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「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 7th season

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 続く天変地異が自身の不徳(出家した中宮に入り浸る)によると安倍晴明(ユースケ)から伝えられた一条天皇(塩野瑛久)は、譲位して中宮・定子(高畑充希)と静かに暮らしたいと願うようになりました。藤原道長(柄本佑)と通じている蔵人頭・藤原行成(渡辺大知)は次のように帝を説得しました。皇子が生まれないまま譲位したら次の帝は居貞親王(後の三条帝:木村達成)となり、円融院(坂東巳之助)から続く皇統が絶えてしまい、それは女院様(円融帝の妻で一条帝の母・詮子:吉田羊)も望まないと。

 ここで当時あった2つの皇統を理解する必要があります。村上天皇と中宮・安子との3番目の皇子だった守平親王(後の円融帝)には同母兄の憲平親王(第2子・後の冷泉帝)が居ました。村上帝の崩御に伴い即位した冷泉帝は病弱だったため、第4子の為平親王を推していた源高明が政争に敗れて大宰府へ左遷される(安和の変)と、冷泉帝は藤原家が推していた守平親王に譲位しました。即位した円融帝は冷泉帝の皇子が成人するまでの中継ぎと思われましたが、それでも多くの藤原一族が娘を入内させました。詮子(吉田羊)を入内させた藤原兼家(段田安則)と円融帝は仲が悪く、詮子が懐仁親王(後の一条帝:柊木陽太)を産んだにも拘らず円融帝は藤原頼忠(橋爪淳)の娘・遵子(中村静香)を皇后に立てました。しかし遵子との間に子が出来なかったため、兼家の孫よりマシとばかりに円融帝は冷泉帝の皇子・師貞親王(後の花山帝:本郷奏多)に譲位し、以後は円融→花山(冷)→一条(円)→三条(冷)→後一条(円)→…と両皇統が交互に継ぐことになりました。兼家と道兼(玉置玲央)が花山帝を騙して退位させた(寛和の変)り、道長が眼病を理由に三条帝を退位させたり、皇位継承は摂関政治が続く限り政争の具にされ続けました。さらに皇位を交互に回す悪習は鎌倉期の大覚寺統VS持明院統や南北朝対立にも少なからず影響を与えたはずです。つまり冷泉→円融という傍系継承こそが諸悪の根源だった可能性があるのです。

 さて、令和の今も今上陛下から秋篠宮殿下に傍系継承させたがる連中が居ます。男系男子限定という明治期のルールに拘る連中が政争の具にしている(男子の居る傍系に皇統を移したい)からです。それを補完する案が北朝3代・崇光天皇の御子から続く臣下の血統に皇統を移すという愚論です。直系の愛子様を差し置いて皇統を大傍系に移す「令和の変」など許せましょうや?    

文責:京都のS

3 件のコメント

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2024年7月18日

     SSKA様、※ありがとうございます。彼奴らの守りたいものは自身の小っちゃいプライドと男系派内お仲間主義(世間主義とも言う)です。叩き潰したいですね。

    SSKA

    2024年7月13日

    現制度の継承順位では今上陛下と年齢が近い秋篠宮様はどう考えても生前退位でも終身在位でも短期間で終了する「中継ぎ」となられる事、それにより天皇の一生や在位期間と時代を考える一世一元の意義が大きく損なわれ、国家との関連性が乏しくなり国民から慕われず時代との関連性も薄い天皇は信頼や支持を得られず衰退していくのみですが、男系派は他人事の様に必死に目を瞑り続けています。
    過去の混乱を避ける為に直系傍系を厳格にする近代以降の現制度がある(但し男系は余計)のと前近代と異なり国民の意思が強い時代だからこそ血筋だけで生き残れない難しさを当事者の方々は身をもって知る中で関係を壊さぬ様に常に注意を払われているのに、全く意に介さぬ無神経な物言いにより時代性を無視した考えを押し付け、築き上げたものを破壊するのでは保守とは呼べません。

    京都のS

    2024年7月13日

     掲載ありがとうございました。「光る君へ」や『源氏物語』を題材にしたものは以下です。

    ・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 1st season」( https://aiko-sama.com/archives/35405
    ・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37751
    ・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 3rd season」( https://aiko-sama.com/archives/38829
    ・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 4th season」( https://aiko-sama.com/archives/40097
    ・「「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 5th season」( https://aiko-sama.com/archives/41148
    ・「「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 6th season」( https://aiko-sama.com/archives/41253
    ・「男の嫉妬が英雄を冷遇するなら、トップは女子で良くないか?」( https://aiko-sama.com/archives/35425
    ・「男系固執の鬼どもを退治てくれよう」( https://aiko-sama.com/archives/39215
    ・「革命的皇位簒奪への対策を『源氏物語』から学ぶ」( https://aiko-sama.com/archives/36977
    ・「儒教的男尊女卑に利用されてきた血穢概念を葬れ!」( https://aiko-sama.com/archives/37641
    ・「尊皇心0な輩は永遠に呪われろ!」( https://aiko-sama.com/archives/38188

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