【コラム】専業作家になるまでPart1(24時間全体公開)
September 10th, 2024 19:24・All users
こんにちは!雲丹。です🐟
コラム記事久々すぎる…!
今回はつい最近XのTLで「兼業作家」と「専業作家」についての話題が上がっていたので、専業の私の生活について何か書ければなと思いこの記事を書きました。あまり参考にはならないかもですが、こんな感じで生きてるんだなあというのを知っていただければと思います。
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【現在の暮らし】
まず初めに知っていただきたいことは、私は2022年の4月から専業でアナログイラストを主に制作する作家兼イラストレーターで、活動を始めて今年で2年目、現在は独身、実家暮らしです。
主な進路は【高卒後3浪を経て4年制大学を卒業し、そのまま専業】になりました。大学は日本画専攻で現在の活動にはあまり関係ないことを学んでいました。
この時点で既にあまり偉そうなことを言えないような立場の人間なので、こんな人もいるんだな程度に留めておいていただけると嬉しいです。
私は専業になる前(浪人生活の3年間+大学在学中の4年間の計7年間)に、今の活動を少しずつ確立させていきました。
専業になるまでにやってきたことは大きく分けて以下の3つです。
1.SNSでの露出を増やす
2.お金周りのことを覚える
3.企業と仕事をする
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①SNSでの露出を増やす
これは意識をしてやっていたというよりは、「ただ絵を描くのが楽しいから」という理由でたくさん描いていたというだけなのですが、当日はTwitterでの活動を主としていました。とにかく絵を描いて自分の絵を知ってもらおう!という気持ちが1番強い時期だったなあと思います。
SNSだけではなく、コミティアなどのリアルイベント、展示など実際に人に足を運んでもらうという意味での露出を増やすということも大切にしていました。
後ほどお金周りのことを覚えるという意味でコミティアや展示の話は出てくるのですが、学生の間にとにかくコミティアや展示にたくさん参加しました。そこで不特定多数の人に自分のことを知ってもらったり、
「作家さんとの繋がり」や「企業様に自分のことを知ってもらうきっかけにもなった」
のでリアルイベントに積極的に参加することは個人的にとても大切だと思っています。
コミティアに関しては、学生時代に毎回出る!くらいの勢いで頑張って出ていました。私の場合、高校卒業後の学生時代が【7年】もあったので、【今の活動につながる準備期間がとても長くあった】というのが大きかったなと思います。自分のやりたいことをさせてくれた両親には感謝してもしきれません。
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②お金周りのことを覚える、勉強する
これはとにかく大事だと思っていて、専業になるには必ず覚えておいた方が良いと思います。
具体的に実践したことは、
・コミティアや展示などのお金が動くイベントに出る
・自家通販をやってみる
・確定申告をやる(勉強しておく)
です。
専業になる上でお金の管理は特に大事だと思っているので、専業になる前に最低限のことは勉強しておく必要があると思います。
【コミティアや展示などのお金が動くイベントに出る】
これは先ほど露出を増やすというために出ているということもありましたが、お金の勉強にもなります。
本やグッズを作るのにどのくらいお金がかかるのか、売り上げはどうだったのか、赤字になってないかなど、今後経営をしていく上で大切なことを学ぶことができます。
展示にも同じことが言えます。
材料費、額装代、出展費、搬入出で使った送料などの経費と展示で販売した作品やグッズの売り上げはどうだったのか、結果的に自分にとって(お金的なことだけではなく)プラスになる活動だったのか色々な視点から物事を考えられるようになるなと思います。
好きなこととお金を絡めることに抵抗がある時期もありましたが、専業になるためにはやっぱりある程度お金のことを意識しないと生きていけないのでこれは常に意識していたなあと思います。
【自家通販をやってみる】
私は専業になる前から原画を積極的に販売したり、コミティアで販売していた本やグッズを通販でも販売していました。
自家通販をやるメリットとしては、【遠方の人にも自分の作品を届けることができる】というと【ショップ運営を学べる】という点ですかね。
やっぱり遠方の方だとイベントに来れないという方も多いので、そういった方にも自分の作品を届けることができるのは大きいと思います。より多くの人に作品を届けることができるので純粋に利益も増えますが、【ファンの方にしっかり還元していく】というのもとっても大切だと思っています。
専業作家は自分の絵を買ってくださる方がいないと成り立ちません。そのためには【ファンを大切にする】というのも重要だと思っています。私の場合は通販をすることとFANBOXを運営するくらいしかできていないですが、それでもやらないよりはいつもありがとうの気持ちを還元できているのかなと思っています。
私が遠方住みだったり、イベントに行けなかった時に好きな作家さんが通販をやってくれるのは本当にありがたいので、準備も大変なのにいつもありがとうございますの気持ちでいっぱいになります。
自分も同じようなことをやってるからこそ作家さんの大変さやありがたさを実感できてより作家さんにお金が渡ればいいなと思う気持ちにもなりますね。
【ショップ運営を学べる】
ショップの管理って本当に大変なんです…!
初期設定、梱包、商品撮影、商品説明、検品、発送などひとつひとつは簡単な作業ですが、全部集まると大変面倒です。
とにかく初期設定がわからなくてやってないとか在庫管理が面倒でやってないという方も多いのではないでしょうか。
今は委託という手段もあるので色々面倒だから投げ出したい!という方にはおすすめですが、委託の場合はマージンや手数料というのが多くかかってくるので、手作業で全てやるのと委託どちらが自分にとってメリットになるのか考えながらやってみるといいと思います。
【確定申告をやる(勉強しておく)】
これは本当にやっていて損ないです。絶対にやることになるので専業になる前からしっかり勉強しておくと安心です。税理士さんに丸投げという方法もありますが、収入が低いうちはなるべくお金をかけたくないので一度は経験しておくと良いと思います。
まだ収入がそこまでなくて確定申告が必要なかった頃は、まずはレシートを管理することから始めました。どういったものが経費になってならないのか把握します。
現在は経費になるレシートは月毎にA4のコピー用紙に並べて貼って管理し、月一単位で隙間時間にちまちま入力作業を行っています。今はデータ帳簿保存も必要なのでそれも合わせてやっています。
確定申告については企業に勤めていると経験したことがないという方もいらっしゃると思うのですが、自分の収入を把握する手段にもなるので少しずつ勉強しておくとためになります。
そして年末にまとめてやるのだけは大変になるのでやめましょう…(経験済み)
絵を描くこと以外のよくわからないことには目を背けたくなりますが、慣れてしまえばできるようになるので最初の一歩だけ乗り越えましょう!
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③企業と仕事をする
私は専業作家になる前の学生時代に何度か企業さんとお仕事をしたことがとても大切な経験になっています。
詳しい経歴についてはHPを見ていただくとわかりやすいかと思いますので気になった方は見てみてくださいね。
社会人経験がある方は問題ないかと思いますが、社会人経験がない学生の場合、企業と一度お仕事してみるのは大切です。
これはいわゆる「フリーになる前に一度就職した方がいい」というのに少し近いのかなと思います。
企業と仕事するとコミティアや展示に参加することとはまた違った視点を知ることができます。
企業案件なんてそう簡単に受けられるものではないと思ういう方もきっと多くいるかと思います。私も本当に運良くお声がけいただいたという形だったので、企業案件を受ける術みたいなものはお伝えできないのは申し訳ないです。(先に述べていたSNSでの露出を増やす、イベントに積極的に参加することと、身近にフリーランスの先輩がいてお仕事を一緒にする機会が多かったという点は企業案件を受けることに繋がっていたかもと思います。)
何も知らない未熟な学生のペーペーながらやってきた企業様とのお仕事は確実に勉強になったなあと思います。
メールのやり取り、クライアントの要望に合わせてイラストを描く、締切を守る、請求書を作る等、1人だけでやる活動とは全く違います。
良い意味でも悪い意味でも縛りがある環境の中でどうやって仕事いくかというのを学べたなと思っています。
【メールのやり取り】
まずはメールのやり取り、相手の顔を見ることができないので、変な不安や誤解を与えないように言っていることに間違いがないか、言い回しはあっているかなど気にしながら毎回メールを打っています。初めての企業案件では、未経験のため失礼なことがあったらすみませんと伝えておくのも良いと思います。私もまだ完璧ではないので日々勉強です。
そして、『すぐに返信すること』
私はこれを徹底しています。時間を置けば置くほど面倒になってくるので私は見たら返すを心がけています。
すぐに返信が難しい場合は◯日頃に返信するのでお待ちいただけますか?といったことを相手に伝えたり、遅れた場合はしっかり謝ることも大切です。
相手の信頼を得ることは次の仕事にも繋がることなるので丁寧に行うことを心がけています。
【クライアントの要望に適切に応える】
クライアントの要望にしっかり応えられるように細かく擦り合わせを行うことはとても大切です。自分の好きに描きたい!という気持ちもあるとは思いますが、依頼を受けている以上、自我を突き通す前にクライアントの要望にしっかり応える姿勢が大事です。
そしてクライアント側があまり絵に詳しくないという場合もあり、その場合無理な要望をされてしまったり、曖昧なイメージしか伝えられない場合があります。その時はこちらから事細かく聞く必要もあります。一生懸命描いた絵が求めているものと違くて描き直し!なんてことにならないように、最初からこれでもかというくらい不安に思う点は相談や質問しておくと結果的にお互いのためになるのかなと思っています。
【締切を守る】
何事にも言えますが、締切は絶対に守りましょう。そのためにはスケジュール管理が大切です。
学生の頃は学業と両立していたということもあり、締め切りギリギリの提出になってしまったり、徹夜して体調を崩したり後悔したことも多かったので、スケジュール管理はちゃんとやっておこうということに気がつけました。
お仕事を受ける前に締切が厳しいと感じる場合は、事前に相談してみることも大切です。お仕事を受ける気持ちがあることを示した上でスケジュールの相談をしてみると柔軟に対応してくれる場合もあります。それが難しい場合は依頼を断る勇気も必要です。
専業の場合は特に自分の体を壊さないように余裕を持ったスケジュールに調整する大切だと思います。体を壊したら余計に迷惑をかけることになるのでね!体調管理にもしっかり気を使います。
【請求書などの書類を作る】
企業と仕事をする場合請求書の提出を求められることが多くあります。
企業側の方で請求書を作成して必要な情報だけ入力してくださいねという親切な企業もありますが、基本的には全て自分で作成しないといけません。
私もまだ請求書の作成は苦手なのですが、ある程度フォーマットを作っておくと楽になるので作れるようにしておくと便利です。
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以上私が専業作家になる前に実践してきたことでした。
そしてある程度土台が固まったところで、自分がやりたいことは一体なんだろうと真剣に考えた時に、私は今の活動をどうしても続けたかったので専業になることを選びました。
結果的に今のところは実家でお世話になっている形になるので本当に偉そうなことばかり語ってしまって申し訳ない気持ちはあるのですが、私もいい加減独り立ちして専業の単身者になることの大変さを学びたいと思っています。
長くなってしまったので、一旦記事は区切って次回は、専業作家で生活していくために心がけていることについて書く予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございました!