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日本一周中に余命宣告…“すい臓がん”公表で「詐病だろ」誹謗中傷を受けたYouTuberが今、伝えたいこと

なぜ「詐病疑惑」が流れたのか

――また、3月21日発売の書籍の巻末には、みずきさんの腺房細胞癌についてかねてから存在する「詐病疑惑」に真っ向から反論する医師の文章が掲載されると聞きました。 こうへい:はい、みずきのセカンドオピニオンを担当してくれた医師・押川勝太郎先生(宮崎善仁会病院・腫瘍内科医)が寄稿してくれました。また、出版社の方が私たちの主治医の先生にお願いして、主治医の先生のコメントもいただいています。そこでも触れられていますが、医師でこの件に疑いを持つ人はほとんどいないんです。おそらく、がん患者のイメージと配信のときの様子がかけ離れていたために、「詐病に違いない」という疑惑が生まれたのではないかと考えています。あるいは、どんな場面であっても陰謀論のようなものを信じる人は一定数います。人生がうまくいかなかったとき、全然違う誰かを攻撃することで自分を満たそうとする人はいるので、そうした人たちの標的になってしまったのかなと思います。 みずき:押川先生が協力してくださったことは、非常に心強いです。つらい局面でも笑顔で頑張っている人は私以外にもたくさんいるし、動画を見た人の元気や活力につながればいいなと思ってこれまで配信をしてきました。今回の書籍では、治療のこと以外にもいろいろな私たちの素顔を書いているので、ぜひ読んでみてほしいなと思っています。

自宅や通院先が特定されそうになったことも

――顔出しで活動し、有名になっていくなかで、不安なことはありませんでしたか? こうへい:やはり私たちの自宅や通院先を特定しようとする人がいるので、それはとても困りました。たとえば病院側に迷惑をかけてしまうかもしれないし、もしかすると何らかの被害に遭うかもしれないし、さまざまな可能性が否定できないので、率直に身の危険を感じました。そうした行動はやめていただきたいと思います。私たちはもともと旅の記録を配信していましたが、みずきの闘病でそれが叶わなくなってからは、日常を配信しています。こちらが何の被害も与えていないのに、そこまで執着されるのは怖いですよね。
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アンチコメントに心を痛める一方で…
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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