レッカー代虚偽申請か 静岡の自動車整備工場、県警が2人逮捕 不正車検の疑いも
自動車整備の認証範囲を超える中型車両の車検を行ったり、保険会社に虚偽のレッカー業務の申請をして保険金をだまし取ろうとしたりしたとして、静岡南署と静岡県警交通指導課の合同捜査指揮室は10日、道路運送車両法違反と詐欺未遂の疑いで、自動車販売・整備業の「オー・ルージュ」(静岡市駿河区)の社長の男(39)=葵区本通10丁目=と会長の男(71)=葵区城東町=を逮捕した。県警は不正車検や保険金の詐取行為を繰り返していた可能性があるとみて捜査を進めている。 2人の逮捕容疑は2023年9月、共謀の上、自社の業務で、保険会社に架空のレッカー搬送業務を行ったとして虚偽の請求をし、保険会社からロードサービス代の保険金4万5千円をだまし取ろうとした疑い。 県警によると、顧客から車両搬送の依頼を受けて現場に行き、実際にはその場で修理が完了したにもかかわらず、レッカーで搬送業務を行ったと虚偽の申請をしたという。不正請求の内訳は焼津市から静岡市駿河区の同社工場までの区間。不審に思った保険会社が警察に相談して、発覚した。 2人は共謀して、23年8月から11月までの間、自社整備工場で認証範囲を超えた中型車両の整備を行った疑いも持たれている。同社では道路運送車両法上の基準で普通自動車の中型のほか、大型と大型特殊自動車の認証は受けていなかったという。同社ホームページには軽自動車、普通車、ミニバン、ハイエース福祉車両の車検案内が示されている。 県警は今年7月、静岡市駿河区の事務所や整備工場などの関係先約10カ所を家宅捜索した。帳簿や領収書などの資料を押収し、裏付け捜査を進めていた。
静岡新聞社