi.html
警察官の階級
警察庁長官を除く警察官の階級は、警察法第六十二条により9階級に区分されています。大阪府警に勤める平次や和葉のお父さんは、実はとても偉い人。また、キャリア組の白鳥警部は階級的には目暮警部と同じなんです。キャリア採用で入庁するといきなり警部補からスタートできるため、昇進が約束されたエリートコースを歩めるのですが、長野県警の諸伏はキャリアで入庁できる実力を持ちながらあえてノンキャリアで県警本部入りをした変わり者です。ちなみに警察庁に勤務する者は国家公務員で、各都道府県警察に勤務する者のうち警視正以上の階級は国家公務員、警視以下の階級は地方公務員になります。
※各階級の桜代紋マークは区分をわかりやすくするためにebookjapanが独自で入れているものです。
実際の階級表現とは異なりますのでご注意ください。
『名探偵コナン』に登場する警察官たちを総まとめ!
※故人
- 警察庁警備局警備企画課降谷 零(29)役職:不明バーボンというコードネームを与えられ、黒ずくめの組織に潜入捜査をしている。普段は私立探偵・安室透として振る舞っており、目暮ら警視庁の刑事たちのほとんどは彼が警察官であることを知らない。あらゆる能力に長けている。
- 警視庁刑事部捜査一課松本 清長(54)役職:警視正デスクワーク専門の元管理官で目暮警部の上司にあたる。現在は警視正へ昇格。顔の大きな傷は20年前の事件の殺人犯につけられた刀傷。殺人犯を一人で追い詰め、刀を奪い逆に背中を切りつけるなど、現場でも活躍していたようだ。
- 警視庁刑事部捜査一課黒田 兵衛(50)役職:警視大きな事故に遭い10年近く意識不明だったため、この年齢で長野県警捜に出向していたが、後に警視庁捜査一課の管理官に就任。事故のケガで顔に火傷の痕があり右目は義眼。判断が早く部下への指示が的確で、10年というブランクを感じさせない。直接降谷と連絡を取っているようだ。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係森村役職:警視(生前は警部補)松本警視正の元同僚で、目暮警部に刑事のイロハを教えた人物。20年前、松本警視正の顔に傷を負わせた殺人犯を追っていた際に被疑者の車に跳ねられ殉職。殉職後、2階級特進し、警視に昇格した。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係目暮 十三役職:警部毛利小五郎の刑事時代の上司であり、捜査三係を統率している警部。犯人や部下を厳しく叱ることが多く「鬼警部」と呼ばれているが、責任感が強く頼れる存在。捜査二課の中森警部とは同期。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係白鳥 任三郎役職:警部国家公務員I種試験合格を経て警察庁に入庁したキャリア組なので、原作初登場で警部補から警部へ昇格している。幼少期は法律家を目指していたので刑法に詳しく、真面目な性格なのもありデータを元にした捜査を得意としている。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係佐藤 美和子役職:警部補男性にも劣らない威勢の良い性格の女刑事。勘の鋭さ、推理力に長けているだけでなく、射撃・体術・ドライブテクニックも一流で捜査一課に無くてはならない存在。また捜査一課のアイドル的存在で、男性ファンが数多く存在する。現在は高木刑事と庁内恋愛中。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係高木 渉役職:巡査部長目暮警部の部下で佐藤刑事の後輩。少し抜けているところがあり、よく人質になったり大ケガをしたり犯人を逃がしたりしているので目暮警部に怒鳴られることが多い。だが正義感と情熱の体当たりで犯人確保に貢献している。過去に先輩刑事の伊達航とコンビを組んでおり、彼の遺品の手帳を大事に持っている。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係千葉 和伸役職:巡査部長目暮警部の部下で高木刑事の後輩。あまり目立った活躍は無いものの、正義感や責任感に溢れる忠実な部下・後輩。ダイエットに成功した際には婦警にモテモテだったが、すぐ元の体型に戻った。交通課の苗子とラブの予感…?
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係伊達 航役職:不明高木刑事の元教育係で下の名前が同じことから自分たちのことを「ワタルブラザーズ」と名付けていた。面倒見がよく優秀でタフな刑事だったが、1年前に交通事故に巻き込まれて死亡。高木が使っている黒い手帳は伊達の遺品。
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係松田 陣平役職:不明警備部機動隊の爆弾処理班から異動してきた変わり種。教育係の佐藤刑事の言うこともあまり聞かず周りが手を焼いていたが、かつての親友・萩原を殺した爆弾犯を捕まえる好機をずっと待ち続けていた。手先が器用で爆弾処理の腕も確かだが、同じ爆弾犯の仕掛けた爆弾により3年前の11月7日に死亡。
- 警視庁刑事部捜査一課火災犯捜査係弓長役職:警部火災事件を扱う捜査係に所属。小五郎が火災犯にいたころの上司で、「一課の火事オヤジ」と呼ばれている。小五郎とは火災現場に乗り込み遺留品を踏み荒らして消防に何度も叱られていた。
- 警視庁刑事部捜査二課茶木 神太郎(49)役職:警視単独行動をする中森警部に手を焼いている。小五郎のとんちんかんな推理を真に受けてしまったり、警察の面子を気にしすぎて警備が薄くなってしまうことも。ちなみに、盗難事件の担当は捜査三課だが怪盗キッドのような大泥棒は捜査二課扱いになる。
- 警視庁刑事部捜査二課知能犯捜査係中森 銀三(41)役職:警部茶木警視の部下。キッド(黒羽快斗)の幼馴染・中森青子の父親。初代怪盗キッド登場の18年前からキッドを追っている、キッド専任の敏腕刑事。目暮警部とは同期で、「目暮のタヌキ」と呼んでいる。
- 警視庁交通部交通執行課宮本 由美役職:警部補佐藤刑事とは親友で、彼女の良き理解者。よく警視庁内で合コンの幹事を務めており、その人脈を駆使して犯人逮捕に協力したこともある。
- 警視庁交通部交通執行課三池 苗子役職:巡査部長所轄の杯戸署から由美のいる交通執行課に異動してきた。由美と2人で仕事をすることが多く、ミニパトの運転を行っている。今後千葉刑事と発展アリ…?
- 警視庁公安部風見 裕也(30)役職:警部補本作の警察官の中で降谷(=安室)が公安警察であることを知る数少ない人物。降谷の右腕として彼を補佐する。公安の強権を利用して強引な捜査を行ったり、刑事部に高圧的な態度を取る一面も。
- 警視庁公安部スコッチ役職:不明降谷と同じく黒ずくめの組織に潜入していたが、組織にスパイであることがバレてしまい、仲間と家族を守るために拳銃で自決。降谷とは幼馴染。世良真純にベースを教えたことがある。ある人物に顔立ちが似ているようだが…。
- 警視庁警備部機動隊萩原 研二役職:不明松田と同じ爆弾処理班に所属していた。7年前の11月7日、二か所に仕掛けられた爆弾を松田とそれぞれ解体していたところ、解体が間に合わず殉職。
- 都道府県警察大阪府警察服部 平蔵役職:警視監大阪府警本部長であり、平次の父親。原作に登場する警察官の中ではトップの地位。関西弁で平次や犯人に激怒する姿や、静かに語る姿は威厳があり、犯罪者にも恐れられている。遠山 銀司郎とは親友。
- 都道府県警察大阪府警察遠山 銀司郎役職:警視長大阪府警刑事部長で、和葉の父親。服部 平蔵の頼れる部下だが、親友でもあるため職務中でも平蔵のことは名前呼びをしている。大滝警部には「遠山のおやっさん」と呼ばれ慕われている。
- 都道府県警察大阪府警察大滝 悟郎役職:警部大阪府警捜査一課強行犯捜査係の警部で、遠山刑事部長の部下。上司の息子・娘にあたる平次や和葉とも親しく、平次の無茶によくつき合わされながらも事件解決をしている。
- 都道府県警察長野県警察大和 敢助(35)役職:警部ある事件を追ってる最中に雪崩に遭い左目と左足を負傷。口や言動は荒っぽいが非常に頭が切れ、正義感のある敏腕刑事。諸伏刑事と上原刑事は幼馴染だが、諸伏とは犬猿の仲。
- 都道府県警察長野県警察諸伏 高明(35)役職:警部ある事件の責任を負って所轄の新野署に勤務していたが、後に県警本部に復帰。知識が豊富で大和刑事と同等かそれ以上の頭脳の持ち主。東都大学法学部をトップで卒業するもノンキャリアで県警本部に入庁。弟も警察官らしい。
- 都道府県警察長野県警察上原 由衣(29)役職:不明名家に嫁いで刑事を引退するも、夫を亡くし刑事に復帰。大和刑事は上司であり幼馴染。県警本部では彼女のいれるコーヒーがまずいことで有名。
- 都道府県警察群馬県警察山村 ミサオ役職:警部新一の母・有希子の女優時代の大ファンで、彼女の刑事ドラマの影響で刑事に。ドジで怖がりでお門違いな推理をするヘッポコ刑事。小五郎を慕っており、自称「名コンビ」と謳っている。巡査部長から警部に昇格した理由は不明。
- 都道府県警察静岡県警察横溝 参悟役職:警部初登場時は埼玉県警に勤務していたが後に静岡県警に配属。温厚な性格で刑事としての腕は確かだが、少し早とちりしてしまうことも。名探偵・毛利小五郎を尊敬して自分は一番弟子だと自負している。妖怪や幽霊が苦手でカナヅチ。
- 都道府県警察神奈川県警察横溝 重悟役職:警部横溝参悟の双子の弟。兄とは正反対の性格で、疑り深く口調も荒っぽいが正義感は強い。倹約家で飲み会も割り勘だが部下には慕われている。
- 都道府県警察京都府警察綾小路 文麿(28)役職:警部公家出身で、あだ名は「おじゃる警部」。白鳥とはキャリア組の同期でライバル関係。頭が切れるのでコナンも信用しているが、いつもシマリスを連れている変わった人物。
コラム
column.1 公安警察とは?
コナンは安室(降谷)が「ゼロ」という単語に反応していたことに対して、「『ゼロ』っていうのは『存在しない組織であれ』と名付けられたコードネーム 日本の安全と秩序を維持するために存在する公安警察の俗称」だと言っていました(84巻)。降谷や風見が所属している「公安警察」とは、実際にどのような組織なのでしょうか?
一般的に、「公安警察」とは警察庁と警視庁および各都道府県警察の公安部門の総称です。その仕事内容を大まかに言えば「日本を脅かす組織の取り締まり」。国を脅かす犯罪を取り締まる公安と、殺人・窃盗・詐欺など個人に対する犯罪を取り締まる刑事は警察の二枚看板とも言えます。ですが、秘密主義がはびこる公安警察は、仲間であるはずの刑事たちにも情報を与えないことがあるため刑事たちから不評を買うこともしばしば。
そして、作中で降谷が所属する警察庁警備局警備企画課には、実際に「ゼロ」という係が存在しているようです。かつては「サクラ」「四係」「チヨダ」などと呼ばれていたようですが、現在も正式な名称は不明です。「ゼロ」は全国で行われる協力者運営の管理や警視庁公安部・各都道府県警察本部警備部に存在する直轄部隊への指示と教育を行っています。作中の降谷と風見の関係はまさにこれですね。さらに「ゼロ」を統括しているウラ理事官という存在もいるとか…。いずれにしても、いくつものベールに包まれた秘密組織に降谷は所属しているんですね。
参考文献:大島真生・著『公安は誰をマークしているか(新潮新書)』(新潮社)
column.2 あの人たちの意外な関係!?
降谷、スコッチ、伊達、松田、萩原の5人は、警察学校時代の同期であることが判明しています。 降谷とスコッチは同時期に黒ずくめの組織に潜入していたので、当然つながりがあります。伊達と高木刑事の会話で、警察学校での成績は降谷が常にトップで伊達は2番だったらしいことが分かっているため(77巻)、この2人が警察学校で同期だったことはすでに分かっていました。また、松田と萩原は同じ警備部機動隊の爆弾処理班に所属しており親友だったことが作中で描かれており(36巻)、劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢」では降谷が松田から爆弾処理技術を教わったという発言がありました。
つまりこの5人は全員なんらかのつながりがあり、かつ警察学校で同期だったのではないかと予想できるのですが、最近になって青山先生の発言や回想シーンで描かれたことで、実際に同期だったことが明らかになりました。 降谷以外の4人はすでに亡くなっているため、今後も回想シーンなどでのみの登場かとは思いますが、警察学校時代に彼らがどんな日々を過ごしていたのか…気になる読者も多いのではないでしょうか。
©青山剛昌/小学館