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Colaboの支援手法はプロの支援職からすると「資格剝奪ものの倫理規定違反」

「Colabo」と仁藤夢乃さんの最大の問題は、当事者への搾取を伴う支援手法であると筆者は考えている。

仁藤夢乃さん自身が常々公言しているように、「Colabo」が支援の対象としている少女たちの多くがメンタルヘルスに関連する困難を抱えている。発達障害や精神障害などのハンディキャップや性犯罪や虐待やDVなどのトラウマ的体験など、未成年者に限らずセックスワーカーの多くがこのような精神的・心理的な問題を抱えていることは福祉業界では常識と言っていい。

伝統的に婦人保護業界は精神障害者福祉や知的障碍者福祉と極めて距離が近かったのだが、これはセックスワークとメンタルヘルスが極めて密接に関係しているからだ。つまり広義において「Colabo」や仁藤夢乃さんはメンタルヘルス領域の支援者と言って過言ではないだろう。現にColaboの同行支援も最も回数が多いのは「病院」であり、自分たちが精神を病んだ女性の支援者であるという自覚は仁藤夢乃さん自身にもあったはずだ。

しかしメンタルヘルス領域の支援者の目からすると、Colaboと仁藤夢乃さんは支援者にとって絶対と言ってもいい禁忌タブーをいくつも犯しているように見える。それらは「うっかりミス」で済まされるような生半可なものではなく、心理・精神系の専門職ならば即座に資格を剝奪されるレベルのものだ。Colaboと仁藤夢乃さんはそうした倫理違反を日常的積み重ねており、不正会計疑惑などのテクニカルな部分を除いても自分は彼女たちをまっとうな支援者とは評価できない。

ちなみに筆者は4年間に渡りメンタルヘルス領域の互助団体をフルタイムで運営していた経歴があり、複数の精神医療系業界紙(「統合失調症のひろば」「精神介護」など)にも掲載歴がある。この業界の支援者倫理については十分に知悉しているつもりだ。

本稿は「メンタルヘルス領域の支援者」の目から見て、Colaboと仁藤夢乃さんがいかに支援者倫理に反しているかについて綴っていく。


「多重関係」という絶対的タブー

Colaboと仁藤夢乃さんの支援手法で、まず第一にわかりやすく論外であり搾取的と言うべきなのが「多重関係」の禁忌タブーを破り続けていることだ。

多重関係の禁忌とは「支援者と要支援者は専門的支援の枠を超えて関係を持ってはならない」というルールのことだ。これは筆者が勝手に言っている話ではなく、どの専門職集団の倫理綱領にも必ず大々的に記されている規定のひとつである。以下に2,3の実例を引用しよう。

会員は、心理支援にあたって、原則として、要支援者等との間で専門的支援関係の範囲を超えた関係を結ばない

引用:「日本公認心理師協会倫理綱領」より

1.(クライエントとの関係) ソーシャルワーカーは、クライエントとの専門的援助関係を最も大切にし、それを自己の利益のために利用しない

引用:日本ソーシャルワーカー連盟「ソーシャルワーカーの倫理綱領」

【乱用と搾取の禁止】精神科医師は、専門的技能および地位の乱用を行ってはならず、精神を病む人びとからのいかなる搾取も行ってはならない。

引用:日本精神神経学会「精神科医の倫理綱領」

なぜこのようなルールがあるかと言うと、支援者と要支援者との間には不可避的にある種の権力関係が築かれてしまうからだ。

どれほど対等な関係を築こうと努力しても「支援する側」と「支援される側」が完全に対等な関係になることはあり得ない。トラウマとなる過去を開示していたり、シェルターなどで衣食住を支援者に依存している場合は尚更だろう。支援者はどうしても要支援者に対しある種の影響力を有してしまう。これは絶対に避けられないことだ。

ゆえに支援者と要支援者との関係性は「専門的な支援関係」に限定されなければならない。このルールを破り多重関係が結ばれると、支援関係は容易に搾取的な関係性へと堕落してしまう。

多重関係が結ばれる最もわかりやすい例が支援者と要支援者の性的関係だろう。業界用語で「陽性転移」と言うが、要支援者は支援者に対して尊敬や愛慕などのプラスの感情を抱いてしまいやすい。それは時に恋愛感情の形を取ることもあり、支援者側が倫理的に堕落すると「支援者と要支援者の性的関係」という不適正な関係が結ばれてしまう。

残念なことだが、陽性転移を利用して要支援者を搾取する悪徳支援者はごく稀に存在する。見境なく複数の要支援者と性的関係を結び、法的トラブルに発展した例もあるほどだ。

支援者が要支援者に何かを「強要」したわけでなく「お願い」しただけだったとしても、両者の関係性が支援─被支援関係であればそれは対等な人間関係とは言えない。だからこそ多重関係は厳に慎まれなければならない。

しかし、仁藤夢乃さんとColaboはこの禁忌タブーを侵し続けているのだ。たとえば仁藤夢乃さん自身がSNS上で公言していたように、

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コメント

ふるたか
要保護者を養分としか思っていないから、そりゃそうなりますよ
さすらい狼
仁藤氏の、困窮した少女らを救いたい、という気持ちはきっと本物でしょう。そこへの疑念は僕にはありませんが、純粋な善意が原動力であれ結果が伴わなければ無駄なだけ。「私の努力をこそ評価してください!結果?たまたま悪いけどいつか必ず良い結果が出ます!」という心情が仁藤氏には度々透けて見える。だから、助けられたという被保護者の声を嬉々として取り上げる。

「馬鹿の考え休むに似たり」という諺がありますね。
シマオ
支援者は要支援者とはあるところで線引きしないと。支援者に勘違いして恋愛してしまうはよくある話ですよ…(要支援者の自分の古傷が…)
ただこういうのを見ると仁藤氏は支援者というよりは要支援者の中でリーダーの役割をまかせられてるイメージ。わかり手さんが支援者としてはあるまじきはよくわかります。ただ自分は彼女が支援者というよりは彼女自身も要支援者で共産党やらそのバックにいる人達が彼女の支援者的役割になり、利用してる感じがね。
それから
小山さんが提起したこの論点、全然出てきてないね。
今も行政の手続き的な話しかしてない。
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Colaboの支援手法はプロの支援職からすると「資格剝奪ものの倫理規定違反」|小山(狂)
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