第6話 帰郷
「やっぱり首都は違うなぁ~」
リンカン王国の首都ボウシカにたどり着いたティノは町の活気溢れる姿に思わず呟いた。
王城があり、そのまわりに貴族街があり、そのまわりに市民街がある。
「やっぱり首都は違うなぁ~」
最初に本屋に来たティノは先程と同じ言葉を呟いた。
今まで寄ってきた町とは異なり、本の種類が沢山あった為である。
しかも、種類だけでなく例えば、魔法の本ならば初級のものから上級のものまで、しっかりと網羅されている。
「う~ん、でもやっぱり値段がねぇ~」
そう、ティノは現在新しい魔法の指輪を買うために、資金を貯めているので、買える本がない状況である。
何故新しい魔法の指輪を買わなければいけないのかと言うと、魔法の指輪は確かに沢山の荷物を収納できるのだが、その収納量には限界があり、ティノが以前買った指輪は6畳1間位の収納量であり、今まで買った本が大量に入っているためもうすぐ限界である。
ちなみに、魔法の指輪には大抵小さな魔石が付いていて、その魔石が青→黄→赤と変化する事で収納限界が分かるようになっている。
ティノは人族でも元々の能力は低く、レベルも普通の人より上がりにくい特徴があるのだが、のんびりコツコツレベルを上げて来た為、一番安い魔法の指輪をギリギリ買えるだけの資金はある。
「仕方ないまた今度にしよう」
独り言を呟いてティノは本屋を後にして、宿を探しに行った。
首都での生活を10年間楽しみ、それからティノは10年ごとに町を移り住む生活を行い、リンカン王国の全部の町を渡っていった。
ティノ自身、どれ程の年数が掛かったか忘れたが、久々に旅の始まりの村、トウダイ村に帰ってみることにした。
「懐かしいな。村は今どうなっているかな?」
特に特徴がある村ではないが、久々の故郷にティノは多少胸が踊った。
「父ちゃん! まだ着かないの?」
「もう少しで父ちゃんの故郷だよ」
そう言ってティノは、息子を連れて故郷へ続く街道を歩いていった。
――ステータス――
〈名前〉ティノ
〈種族〉人族
〈性別〉男
〈能力〉Lv 107
HP 283/283
MP 405/405
攻撃力 118
守備力 109
力 87
素早さ 91
賢さ 227
耐久 82
〈スキル〉
農業 (Lv 4/10)
火魔法 (Lv 5/10)
水魔法 (Lv 6/10)
風魔法 (Lv 3/10)
土魔法 (Lv 3/10)
雷魔法 (Lv 2/10)
闇魔法 (Lv 2/10)
光魔法 (Lv 2/10)
無詠唱 (Lv 7/10)
剣術 (Lv 4/10)
武術 (Lv 3/10)
〈特殊スキル〉 不老
〈称号〉 浮浪者