実現すれば幅広い分野で破壊的なイノベーションをもたらすと期待される「量子コンピューター」。実現に向け、さまざまな方式の開発で世界中がしのぎを削る。米IT大手などが取り組む「超電導方式」が一歩先を行く状況が続いていたが、ここに来て有望株に躍り出たのが「冷却原子方式」だ。近年、技術的なブレークスルーがあり、日本の研究チームも存在感を示している。
一長一短、本命見通せず
超電導方式は米グーグルや米IBMなどが取り組み、量子コンピューターの主流と目されてきた。理化学研究所(埼玉県和光市)に設置されている国産量子コンピューター初号機「叡(えい)」もこの方式だ。