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こんにちは、ぽにこです。
公立学校で集められる教材費や修学旅行などの学校で行われる集金(校納金)のお知らせは、「学校名+学校長名」で来てますか?
集金の内容によっては、校長名が担当者であったり、事務職員であったり、その連名ということもあるかもしれません。
子の学校は「学校名+校長名」でお知らせが来ます。
市内の小中学校、すべてそうです。
校長は学校の責任者であり、学校を代表する人なんだから、そんなもんだと思っていました。
そして、公的機関である学校で行われる集金は、その学校からお知らせが来て、公的な機関(学校)へ支払っているんだから、「払わなきゃいけないモノ」という感じの認識でした。
しかしですね、
どうも、何かが違うんですよ。
今日はいつもよりちょっと詳しく深掘ります。
- 地方公共団体の長の所掌事務と権限の範囲
- 教育委員会の三大ナイ権限
- 教育に係る財務事務が地方公共団体の長にある理由
- 校長の権限はどこから来るのか?
- ところが学校が行う集金は、地方自治体の対象外
- 地方自治法に反していても集金は有効になる可能性
- おわりに
地方公共団体の長の所掌事務と権限の範囲
地方公共団体は、地方自治法第2条により「法人格を有する」とされます。
第二条 地方公共団体は、法人とする。
同法で、地方公共団体の長に、地方公共団体の統括権、代表権、執行権等の重要な権限を独占させています。
第百四十七条
第百四十八条
第百四十九条
普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。一 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
二 予算を調製し、及びこれを執行すること。
三 地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。
四 決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。
五 会計を監督すること。
六 財産を取得し、管理し、及び処分すること。
七 公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。
八 証書及び公文書類を保管すること。
九 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。
長は地方公共団体という法人の代表者なんだね!
そして、それぞれの執行機関*1の所掌事務*2と権限の範囲を明確にして、地方公共団体の事務を手分けして受け持つこと(分掌)を法により定めています。
第百三十八条の三【執行機関組織の原則】 普通地方公共団体の執行機関の組織は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、それぞれ明確な範囲の所掌事務と権限を有する執行機関によつて、系統的にこれを構成しなければならない。
② 普通地方公共団体の執行機関は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、執行機関相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。
③ 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限につき疑義が生じたときは、これを調整するように努めなければならない。
また、
第百五十三条【長の事務の委任・臨時代理】
普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任し、又はこれに臨時に代理させることができる。
②普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその管理に属する行政庁に委任することができる。
第百八十条の二 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくはこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、又はこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。ただし、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。
と、法により、長の事務の一部を、委任または補助執行させることができるとしています。
また、教育委員会の所掌事務や権限は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」によって定められています。
地方自治法が憲法の規定を承けた基幹的な事項を定めた法律で、地教行法は教育行政に関して定められた法律だね。
さらに、予算執行機関と会計機関を分離するため、
として、会計事務は、長の付属機関でありながら、長から独立して権限を行使する会計管理者(昔の出納帳や収入役)を置いています。会計管理者の事務についても、長はその事務の一部を出納員や会計職員として委任させることができます。
それぞれの執行機関は、各自の所掌事務について、法に基づき「委任規則」や「事案決定規定」なんかを定めて、権限の委任および委任された権限の行使の手続き等を明らかにして、日々の事務を執行しているわけです。
住んでる自治体の規則を調べたいときは、自治体HPの中の「例規集」や「法規集」を探してみて!
自治体によって名称いろいろで規則もたくさんあるよ
正直、見てもよく分かんないよね。( )書きが多くて読みにくいしねー
ちょっと長いのでまとめます。
◎地方公共団体の重要な権限は長に集中している。
◎会計事務においては会計管理者が独立して権限を持つ。
◎それぞれの執行機関は、法に基づき所管する事務と権限を明確にし、事務を分担し執行している。
◎長は、その権限に属する事務を、その所管を担当する委員会等に、事務の一部を委任したり、協議によって補助執行をさせることができる。
◎長は、会計管理者の事務を、出納員やその他の会計職員に委任させることができる。
教育委員会の三大ナイ権限
教育委員会の所掌事務は、教育に関する幅広いものですが、実は、長から委任を受けない限り、持っていない権限があります。
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」のよると、「自治体の長の職務権限」として、以下が定められています。
(長の職務権限)
第二十二条 地方公共団体の長は、大綱の策定に関する事務のほか、次に掲げる教育に関する事務を管理し、及び執行する。
一 大学に関すること。
二 幼保連携型認定こども園に関すること。
三 私立学校に関すること。
四 教育財産を取得し、及び処分すること。
五 教育委員会の所掌に係る事項に関する契約を結ぶこと。
六 前号に掲げるもののほか、教育委員会の所掌に係る事項に関する予算を執行すること。
つまり、教育委員会の公立学校に関係する三大ナイ権限は、
となり、長から委任を受けてはじめて、権限が教育委員会に委譲されます。
また、会計事務については、長の補助機関(他の執行機関は含まれない)である職員のうちから、出納員その他会計職員を長が任命するとなっており、独立した執行機関である教育庁に属する職員は、長の補助機関へ併任という形をとって、任命・委任しているようです。
長の様々な権限は、法律によって授権されており、法によって、わ・ざ・わ・ざ、教育委員会の権限から切り離し、長に持たせているのです。
教育に係る財務事務が地方公共団体の長にある理由
なぜ、教育に係る財務事務の権限を、わざわざ法により長に持たせているかというと、
- 団体財政の統一的な処理を可能とし、効率的な、均衡のとれた運営を図る
- 地方公共団体の長の、教育についての財政面からの責務を明確にする
ための一つの方法として、平成11年の地方分権一括法を期に導入したとされています。
それ以前の旧法は、
教育行政の自主性を貫くため、教育財産の取得および処分に関すること、教育委員会の所掌に係る歳入歳出予算に関すること、教育事務のための契約に関すること、教育委員会の所掌に係る予算について支出を命令すること等、いわゆる財務事務をも、教育に関する限り、これを教育事務として教育委員会に担任させることとしていた(旧法49条(2)〔9〕〔10〕)。
なお、特記すべきことは、予算案、条例案についてのいわゆる二本建て制度を設けて、国における国会、裁判所および会計検査院並びに人事院におけると同じく(財政法19条、国公法13条4)、その独立性、自主性を保障しようとしたことである(旧法56〜58条の2、61〜63条)。
これらのことは、教育委員会の委員の公選制とともに、地方公共団体に執行機関として置かれる他の行政委員会には、例を見ないところであった。
【逐条解説】地方教育行政の組織及び運営に関する法律/木田宏著/第一法規
と、教育行政の自主性と安定性を図るため、一部を除き教育、学術、文化に対する事務全般(財務事務を含む)を教育委員会の権限に属させていました。
また、「このような教育委員会の権限は、一部の地方公共団体にあって、地方公共団体の長との間に、紛争を生じさせることとなったりしたため、教育委員会の権限、殊に二本建制度の再検討が早くから要望されてきたところである」とし、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって、「教育事務のうち、いわゆる財政事務に属する特定の権限は、これを地方公共団体の長の権限に移行するとともに、これらの財政事務について、教育委員会の意思の反映を図り、教育委員会を存置した趣旨の実現を期するものとされた」としています。
教育委員会の財政的基盤は地方公共団体の財政の一般の上に立っているから、地方公共団体の財政全般の合理的運営による発展なくしては、教育委員会の財政的基盤の真の確立はあり得ない、と書かれてるね。
教育財政が貧相なのや、保護者負担に事業の財源を求めているところ、他の部局の人が教育委員会は別モノと感じていることなんかもこの辺りにも根っこがありそうだね。
校長の権限はどこから来るのか?
では、具体的に、学校で集金することについて考えてみます。
学校で集金をするときは、一般的に、使用する教材や行事等で必要とする具体的な内容を決定し、保護者へ集金のお知らせをし、実際に集金するという流れになるかと思いますが、他に、教材納入業者等と契約をしたり、そのための相見積もりや入札を行ったり、取引のための銀行口座を開設したり、さまざまな事務が考えられます。
学校の集金にまつわる事務を、行政事務に当てはめてみると、
- 集金内容の決定・・・調製*3は長/議会へ提出は長/予算の決定は議会
- 銀行口座の開設・・・契約は長/口座名は地方公共団体/出納と管理は会計管理者
- 業者等との契約・・・契約は長
- 集金のお知らせ・・・納入の通知は長(減免も長の権限)
- 集金する・・・徴収は長/出納は会計管理者/領収書は会計管理者の名義
- 業者への支払い・・・支払命令は長/確認・支払は会計管理者/領収書は会計管理者あて
- 物品の受領・・・受領から交付における管理は会計管理者/管理権は長
- 督促・・・督促状の発行は長/収納は会計管理者
- 決算の報告・・・作成は会計管理者/議会に付すのは長/認定するのは議会
という感じですかね。※銀行利用の場合は、銀行の領収書でも可となってます。
冒頭の話に出た、「集金のお知らせ」は、その集金の目的の事業が地方自治法に基づく地方公共団体の事務であり行政活動であるならば、「地方公共団体の長の名前」で来るはずです。
資料からひとつひとつ拾ったから、細かいとこ違ったらごめんね(´人`)
要は、ひとつひとつの行政の行動には、ちゃんと権限者が決まってるってこと。
学校は独立した機関ではありませんので、校長は学校の責任者であり代表者であったとしても、当然に権限が発生するわけではありません。
その学校の設置者である地方公共団体が法人として権能を持ち、法により所管する事務や権限をそれぞれの執行機関に委ね、それぞれ権限を持つ者から、法に基づき委任を受けて職員は地方公共団体の事務を管理・執行することになります。
校長が保護者から集金し、それに伴う事務が、地方公共団体の事務だというのであれば、当然に、法に基づき、事務を行うに必要な権限の委任が行われて、その権限を行使しているということになるはずです。
しかし、そのためには、その行為により発生する法的な効果(権利・義務)を、地方公共団体に帰属させることが前提となります。
ところが学校が行う集金は、地方自治体の対象外
ところがですよ。
地方自治法では、
(総計予算主義の原則)
(現金及び有価証券の保管)
第二百三十五条の四 普通地方公共団体の歳入歳出に属する現金(以下「歳計現金」という。)は、政令の定めるところにより、最も確実かつ有利な方法によりこれを保管しなければならない。
2 債権の担保として徴するもののほか、普通地方公共団体の所有に属しない現金又は有価証券は、法律又は政令の規定によるのでなければ、これを保管することができない。
- 「最も確実かつ有利な方法」とは、金融機関に預金して安全に保管することを指す(※預金以外の方法としては証券会社からの買い現先が認められている。行政実例S57.7.20)。
- 「債権の担保として徴するもの」とは、指定金融機関の提供する担保(令168-2-3)、財産売払代金の延納に係る担保(令169-7-2)、地方税の徴収等の猶予に伴う担保(地税法16)等が該当。
- 「地方公共団体の所有に属さない現金」の、属するか属しないかは、歳入歳出となるかならないかによって決められる。
- 「地方公共団体の所有に属しない」とは、現金については、普通地方公共団体の占有には属するが、その所有権自体は当該地方公共団体以外の者に属するという意味。
- 「普通地方公共団体の所有に属しない現金又は有価証券」は、入札保証金、契約補償金、公営住宅敷金、共済掛金、職員の給与にかかる源泉聴取所得税もしくは住民税としての現金、地方税法の規定による納付納入受託のため保管する有価証券または受託徴収金、未納地方税に係る差し押さえ物件公売代金、普通地方公共団体が債権者として債務者に属する権利を代位して行うことにより受領すべき現金または有価証券(令168-7-1)等がある。
- 「法律または政令の規定」の総務省令(地方自治法施行規則12条-5)では、「普通地方公共団体が債権者として債務者に属する権利を代位して行うことにより受領すべき現金又は有価証券」、「災害により被害を受けた者に対する見舞金に係る現金または有価証券」、「公立学校(公立大学と高等専門学校)における奨学を目的とする寄附金を原資として交付された現金または有価証券」が規定されている。
- 「法律または政令の規定によるのでなければ」とは、権原*4が、法律又は政令に根拠を有すること、保管手続きが法律又は政令に根拠を有することの2つを意味する。
歳入歳出外現金および保有有価証券の出納は、支出の場合の長の命令(法232-4-1)と同じように、普通地方公共団体の長の通知がなければすることができないとし、この面でも、会計管理者との間の内部牽制機能が活用されることとされている(令167-7-2)。
歳入歳出外現金の出納および保管は、歳計現金の出納および保管の例により行う。現金を区別する必要はあっても、出納および保管の事務処理はまったく同じであるとの意であるから、かつてのように会見管理者が自らの権限によって適宜の運用をしていたようなことは許されない。
学校で保護者から集金されたお金が、地方公共団体の歳入歳出予算に編入されないということは、学校の集金事務の法的効果を地方公共団体に帰属させないということであり、地方自治法の対象外 = 私人として行なっている行為、というほかありません。
総務省にも確認したよ!そのことの記事↓
【続】諸派党構想・政治版を利用して、学校徴収金について文科省に質問してみた。 - ぽにろぐ
ましてや、地方自治法では、「一切の収入・支出のすべてを歳入歳出予算に編入しなければなら」ず、「法律又は政令によるもの以外の地方公共団体に属さない現金の保管はできない」とされている中で、そうしていない現金が、自治体の長や会計管理者の所掌する事務であると言えるか問題もあります。
地方公共団体に帰属しない事柄についてまで、自治体の長や会計管理者の権限が及びうるのかってこと。
法により授権される長の権限すら対象外となる故、大もとの権限の発生もない、もしくは権限の及ばない範囲であるとなれば、その後の委任や補助執行も、法的には成り立たない、ということになってしまいます。
つまり、学校で行われる集金は、法的には、公務員としての校長ではなく、校長個人が私人として契約、集金、支払いをしていると考えるしかない、ということになってしまうわけです。
いやいや、フツーに考えておかしいでしょ。公的な学校がやってることなのに。
うん、フツーにおかしいよね。口座名も校長名義だしね。
学校が行う教育活動が、行政の事務であり行政活動であるならば、その全てを地方公共団体の歳入歳出とすべきです。
地方自治法に反していても集金は有効になる可能性
さて、では、地方自治法に反しているのであれば、その集金も直ちに無効となるのか?の問題です。
現実として、学校の集金は、校長は個人としてではなく、公的な機関の業務として認識して行なっていると思われます。
ほとんどの保護者も、校長個人に個人的に支払っているつもりはなく、公的な機関である学校へ支払っているつもりだろうと思います。
これは、目の前の校長や教育委員会が独断で行なっていると考えるよりも、法的な瑕疵を何らかの理由によって長年放置し、慣例により行われてきたもの、と考える方が事実に近そうです。(ただし、法的な瑕疵の認知や確認の不履行を認容するということではありません)
学校が保護者から集金する行為そのものは、校長(個人)と保護者の「委任契約」もしくは「売買契約」と解されています。
学校によりその方法は色々かと思いますが、一般的に、集金があるというお知らせがあり、それに何らか許諾したとみなされる行為があれば、契約は成立しえます。
許諾したとみなされる行為とは、例えば口座振替の手続きを行って学校にその旨報告する、申込書や同意書にサインして提出するなどが考えられ、そういった手続きがなかった場合でも、支払いの意思がない旨を表明しない限り同意があったと見なされる可能性はあります。
学校集金の事実上の強制性や、自治法に基づかない取り扱いは、一旦横に置くとして、その行為そのものだけに焦点を当てて考えてみると、
- 自治法的な法的瑕疵はあるとしても、校長(個人)と保護者の契約自体は成立しているとみなされ、支払わないで利益を承けた場合は不当利得
と判断される可能性が、今は現実的な問題として捨てきれないな・・・と思います。
現状、学校で行われている集金は、校長個人(私人)と保護者の、私法上の契約で、児童生徒の利するものという大義が(勝手に)掲げられています。争議となれば、最終的に判断するのは裁判所ですから、事柄をどう受け取られるかでもあります。問題の本質をすり替えられないよう、切り口は慎重にしたいものです。
もちろん、契約は双方の自由でなされるものなので、契約をしない=物品等を受け取らないということは、問題はないはずです。
しかし、学校で行われている集金は、学校教育のための原資であり、実質的に選択肢がないということが、やはり問題となってくると思います。
また、自由契約であることを何ら知らせず、さも義務かのような振る舞いにも疑問を感じますし(義務と断言する学校もある。それなら、条例で制定する必要があるはず*5)、仮に自由契約であることで教育活動に支障をきたすようでは、それはもはや自由契約とすることが適当ではないということではないでしょうか。
購入を希望しない人が続出した場合、成立するのか問題。
それぞれ欲するものも必要なものも違うもんね
例えば、標準的な授業に影響を及ぼすことのない課外授業を学校が設定したとして、それが真に自由参加である場合には、その部分の自由契約はありうるかもしれませんが、公立学校の標準的な活動の範囲内のもので、実質選択が困難なものに対して、自由契約を持ち込むのは、行政側の都合のいい論理だと感じざるをえません。
ほとんどの保護者が従順に支払っているから成立してると言えるね。
その裏には、従順に支払うような仕掛けがあるとも言えるね。
本来であれば、行政活動は税金で賄われるもの、高校においては授業料をもって支弁されるものであれば、このような齟齬は起きないはずなのですが、法に拠らない受益者負担という財政政策を行ってきたのは国であり、それは自治体も同じですから、学校としてもない袖は振れない、苦しいところではあるでしょう。
そうであっても、公立学校と、そこへ通わせる保護者(児童・生徒)という関係性をみるに、非常に大きな力の差があります。
そこへ学校教育に必要な資金を保護者から集金するにあたり、自治体が自治法的縛りもなく、責任を不明確にして、自由契約の原則を持ち込むことの是非、それ故、保護者の負担が実質的に無制限であること、支払う謂れのないモノへの請求、それが公務員の倫理観的なぼんやりしたものだけが唯一のストッパーであることは、明らかに問題であるはずです。
住民の福祉の向上を図り、利益を保護するはずの行政が、何ら自らを拘束することなく、当たり前のように住民から集金したり負担させることについて、学校関係者は誰も疑問を持たないのでしょうかね?
おわりに
結論。
公会計化するしかないです。
公会計化してください。
公的な立場としての校長には、公会計化(歳入歳出予算に編入)されていない限り、地方公共団体が有する権限の委任は成立しないと解するのが妥当です。
というより、公会計化していないことがこの問題を引き起こしています。
現在、「なんで歳入歳出現金としないのか?」と併せて権限について、県の教育委員会に対して質問していますが、明瞭な回答はまだ得られていません(延長を重ねられています)。
日常的に行っている自身の行政活動について、こんなに長い間、最初の質問から4ヶ月以上が経過して、まだ回答ができないというのはどうかと思いますが。早く教えて〜
同時に行った開示請求では、「学校徴収金を歳入歳出としない意思決定をした経緯がわかる文書」は「不存在」でした。
また、記事中にも書きましたが、公的な教育機関で、その行政活動の範囲内に自由契約を持ち込み、それにより行政活動そのものが左右される可能性があることや、児童・生徒が教育を受ける権利を阻害する要因となりえることは、とてもじゃないですが適切だとは言えそうにありません。
集金のその内容についても、「児童・生徒に利するもの」「保護者の利便性」という建て付けさえあれば、学校のみの判断で一方的に私費として徴収できてしまう仕組みの存在も問題です。
制服とか、家庭での準備品もそうだよね〜
増える一方よ!
議会に付すことなく、財源を保護者から徴収できれば、実現したい教育も比較的簡単に取り入れることができる反面、教職員の業務も無限に広がります。そしてそこに、生徒や保護者の意向が本当に民主的に取り入れられているかについても、疑問です。
しかし、現状は、法的には個人間の契約になってしまっていること、自治法的手続きがなされていない以上、自治法に基づき、まずは公会計化を進めるべき、と私は考えます。
その際に、集金のそのもの、自由契約の是非を含めて、教育委員会と一部の人たちの意向で物事を決めるのではなく、地域の大事な課題として取り上げ、オープンに民主的な手続きを踏んで、住民に適切な情報提供と、意向を反映する仕組みを構築していただきたいものです。
公会計化することによって集金が妥当ではない(=公費妥当)とされるモノは絶対あるよね。今はすごく色々集金されてるし、扱いもメチャクチャ。
それはあると思う〜。
それに、都合よく行政の優越的な地位を利用しているところが噴飯ものだしね。
まずは、地方自治法の土俵に上げるのが、公会計化です。
ではでは。
ぽにこ
*1:普通地方公共団体の長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員などのように、それぞれ独自の執行権限を持ち、その担任する事務の管理および執行に当たって、自ら決定し、表示しうるところの機関を指す
*2:司り処理する事務
*3:会計年度の行政活動に必要な経費およびそれを賄うための財源を示す財政計画
*4:私法上の概念で、ある法律行為または事実行為を正当とする法律上の原因
*5:第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。
② 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。