第3話 レベルアップ
ティノは、ナイホソ町にたどり着いた。
途中もう1匹スライムが現れて倒した為、合計2個の魔石を手に入れた。
門番に身分証を見せて町に入ったティノは、その足で冒険者ギルドへ向かった。
冒険者ギルドの建物に入ったティノは、そのまま1角にある素材受取所に向かった。
「すいません、ギルドに登録してないんですけど、この魔石買って貰えますか?」
「あいよ! 登録してないと安くなるけどいいかい?」
「はい!」
受取所に現れたのはスキンヘッドの筋骨隆々のおっちゃんだった。
買い取りはギルドに登録していないと安くなってしまう。
何故なら、登録した方が儲けるようにし、少しでも冒険者を増やしたいからである。
ギルドの事は学校の初等部でも教わっているため特に不満はなかった。
「んー、ちょっと小さいからな600リラだな。はいよ、確かめてくんな!」
この世界の通貨はリラで統一されており、
小鉄貨 5 リラ
鉄貨 10 リラ
小銅貨 50 リラ
銅貨 100 リラ
小銀貨 500 リラ
銀貨 1000 リラ
小金貨 5000 リラ
金貨 10000 リラ
小白金貨 50000 リラ
白金貨 100000 リラ
このようになっている。
「ありがとうございました」
「おう! また来てくんな」
こうして少し懐が温かくなったティノはギルドをあとにした。
ナイホソの町に来て1週間経った。
ティノは飲食店や建築の仕事など日雇いの仕事で資金を稼いでは空いている安宿に泊まる生活をしていた。
こう言った事は登録したての冒険者がやる仕事なのだが、ティノは登録していない為、直接交渉して仕事を得ていた。
ティノがギルドに登録しない理由として、ステータス情報を提示しなければならない為である。
不老のスキルを知られる訳にはいかないティノは、ギルドに登録しないで資金を稼ぐしか無いのである。
「んー、魔法の指輪にはまだちょっと足りないかな?」
今ティノがほしいのは、魔法の指輪と呼ばれる魔道具である。
魔法の指輪は所持者の意思で、色々なアイテムを大量に収納出来る指輪で、高額だがその性質上人気は高い。
ティノは本を沢山買って読みたいのだか、買った本を収納する為に指輪を手に入れたいと思っている。
しかし、村にいたときから貯めていたお金を合わせてもまだ少し足りない。
「スライムでも狩りに行くかな?」
ティノは魔物を倒して稼ぐのは危険も伴う為、あまりやりたくは無いが、あと少しで最安値の魔法の指輪が買えるので仕方ないと思いつつ、町の外に向かって行った。
「あっ!」
町からちょっと離れた場所で運良くスライムが現れ、倒して魔石を手に入れ2匹倒した所で町に帰って魔石を売り、今日の宿代を残し全額つぎ込んで1番安い魔法の指輪を手に入れた。
ついでに言えばレベルが1つ上がった。
――ステータス――
〈名前〉ティノ
〈種族〉人族
〈性別〉男
〈能力〉Lv 2
HP 13/13
MP 6/6
攻撃力 7
守備力 5
力 7
素早さ 4
賢さ 8
耐久 5
〈スキル〉 農業(Lv 3/10)
〈特殊スキル〉 不老
〈称号〉 村人