偽情報対策で協議会 有識者が提言 SNS事業者ら参加
偽・誤情報対策を話し合う総務省の有識者会議の作業チームは1日の会合で、制度改正に向けた素案をまとめた。大手SNS事業者やファクトチェック(事実確認)機関らが参加する協議体を新設し、各主体の取り組みを定期的に検証する案を盛り込んだ。ネット上の広告審査の厳格化も明記した。
素案では「国内外のマルチステークホルダー(利害関係者)が連携・協力し、継続的に議論・検討する枠組み」が必要だとした。SNSを運営する大手プラットフォーム事業者やメディア、広告団体、消費者団体も加わり、各主体の取り組みを共有・検証できるようにする。政府が大枠を設定し、協議会には一定の権限を付与することを求めた。
プラットフォーム事業者には自社のビジネスモデルが社会に与える影響を予測し、悪影響を軽くするための措置を求める案を盛り込んだ。拡散情報による悪影響が大きい場合、「表現の自由」に配慮しつつ、拡散を抑える方策をとってもらう。
災害時ほど偽・誤情報は社会に深刻な影響を与える。プラットフォーム事業者には災害時にとる対策、関係機関との連携の取り方を平時から定めておくことも求めた。
ネット広告の事前審査を巡っては基準の公表や体制整備を盛り込んだ。6月に総務省が米IT(情報技術)大手メタなどに同様の内容を求めたが法的な裏付けはない。
今回の素案は近く本体の有識者会議で共有される。有識者会議は月内に全体のとりまとめ文書を作成し、総務省は法整備のあり方の検討を本格化させる。
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