「トー横」で16人を補導、半数超が都外で石川や大阪 再び戻る子も
警視庁は9日、東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一帯で7~8日にかけて行った一斉補導の結果を公表した。補導されたのは12~18歳の男女16人で、石川県など都外から訪れた子どもらが半数以上を占めた。自宅に送り届けても、その日のうちにトー横に戻る子どももいたという。
夏休みが終わり、学校や家庭に居場所がない子どもを狙った犯罪が起きる恐れがあるとして、同庁は警戒を強めている。
少年育成課によると、補導した16人のうち都内在住は7人で、千葉、埼玉、茨城各県で2人ずつ。石川県や静岡県、大阪府から来た子どもがそれぞれ1人ずついた。千葉県の少女(16)は補導して自宅に送り届けたが、その日のうちに再び歌舞伎町にきていたという。
行為別では、深夜徘徊(はいかい)が13人と最多。喫煙2人、家出1人と続いた。このうち深夜徘徊で補導した15歳の少女は、たばこを購入するために成人かどうか識別する他人名義のカードを所持しており、遺失物横領の疑いでも捜査している。
警視庁は今年に入り、一斉補導を計7回実施。延べ83件の補導を行った。「SNSで歌舞伎町に興味を持った」「トー横で有名な人に会いたかった」という理由で集まる子どもが多いという。
一帯では、家出中の少女がホテルに連れ込まれて暴行されるなど、子どもが巻き込まれる犯罪が後を絶たない。警視庁は「犯罪に巻き込まれないために、歌舞伎町には近づかないで」と呼びかけている。(吉村駿)
- 吉村駿
- ネットワーク報道本部|立川支局
- 専門・関心分野
- 事件・事故、スポーツ、生き物