神奈川県警察の公式Xアカウントが投稿した1枚のイラストが、ネットユーザーに多大なる衝撃を与えている。
イラストの詳細について神奈川県警の担当者に話を聞いたところ、驚きの事実が明らかになった。
■神奈川の警察、どうした?
ことの発端は2日、「神奈川県警察本部交通部交通総務課」のX公式アカウントが投稿した1件のポスト。
その文面は「自動車を運転するときはしっかりシートベルトを着用し、正しい姿勢で乗車しましょう。また運転に適した靴を着用し、正しくペダル操作しましょう」と、交通安全の大切さを説く、非常に真面目な内容である。
なお、同ポストには「悪い例」として浅黒い肌の男性がシートに腰掛け、片手でハンドルを操作するイラストが添えられており、こちらがネット上で大きな話題となっているのだ。
■「まずいですよ!」とネット民驚愕
神奈川県警イラスト
多くのネットユーザーに「我々はこの男性を知っている! いや! この深く腰掛けた姿勢と、この服装を知っている!」と思わせたこちらのイラスト。大人の事情であまり多くは語れないのだが、ネット上で「野獣先輩」の愛称で親しまれている男性と瓜二つなのである。
角度も含めて「完全に一致」なイラストを天下の神奈川県警が投稿したという事実はXユーザーに多大なる衝撃を与え、なんと件のポストは投稿から数日足らずで6万件近くものリポストを記録。
その直前の投稿のリポスト数は35件(9月11日17時時点)なので、如何に異常事態であるかが窺えるだろう。
こちらの神奈川県警のポストに対し、Xユーザーからは「たまげたなぁ」「野獣先輩、神奈川県警説」「素晴らしい作品をありがとナス!」「まずいですよ!」「24歳、ドライバーです」など、意味深なリプライが多数寄せられている。
こちらのイラストに描かれた人物は、やはり野獣先輩その人なのだろうか。そこで今回は全てのネットユーザーの疑問を解消すべく、神奈川県警に取材を打診することに。
すると、同イラストのモデルに関する「衝撃の事実」が明らかになったのだ…。
■街で目撃した人物に衝撃走る…
今回の取材に応じてくれたのは、同ポストを投稿した神奈川県警の交通総務課。
話題のポストの詳細について、同課の担当者は「当課のX投稿は、交通安全情報に関する発信となります」「今回ご指摘のポストにつきましては、正しい乗車姿勢について呼びかけるものとなります」と説明する。
なお、イラストを担当したのも同課員だという。
イラストのモデルの有無については「同課員が街で見かけた、乗車姿勢の悪い運転手を元に、自身で作成したものとなります」という回答が得られた。
神奈川県警イラスト
つまり今回のイラストは神奈川県警が「ネット上を漁って発見したものをトレースした」ような陳腐なものではなく、街でたまたま見かけた野獣先輩に酷似した人物(もしくは本人)をモデルに描いたものと判明したのだ。
ちなみに同アカウントの投稿には都度、上長の承認が必要となっているため、今回のポストも担当者の上長が確認し、「問題なし」と判断されたワケである。これもうわかんねぇな。
なお、このような「バズり」に繋がった投稿が過去にあったかを尋ねると「(今回のように)本来の目的に沿わないような反響のあった投稿はありません」との回答が得られており、ネット上で祭りが起こっていることは神奈川県警も認知している様子。
■ついに議員まで反応
今回のポストは各界にも衝撃を与えており、神奈川県議会議員・小林たけし氏も自身のアカウントより「警察からすると完全なもらい事故だと思いますが、正しい姿勢での乗車を啓発する目的は想定以上に達成されたと思います」と発信している。
前出のように、神奈川県警の交通総務課アカウントでは交通安全に関する情報を多数発信しているので、安全運転を心がけるためにも小まめに確認して、どうぞ。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)