【そもそも解説】NHK国際放送とは? 政治との距離が問われた歴史

有料記事そもそも解説

宮田裕介
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 NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースの中で、中国人の外部スタッフの男性が沖縄県尖閣諸島を「中国の領土」などと発言したことが問題となっています。議論になっている国際放送について解説します。

 Q NHKの国際放送とは?

 A 外国人や海外に暮らす日本人などに向けた放送で、NHKにとって、放送法で定められた必ずしなくてはならない業務でもあるんだ。外国人向けのテレビ国際放送は1日24時間、英語で放送し、ラジオ国際放送は17の言語で放送をしている。

 Q 国際放送でのどんな発言が問題になっているの?

 A 8月19日のラジオ国際放送などで、靖国神社で落書きが見つかり、警視庁が器物損壊事件として捜査しているニュースを生放送で伝える際、中国人のスタッフが原稿にない発言をしたんだ。中国語で、「釣魚島と付属の島は古来から中国の領土です。NHKの歴史修正主義宣伝とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と述べ、英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」と言った。これらの発言が問題になっている。

 Q NHKはどんなルールに違反したと思っているの?

 A 自ら定めた「国際番組基準」に抵触すると謝罪した。その番組基準は、「わが国の重要な政策および国際問題にたいする公的見解を正しく伝える」などとしている。尖閣諸島については、日本政府は日本固有の領土であるとしている。

 Q 国内放送との違いは?…

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この記事を書いた人
宮田裕介
文化部|メディア担当
専門・関心分野
メディア、放送行政、NHK