ぽにろぐ

パート主婦/中2ゲーム男子の母/ 夢は家族みんなが幸せでお金に困らない生活を送れること/おキャンプ研究部所属。PTAには入らない派。学校徴収金研究室。

審査請求シリーズ〜(教職員加入団体文書)作成及び取得していないため保有していない

こんにちは、ぽにこです。

 

情報公開請求について勉強したことや実体験を共有して、制度を育てよう🌱会、審査請求シリーズ第三弾です。

 

ponikox.hatenablog.com

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今日は前回に引き続き、

「作成及び取得していないため保有していない」

と非開示理由を付されたパターンですが、

学校とは別の団体で、最初は断片的な情報しかなかった謎の組織の開示請求にまつわるものです。

結果的に教職員が職務上加入しており、間接的な教育活動と言える種の団体ということが分かるのですが、それを知らないと思っているのか、他の自治体へ確認の必要があって再び開示請求したら、不開示だったため、審査請求したやつです。

 

 

子どもが学校へ通うようになると、なんだか色んな集金があるのですが、

○○協議会だの、○○連絡会だの、名称からおおよその分野は分かるものの、それ以外の情報はなく、保護者がその会費や負担金を支払う必要があるものか、謎です。

 

他の費用に混ぜてサラッと集金されるだけなので、多くの保護者は、集金されていることも、その存在に気づいてもいないかもしれません。説明は全くありませんから。

気づいていたとしても、「まぁなんか必要なもんなんだろう」で流せるんでしょう。

 

しかし、学校にかかる費用は、原則公費で賄われるはずなのに、様々な名目で保護者(住民)に負担を求めています。

そこに正当性があるのか調べ始めた、というのが今回のケースの始まりです。

 

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進路費として徴収される費用の中にあった負担金

学校で徴収されるさまざまな費用について調べていますが、そこに中学3年生になると払う「進路費」というのがありました。

 

この進路費の存在も、開示請求をしてはじめて知ったもので、集金間近になると対象学年の保護者には知らせがありますが、あらかじめ公開されておらず、支払いの直前になって「なんだこれ?」「こんな支払いがあるんだ!?」と思ったとしても、調べる時間も、検討する時間も、もちろん検討した結果支払いませんという選択肢もありません。

もう、支払う前提で計画されているものです。

内容に異議を唱えたところで、「今さら言われても・・困る!!」ですよね。

今さらて言われても、直前で出してきて困るわ〜

こういうのばっかりやで

 

そして、その集金は保護者が行なっており、卒業対策委員会同様、保護者が自主的に立ち上げ、生徒の進路にかかる事柄についてフォローしていくという体裁の、実質、官製の強制立ち上げ強制徴収の委員会です。

 

その委員会の決算報告を読むと、進路資料用の印刷用紙やインク代、名刺、郵送料、入試問題集、進路会議費、交通費等、

なんだか、払う必要があるような費用、に思えます。

その中にあったのが、進路に係る協議会の負担金支出でした。

 

協議会と名のつくもの、ほんっとに多いですよね。

ある課題について協議会を発足させて連携・協議・陳情や要望・共有して還元とか、有用に活用されていれば有意義だと思う面もあるので否定はしません。実態はともかく。

 

しかしですね、それがどんな活動をしていて、どのように還元されているか、人員なり費用なり負担させるならなおさら、説明があってもいいはずですが、これがまた、ないんです。なんにもない。わかるのは、協議会の略称と負担金額だけです。

なんも説明しなくても徴収できると思ってるとこがすごいわ

オレを信じろ。悪いようにはしない。

 

他に確認したい資料もあったので、ついでに、この協議会に関する資料請求を行いました。

 

教育委員会では作成及び取得していないため不存在

作成及び取得していないため保有しておりません

 

連絡先を教えてくださいと言ったら出てきた資料

この協議会について開示請求を行ったら「作成・取得していないから無い」と処分を受けました。

 

この時点で、この協議会については、

  • 体裁としては有志保護者が委員会を立ち上げ、委員会が費用徴収した中から支払っている
  • どうやら進路に関わる協議会っぽい
  • 協議会の略称(正確な協議会名称は不明)
  • 学校単位の負担金額

しかわかりません。

 

誰が構成員となり、学校がどう関わっているのかすら分かりません。

 

学校の先生に直接聞いてみるということも考えましたが、

  • そもそも公立学校に係る徴収金全体を調べている
  • 市に対して調べていることを暗にアピールする意味もある
  • 説明を受けたところで確実な資料が手元に残らない(証拠として弱い)
  • それが事実であり正当であるかまでは判断できない(信じるしか選択がない)

という点で、学校より教育委員会に聞いてみることにしました。

 

「この協議会について、どのように調べたら知ることができますか?」

「では、直接聞いてみるので、この協議会の連絡先を教えてください。」

 

しばらくして会則が手に入ったと連絡があり、再請求すること(審査請求ではなく、開示請求を改めて行う)になりました。

その会則を手にできたのは、最初に開示請求をしてから、およそ2ヶ月半後です。

怒る猫のイラスト / Angry cat Illustration

手がかりを広げる

負担金を保護者が負担している謎の協議会について、ようやく会則を手に入れました。

その資料により、協議会の正式名称、会の目的、組織の構成、事業内容、構成員、会費額の決定について知ることができました。

 

そこで判明したこととして、

  • 協議会は、教員で構成される協議会である
  • 中学校単位で加入する
  • 会長は校長会の推薦により総会で承認される
  • 会費額は、進学希望の生徒数で計算される

らしいということで、

教職員が、職務上参加している協議会であり、その成果をなんらか職員間で共有し、進路に係る指導に活かされる、というそこで作成される文書は、職務上作成され、組織共有性の高い性格のものである疑惑が浮上です。

また、保護者が負担するものではないのではないか?という疑問も強まります。

 

職員が職務上、組織共有性を有した状態で利用し、で保有している・・・。

 

行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。」

 

もうここまでくると、開示請求対象で開示されるべき文書であったことは間違いなさそうです。

あとは、本来の目的である、その費用を保護者が負担すべきものであるとの正当性への疑いを裏付けすべく、情報収集を続けるため、使用された資料等を含む会議録や、役員名簿、予算決算資料およびその明細と、次々に開示請求を行いました。

 

開示を重ねることで明らかになったこと

開示される資料が多ければ多いほど、その内容について詳細に知ることができるのは自明で、多くのことを知ることができます。

知ることができて考えるための材料がそろってはじめて、判断ができるようになります。

逆を言えば、この部分の多くが閉ざされていて、自覚があるなしは置いておいても、事実上、「判断させない」という運営が行われているとも言えるかと思います。

 

開示請求して分かったのは、進路費は、保護者が委員会を立ち上げ集金し、進路に関わる費用を拠出し、サポートをするという体裁でありながら、実際には、教員が管理・執行しているものでした。委員会に入れば知ることになることでしょうが、一般保護者に特別にアナウンスがされているわけでもありません。

(進路費の使途については、また別に記事を書くつもりです)

 

また、その協議会は、職務上の「出張依頼」がされているものであり、うちの市の職員については県において出張旅費が出されていることも確認されました。

 

さらに、その協議会における教員の負担、負担軽減のための内外への取り組みの経過が書かれている部分があり、過剰な負担への叫びを読み取りました。

そりゃそうなんですよ。進路費の使途内容から、こんなことまで学校がやるの?って思ってました。

そして、そうしなければならなかったんだろうと思う地域の受験に関する仕組みがあります。

この構造的な負担についての改善要望や交渉は、おそらく進行中で、結論は記載されていませんでしたので、近々確認しようと思います。

 

他市に請求したら、また非開示決定ww

集まった資料を内容を見ていると、おかしなことに気づきました。

この協議会の会費は、会則によると、「進学を希望する生徒数」で決定されると記載されています。

ところが、市内各校の負担金が、どうにも割り切れず、学校によっても異なり、生徒一人当たりの会費の算出ができずにいました。

 

はてな??(悩む)のイラスト Question

 

追加で取り寄せた決算等の資料によると、やはり、生徒一人いくら×進学希望生徒数で計算されていることになっています。

しかし、各校の負担金の拠出額を見ると、どうも、1校あたり数千円上乗せされています。

つまり、協議会で設定した市ごとの負担金(受領額)と、市全体の実際の負担金(市内各校の負担金支払の総額)が合いません。

 

この点については、市に調査と説明を依頼しつつ、加入している他市(この協議会は近隣の複数市で構成されている)にも、開示請求して確かめることにしました。

 

そうしたらですね。

不開示決定www

ズコー

ズコー

 

請求理由文を記載例

前置きが長くなりましたが、不開示決定が出ましたので、請求理由文を考えます。

今回は同一の協議会について、市内各校の負担額がわかる決算資料および明細を請求しています。明細を請求しているのは、決算資料だけだと合算されていたりして不明瞭だからです。

 

その他資料でこの協議会への参加は職務であると認められ、その性質上、個人の領域を超えた組織共有性も推定されます。

処分庁は、「実施機関として●●協議会に会費を納付しておらず、他の任意団体が所持している文書であることから、実施機関において保有していない」ため不開示としていますが、公文書は、行政機関の職員が職務上作成し又は取得した文書であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの(公文書管理法第2条第4項)とされ、●●市情報公開条例(以下「条例」という。)においても「実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書、図画および電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の近くによって認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。」としています。

  1. 当該文書を教育委員会保有していなくても、市の設置した学校で保有するものも当然対象で、取り寄せも事案の移送も可能であることから、「学校で保有しているが、教育委員会保有していない」ことは不開示の理由とはなりえません。
  2. 任意団体が作成する文書であっても、学校の職員が職務上取得し、学校組織として共用の実質を備えた状態、すなわち、組織において事務または事業の執行上必要なものとして、利用または保存されている状態は「組織的に用いる」に該当するとされ(平成19年11月16日青森地判、平成19年2月14日東京高判)、本件のように学校の教職員が職務上、事務遂行上、配布を要すると認識し、児童生徒を経由して保護者に配布し、また転入学など必要に応じて配布が予定されるような文書は、組織として管理・利用しているものと見ることが相当です。
    本件原本については、任意団体が所持していると推察は可能ですが、金銭の徴収に係る文書について一切を学校が関与しておらず、取得、保管されていないとは到底考えにくいところです。
  3. 本請求の対象である「●●協議会」は、校長・教諭が所属し、役員を担い、中学校単位で構成される協議会で、同協議会資料には、●●をもって「出張依頼」と記載されており、教職員の職務であると思料します。
    同協議会は生徒数に応じた負担金を徴収しており、その負担金を任意団体が徴収・拠出しているとしても、任意団体が同協議会へ直接納付することはなく、担当教諭(または校長)を通じ、●●の幹事校が取りまとめ、同協議会へ納付しています。
    任意団体がその負担金を拠出している場合、その負担額は学校(担当教諭・校長)を経由して任意団体(保護者)へ通知し、金銭授受の上、任意団体(保護者)へ報告があると考えることが一般的であって、教職員が職務上行った金銭の授受がある以上、作成または取得している文書がないとは考えられないところです。

 以上のことから、請求人が開示を求めている文書は、条例に該当する公文書であり、本件不開示処分は違法であると言わざるを得ません。

ちなみに、この市の一部の学校では、教員が集金を行なっていることが、学校HP上にある学年通信から明らかです。

本件審査請求が開示と裁決されなければ、今後、審査庁*1は諮問通知書(審査会へ諮問するよという通知)と弁明書(処分の正当性を主張する文書)を送ってくる流れになります。

開示決定を行わないのであれば、審査会に諮問に付すしかなく、処分が正当であるという弁明書を作成しなければなりません。弁明書は「持ってないからない」なんてカンタンな理由で済まず、なぜ持っていないか、請求人の主張に対して理由を認めない根拠を詳細に記載することになります。

それに対して、コチラは反論書を送ることができるので(送らなくてもOK)、反論書を送るようなことになったら、保存してある学年通信を添付して送るつもりです。

これは最近のやつでまだ未決なの。
※後に開示決定となりました。

 

そしてお決まりの文書で締めます。

 なお、非公開決定等が訴訟で争われた場合には、対象となった文書や情報が非公開事由に該当するかどうかの主張・立証責任については、実施機関の側にあるという判断が示されています(大阪府水道事件。最判平成6年2月8日民集28巻2号255頁)。

おわりに

この協議会の負担金自体、大した金額ではありません。

しかし学校徴収金は、こういった一つ一つの費用が積み重なっており、その中には疑問を感じざるを得ないものも多くあります。そういった一つ一つを調べ、情報を集め、行政に対してそれらが「保護者負担である理由」を聞く、という作業を繰り返しています。行政の反論根拠をひとつひとつ潰している感じですかね。

こうやってジワジワやるのも、彼らが考えざるを得ない機会を増やすという効果もあります。

そして「ちゃんと見てるで」とメッセージも同時に送るわけです。

 

同じように、情報公開制度も、請求の窓口にないから「ない」ってカンタンに言ってくるから、いちいち、審査請求をかけます。

これも大事なメッセージ。

教育委員会は請求の窓口であって、教育委員会保有する文書だけではなく、その所管の学校が保有する文書も対象です。

仮に、この請求が通らなくて文書が手に入らなかったとしても、私にとっての問題は、目の前の自治体で、すでに取りまとめて質問は投げてますので、個人的に困るようなことはありません。

 

しかし、繰り返しになりますが、情報公開は住民の権利であって、行政の義務です。

センシティブな情報というわけでもない情報ですら、なんやかや、勘違いや誤用も含めて、行政の判断は開示しない方向に働いていることをヒシヒシと感じてしまうような状況が現実です。

情報公開制度は開示が原則やで〜

だよね〜。
非開示が例外なのに、まるで開示を限定してるみたい。

 

そういうことが当たり前に浸透していたら、本当に困った時はもちろん、判断するための情報を奪われたり隠すことを容易にすることでもあり、それは私たちが、考え、判断することすら、ないものとして扱われることと等しいと思っています。

現に、市政もそうですが、学校はとにかく説明がなく、あいまいにしたまま進めていることが多くあるように感じます。裁量と信頼を自ら掲げて、黙って従えスタイルです。

費用負担に関して公開しているところは非常に少なく、その必要性もあまり感じていないようです。

 

てか、

ですよね〜。

 

 

ではでは。

ぽにこ

 

*審査請求シリーズ

 </p

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*1:教育委員会には上級庁がないため、審査庁も教育委員会になる